箱庭とノア

のばな

1話 R始まり。

 これは、もうだいぶ昔の話だ。当時世界は争いを繰り返していた。だけどみんなもう覚えていない。...ねぇ、君も僕達の事忘れちゃったの?...シオンはハッとして起きた。「どうしたの?シオンくんがそんなに慌てて起きるなんて。」そばでシエルとシルフィが心配そうに言った。「なんでもない、ただ懐かしい夢を見たんだ。」(あれは一体なんだったんだろう。)「君も夢を見るんだな。」シルフィは不思議そうに言うと「そろそろアカデミアに行かないと間に合わないんじゃない?」「あっ...」シオンとシエルは二人同時に走り出した。「僕は猫の姿で浮けるから楽だけど君たちはさぞかし大変なんだろうね。」「だったらフィの言の葉で飛ばしてよー。」「無駄口言ってるなら走るぞシエ。」俺の名前はシオン。現在アカデミアで魔術を教わってもらってる。そして一緒にいるのがシエルとシルフィ。この二人は本当に仲が良い。俺たちはある契約を交わしたことにより常に一緒にいなければならない。...多分それがなくても一緒にいたと思うけど。
 「つ、ついた...。」「遅いですよ二人ともー!」目の前にいるネネちゃん先生がそう言う。「ごめんなさい。」「だってシオン君が...。」「始めるから席ついてね。」「はーい。」「将来有望の双子の魔法使いが遅刻なんて珍しいな。」いつも隣にいるナギサが言う。「ナギくんはいっつも遅刻気味だけど今日はいるんだね。」シエルはにやにやしながら言う。「ま、まあそれは今はいいだろ、今は...。」「こら二人ともちゃんと話聞けよ。」俺達は毎日アカデミアで魔術や魔法を主に勉強している。魔術と魔法に別れてそれぞれクラスがあるが、魔法はどういう訳か限られた人しか使えないため現在使える者は二十に満たない。ちなみに俺達は「双子の魔法使い」と言われているが実際まだ魔術師だ。なぜそんなあだ名で言われていると言うと...

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