凡人勇者の異世界英雄譚Ⅱ 〜転移したら無敵になってました〜
Ep1/act.17 選抜組
ブロードの事件も終わり、噂もまた広がったもんだが、それも次第に落ち着きを取り戻し、平穏を保ち始めた頃だった。
「えー、一週間後に実技選考試験を行う」
先生の発言にクラスがざわつく。
なんだ、俺以外はみんな知ってんだな。
「この試験は自主性だが、一年から三人ほどは強制的に出てもらうことになる」
「エナ様だろうな…」
「エナ様に違いない…」
クラス中がエナの名前を挙げていた。
あいつにそんな実力があったのか。
「一人目はエナ・アルフォア、二人目はジン・グレイス、三人目はシルド・ギル」
「は?」
クラス中が俺のことをこぞって見た。
まーた噂の中心かよ。
「今述べた三人は一年の代表、選抜組として出場してもらう。実力が認められれば騎士団からの引き抜きもある。心して掛かれ」
と言われてもなぁ…。
授業は寝てるし魔法使えないし、いざ引き抜かれても学校で何も学んでない…。
そういやエナと俺の他にジン・グレイスって奴か、名前かっけえなクソ。さぞ強面の仁義溢れる奴が選ばれてそうだな。
「おっと」
俺はブラブラ歩いていると身長の低い生徒にぶつかってしまった。
「あ、あ、す、すいません…」
「いや、俺が悪い。不注意だった」
「い、いえ…あ、あの、もしかして、シルド・ギルさんですか…?」
こんな見たこともねえ奴にまで名前知られてんのかよ…と少し困惑した。
「あ、そうだけど」
「やっぱり!僕、ジン・グレイスって言います!選抜組がんばりましょう!」
こいつがジン・グレイス!?
低身長で見るからに貧弱そうな、回復魔法に特化してる見た目の奴が!?
そんな気持ちを抑えて俺は「お、おう」とだけ返した。
「そうですね、ジンさんって人は…」
俺はエナにジンに関することを聞いた。
正直驚かずにはいられないし、なんであいつが選ばれたかも不安でしかなかった。
「『天才の平民』と呼ばれています」
「天才?あいつが?」
「ええ。あの方は王族でも珍しい『二つの属性』の魔法を扱えるんです」
「二つの属性…?」
「そうです。過去の選抜組も王族や貴族がほとんどでした。高位の血は多大な魔力を秘めていて、稀に二つの属性を扱える人が生まれてくるんです。二つの属性を扱える人は、S級魔法騎士になったり、たくさんの栄光を治めています」
「エナは?」
「私も二つ持ってますよ」
微笑まれながら言われた。
少しムカつく。
俺なんか魔法が使えないってのに。
「俺なんか魔法が使えないのにって考えてますか?それなら、魔法が使えないのに選抜組に選ばれた人は過去に一人もいませんので、誇っていいと思いますよ」
「ったく、お前はいちいち感に触る言い方をしてくるな」
「それはすみません。でも、ブロードとの戦いは凄かったですよ。素直に感心しました」
「そ、そうか?」
「はい。選考試験は三人のチーム戦です。一緒に頑張りましょうね」
俺はまたしてもエナに言いくるめられた。
口喧嘩じゃ絶対に勝てないな。
「えー、一週間後に実技選考試験を行う」
先生の発言にクラスがざわつく。
なんだ、俺以外はみんな知ってんだな。
「この試験は自主性だが、一年から三人ほどは強制的に出てもらうことになる」
「エナ様だろうな…」
「エナ様に違いない…」
クラス中がエナの名前を挙げていた。
あいつにそんな実力があったのか。
「一人目はエナ・アルフォア、二人目はジン・グレイス、三人目はシルド・ギル」
「は?」
クラス中が俺のことをこぞって見た。
まーた噂の中心かよ。
「今述べた三人は一年の代表、選抜組として出場してもらう。実力が認められれば騎士団からの引き抜きもある。心して掛かれ」
と言われてもなぁ…。
授業は寝てるし魔法使えないし、いざ引き抜かれても学校で何も学んでない…。
そういやエナと俺の他にジン・グレイスって奴か、名前かっけえなクソ。さぞ強面の仁義溢れる奴が選ばれてそうだな。
「おっと」
俺はブラブラ歩いていると身長の低い生徒にぶつかってしまった。
「あ、あ、す、すいません…」
「いや、俺が悪い。不注意だった」
「い、いえ…あ、あの、もしかして、シルド・ギルさんですか…?」
こんな見たこともねえ奴にまで名前知られてんのかよ…と少し困惑した。
「あ、そうだけど」
「やっぱり!僕、ジン・グレイスって言います!選抜組がんばりましょう!」
こいつがジン・グレイス!?
低身長で見るからに貧弱そうな、回復魔法に特化してる見た目の奴が!?
そんな気持ちを抑えて俺は「お、おう」とだけ返した。
「そうですね、ジンさんって人は…」
俺はエナにジンに関することを聞いた。
正直驚かずにはいられないし、なんであいつが選ばれたかも不安でしかなかった。
「『天才の平民』と呼ばれています」
「天才?あいつが?」
「ええ。あの方は王族でも珍しい『二つの属性』の魔法を扱えるんです」
「二つの属性…?」
「そうです。過去の選抜組も王族や貴族がほとんどでした。高位の血は多大な魔力を秘めていて、稀に二つの属性を扱える人が生まれてくるんです。二つの属性を扱える人は、S級魔法騎士になったり、たくさんの栄光を治めています」
「エナは?」
「私も二つ持ってますよ」
微笑まれながら言われた。
少しムカつく。
俺なんか魔法が使えないってのに。
「俺なんか魔法が使えないのにって考えてますか?それなら、魔法が使えないのに選抜組に選ばれた人は過去に一人もいませんので、誇っていいと思いますよ」
「ったく、お前はいちいち感に触る言い方をしてくるな」
「それはすみません。でも、ブロードとの戦いは凄かったですよ。素直に感心しました」
「そ、そうか?」
「はい。選考試験は三人のチーム戦です。一緒に頑張りましょうね」
俺はまたしてもエナに言いくるめられた。
口喧嘩じゃ絶対に勝てないな。
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