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凡人勇者の異世界英雄譚Ⅱ 〜転移したら無敵になってました〜

雨猫

Ep1/act.8 正体

二日目には『貴族を殴った異常者』、三日目には『シルド・バンの関係者でエナ・アルフォアに認められた秀才』として話題の中心になり、そして本日四日目は『シルド・バンとはどんな関係?』と俺の話題は盛り下がることを知らなかった。

「あの一年のシルド・ギルっているだろ?年齢的にも結構上だし、大賢者の隠し子かな?」

「いやーでも、大賢者は一切女っ気ないし、結婚どころか付き合ったこともないだろ…」

「だーから隠し子なんだって!意外と色々やってるかもしれないだろ〜?」

と言った具合に。
それでも、大賢者が異世界から転移させた異世界人とバレてはいけない。

うぅむ。どうしたものか。
まあ面倒臭いし取り敢えず寝るか。

そうして俺は優雅な休み時間を昼寝して過ごすことにした。
暖かな日差しに心地いい風、いい気分だ。

「ギルくん、少しいいかい…?」

申し訳なさそうに寝そうになった俺を起こした声の正体はまさかのアルスだった。

「起こしてしまってすまない…。こんな恨まれるようなことをした僕がお願いをする義理なんてないんだけど、力を貸して欲しいんだ」

「俺の力?」

「ここじゃなんだから場所を変えよう」

そんなアルスの提案に乗り、俺たちは誰もいない屋上へ行った。

「で、つまりどういうことだ?」

険しい顔をしてアルスは話し始めた。

「君を陥れるようなことをしてしまった僕が言えることではないんだけど、僕の家はとても厳しいんだ。『上は王族だけ、他はみんな足で使え。生意気な奴は権力で黙らせろ』それが幼い頃から父に言われてきたことなんだ」

「はぁ、それで俺にも当たったってわけか」

「そうなんだ。しかし、エナ・アルフォア様により僕はデマを流した張本人だと父に伝えられたんだ。平民に負けた、と」

「それで、俺にどうして欲しいんだ」

「君は大賢者の息子なんだよね?僕の父に大賢者を会わせて説得して欲しいんだ。平民ではなく、シルド・バンの息子に負けたんだ、と」

「そうか。で、俺に協力する義理はないわけだ。だって全部自業自得だもんな」

「……」

アルスは何も言えなくなってしまった。

「いいぜ、協力してやる。ただ来てくれるかは分からねえぞ。第一みんな噂に流されすぎだが、俺はバンの爺さんの息子じゃない」

「え、じゃあ君は一体…」

なんの嘘も用意していなかった俺は咄嗟にこう答えてしまった。

「捨て子の俺を拾って育てたのが爺さんだ」

苦し紛れの言い訳だった。
どちらにせよ近々会いに行かないとな…。

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