告ったら魔王城に連れていかれました。

ff

ルナラブ馴れ初めパニック!Ver.3(ラブラネ目線)


相当疲れていたのだろう。
ラブラネがかけたのは軽度の睡眠魔法のはずだが、
ルナウル死んでいるかのように寝ている。


(どうしよう。このまま寝かせておくのも悪いよね。
部屋に運んであげた方が良いんだろうけど、
ルナウルだって男だし……
勝手に入られるの嫌だよね……)

(うぅ……でもこの場面を他の女の子に見られたら
どんな仕打ちが待ってるかわからないし、
あとでルナウルに注意された方が良いのかも。
それに、ルナウルにだったらちょっとくらい
注意されても嫌な気はしないし……
むしろそーゆーのもアリかも。
……って何考えてんのよ!
取り敢えずお荷物さんを運ぶか)


魔王城の職員とその子供は全員、
小さい頃から戦闘技術を鍛えられる。
ラブラネも例外ではない。
小さい頃から活発に運動していたおかげで、
力はある程度身についている。
ルナウルは最近やせ細って居るので、
運ぶのは容易なことだった。

ラブラネはルナウルを特に苦もなく運んだ。


(ルナウルの部屋……久しぶりだなぁ)


部屋のドアを開けた瞬間目に入ってきたのは、
整理整頓された小綺麗な空間だった。
本棚や書類はしっかり整頓されているし、
ベッドメイキングもばっちりだ。
そして、飾り棚には写真が飾ってあった。
ルナウルをベッドに横たえさせてから、
写真に目をうつした。


(私との写真ばっかりだ……)


赤ちゃんの時の写真、その後の誕生日の写真、
パーティーなどの行事の写真など、
沢山の写真が飾られていた。
ド真ん中に貼られている写真は、
最後に一緒に海に行った時の写真だ。

13歳くらいの年齢の時だったはずだ。
この時はまだ、しっかりとお互いを男女として
見ていなかった気がする。
写真の中のルナウルは、
これでもかという程の笑顔で笑っていた。
曇りがなく、明るい、眩しいような笑顔。
今のような無理をしている笑顔ではない。
ラブラネは眠っている彼の耳元で小さく囁いた。


〔ルナウル…寝顔綺麗……
    また前みたいには笑ってくれないの?
    あの笑顔が1番似合ってるのに…〕


ルナウルの寝顔を見ていると、
どんどんと心が引き込まれていくのを感じる。
透き通るように白い肌に、焦げ茶掛かった黒髪。
追い打ちをかけるように薄目の唇が誘惑してくる。
ラブラネは吸い込まれるように、
ルナウルの唇へと自分の唇を近づけた。
しかし、こういった展開は最後まで
上手くいかないものだ。


[ん……ふわぁ…
    あれ?ラブラネさん……?
    ここは……というか、何をしているんですか?]

〔なんで今なのよ…!
    もう無理だからね!〕

-ラブラネは起き上がりかけたルナウルを
    押し倒して抱きついた。

[ふえ!?ちょ……ラブラネさ…ん
    ダメですよ……離れてください…]

〔断固拒否するっ!
    もうこの思いを我慢したくないの!
    そもそもなんでアンタ、 
    私の事愚痴りマシーンみたいに扱ってるのよ!
    人がアプローチしてるんだから気付け!〕

-気持ちが爆発して止められない。

[えぇ……?]

〔えぇ……?
    じゃないわよ!
    私はルナウル君の事が好きなの!
    ずっと大好きだったんだよ?
    もぅ…なんでここまで言わせるわけ?
    ルナウル君の事を思って必死に気持ちを
    押さえ込んで、我慢してたんだよ?
    なんとか言いなさいよ……〕

-もう完全に情緒不安定だ。

[私もラブラネさんが好きですよ?]

〔この馬鹿野郎!
    そうやって人の気持ちを踏みにじりやがって!〕

[いや、だから、人の話聞いて?
    私もラブラネさんが好きだと……]

〔え゛?〕

-2人でゆっくり深呼吸する。

〔[ふぅ……]〕

[え〜……私もラブラネさんが好きです]

〔ありがとうございます
    ……なんで?〕

-本当に、なんで私を選んでくれたの?
    他の子達の方がしっかりアプローチも
    してたし、私なんて脇役だと思ったのに。

[なんでって……きっと理由というか、
    感覚というかはラブラネさんと同じです]

-そっか。そうだよね。

〔そう……あとそのラブラネさんって嫌だな。
    昔みたいにラブラネとか、ラブとか呼んで?〕

[そんな照れくさいこと出来ませんよ… ]

-顔赤い。可愛い。
   ちょっとイジワルしちゃお。

    ラブラネは少し体をちかづけて、
    上目遣いでルナウルを見つめた。

〔だぁーめ。拒否権はない。〕

[うぅっ……
    仕方ないですね…ラブ。]

〔あと、敬語も二人っきりの時は禁止。〕

[クセでつかってしまうと思いますし…
    それはさすがに無理です。
    使える範囲ではタメも使うので、
    もうそれで許して下さい……]

〔仕方ないなぁ……
    えっと、私達ってもう交際してるってことで
    良いんだよね?〕

[もう大人ですし、問題ないでしょう。
    是非よろしくお願いします。]

〔うん!よろしく!〕


ルナウルに今までで1番強く抱きつく。
こうして、ラブラネはルナウルをGETした。






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