凡人勇者の異世界英雄譚Ⅱ 〜転移したら無敵になってました〜
Ep1/act.11 貴族の家
「と言うわけで、俺は捨て子で、あんたが拾ってくれたことにしたから」
俺は学校で起こったことの全てを爺さんに伝えた。アルスとの約束も。もちろんリオンのいないところで。
爺さんは「仕方ないのぅ」と二つ返事で街へ来ると言ってくれた。
そしてリオンを交えた三人で、爺さんのワープ魔法で王都へと向かった。
「ここがアルスの家か、貴族なだけあってやっぱ豪邸だなー」
リンコン♪
チャイムは他の家よりも少し豪華な音がした。
金持ちってのは変なとこまでこだわりが強いな。
「はい、ケンドラー家になります」
中からは使用人らしき女性の声が聞こえた。
「えっと、アルスと同じ学校のシルド・ギルって言います。呼ばれたんで来ました」
「シルド・ギル様ですね。伺っております。すぐにお迎えに上がります」
3分ほどしてバタバタと現れたのはアルス本人だった。
「待ってたよギルくん!…っとそちらの方が…」
「ああ、シルド・バンの爺さんだ」
アルスは会えて光栄ですと言わんばかりに目を輝かせていた。
「えっと、そちらの方は…?」
「ああ、こっちはS級魔法騎士のリオン」
「S級魔法騎士!?!?」
誰がどう見ても、と言わんばかりの驚きようだった。
「大賢者とS級魔法騎士と一緒って…君は一体何者なんだ……」
「俺が知るかよ。早く要件済ませるぞ」
家の中にはお高そうな絵画がズラッと並んでいて、よく見る豪邸をそのまま建てた感じだった。
渡り廊下を進み、豪華なドアの前でアルスは三回ノックをした。
俺は内心「うわ、堅苦しい」と思った。
「父上、アルスでございます。大賢者様と友人のギルくんを連れてきました」
ドアはバタリと開き、中から少し強面のお父さんらしき人が出てきた。
「あなたが大賢者シルド・バン様ですか!私ケンドラー家当主、アルガ・ケンドラーと申します!」
やっぱり大賢者は偉いんだな。
そんな感想しか出てこなかった。
俺と爺さんとリオンは、アルスの親父さんとアルスを交えた五人で豪華な食事をした後に、帰る流れとなった。
一件落着、そう思えたのだが。
帰ろうとした時、アルスの親父さんが気まずそうに爺さんに話をしてきた。
「大賢者様、誠に勝手ながらお願いを聞いて頂けないでしょうか?」
「ほう、話してくれませんか?」
「実は、貴族たちの中で噂になっているのですが、最近この国で貴族を狙った義賊が頻繁に現れるようで、単独犯とまでは目星が付いているのですが、A級魔法騎士が数人がかりで追っていても行方が掴めないみたいで…」
「なるほど。そうじゃギル。せっかくリオンと共にいるのだ、その犯人を二人で捕まえてみてはどうだろう?」
まーた俺に面倒事を押し付ける気だな…とは思ったが、実践は初めてだから少し楽しみと言うか、やってみたい気持ちはあった。
「俺はいいけど、リオンどうする?」
「俺は師匠について行くまでです」
おお…律儀なことで。
こんな感じで俺とリオンはそんな依頼を引き受けることとなった。
貴族の金を奪って貧困の民に分け与える義賊か…どんな奴なんだろうな。
俺は学校で起こったことの全てを爺さんに伝えた。アルスとの約束も。もちろんリオンのいないところで。
爺さんは「仕方ないのぅ」と二つ返事で街へ来ると言ってくれた。
そしてリオンを交えた三人で、爺さんのワープ魔法で王都へと向かった。
「ここがアルスの家か、貴族なだけあってやっぱ豪邸だなー」
リンコン♪
チャイムは他の家よりも少し豪華な音がした。
金持ちってのは変なとこまでこだわりが強いな。
「はい、ケンドラー家になります」
中からは使用人らしき女性の声が聞こえた。
「えっと、アルスと同じ学校のシルド・ギルって言います。呼ばれたんで来ました」
「シルド・ギル様ですね。伺っております。すぐにお迎えに上がります」
3分ほどしてバタバタと現れたのはアルス本人だった。
「待ってたよギルくん!…っとそちらの方が…」
「ああ、シルド・バンの爺さんだ」
アルスは会えて光栄ですと言わんばかりに目を輝かせていた。
「えっと、そちらの方は…?」
「ああ、こっちはS級魔法騎士のリオン」
「S級魔法騎士!?!?」
誰がどう見ても、と言わんばかりの驚きようだった。
「大賢者とS級魔法騎士と一緒って…君は一体何者なんだ……」
「俺が知るかよ。早く要件済ませるぞ」
家の中にはお高そうな絵画がズラッと並んでいて、よく見る豪邸をそのまま建てた感じだった。
渡り廊下を進み、豪華なドアの前でアルスは三回ノックをした。
俺は内心「うわ、堅苦しい」と思った。
「父上、アルスでございます。大賢者様と友人のギルくんを連れてきました」
ドアはバタリと開き、中から少し強面のお父さんらしき人が出てきた。
「あなたが大賢者シルド・バン様ですか!私ケンドラー家当主、アルガ・ケンドラーと申します!」
やっぱり大賢者は偉いんだな。
そんな感想しか出てこなかった。
俺と爺さんとリオンは、アルスの親父さんとアルスを交えた五人で豪華な食事をした後に、帰る流れとなった。
一件落着、そう思えたのだが。
帰ろうとした時、アルスの親父さんが気まずそうに爺さんに話をしてきた。
「大賢者様、誠に勝手ながらお願いを聞いて頂けないでしょうか?」
「ほう、話してくれませんか?」
「実は、貴族たちの中で噂になっているのですが、最近この国で貴族を狙った義賊が頻繁に現れるようで、単独犯とまでは目星が付いているのですが、A級魔法騎士が数人がかりで追っていても行方が掴めないみたいで…」
「なるほど。そうじゃギル。せっかくリオンと共にいるのだ、その犯人を二人で捕まえてみてはどうだろう?」
まーた俺に面倒事を押し付ける気だな…とは思ったが、実践は初めてだから少し楽しみと言うか、やってみたい気持ちはあった。
「俺はいいけど、リオンどうする?」
「俺は師匠について行くまでです」
おお…律儀なことで。
こんな感じで俺とリオンはそんな依頼を引き受けることとなった。
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