告ったら魔王城に連れていかれました。
新居を創ろう!①
『うぅ……まあ、無事に結婚式も終わったし、
    準備しなきゃね。』
「準備って何の?」
『あ、優ちゃんには言ってなかったか。
    新居の準備だよ。』
「え?こんなに立派な城があるのに?
    新しい家はいらないんじゃない?」
『えっと……それがね…』
菜南ちゃん曰くFMWORLDの風習では、
結婚したら同じ寝室で寝たり、家事をしたりと、
色々な習わしがあるらしい。
そのために、他の人に邪魔されない空間が
欲しいので、新しい家が欲しいらしい。
しかし城のようなものではなく、
一般的なこじんまりとした家が良いらしいのだ。
その方が自分たちで管理もしやすい。
「場所の目星は付いてるの?」
『ううん。それが全然で、
    気に入る場所があまりないんだ。』
「うーん……そうだな〜…
    あ、そうだ。プリマ!」
〔はい、なんでしょう!
    というかお久しぶりですね。
    結構寂しかったですよ?〕
「あぁ……ごめん。
    要件なんだが、新居を探しているんだ。
    良い土地を知らないかな?」
〔そういうのはノエルさんの方が知ってるはず。
    オッケー、ゴーグル!〕
-ピコン!
[おう、主人。久しぶりだな。
    今回はなんの用だ?]
「僕と菜南ちゃんの住む新居を、
    どこに建てれば良いのかわからなくって、
    おすすめの土地とかあるかな?」
[お!遂にお前ら結婚したのか!
    良く見りゃぁ、主人も成長しちゃってよ!
    めでたいね〜こりゃぁ〜。
    魔王様よ、魔族領はだいたい見たのかい?]
『ええ。大部分は見ました。
    でも、気に入る場所がなくて……』
[う〜ん……魔族領を一番よく知ってるのは
    魔王様だからな〜。
    それでも見つからないなら、
    アドバイスもしづらいからな〜。
    -そうだ!主人、特殊空間創造のスキル
    持ってたよな?自分で土地を創っちまえよ!]
思いがけないアドバイスに一瞬みんな沈黙する。
「『その手があったか!』」
自分で空間ごと作ってしまえば良いんだ!
そうすれば、最高な土地が手に入る。
異空間なので、他の人に侵入される恐れもない。
僕達は新居の構成を練った。
決まった事は以下の通りだ。
⑴自然豊かな広い土地にする。
⑵手入れが楽な土地にする。
⑶プライバシーが完璧な空間にする。
⑷質素ながらも、使いやすい家にする。
⑸プリマ達、フェアリーの家も作ってあげる。
⑹この世界でだけ、賢者ノエル(ゴーグル)が
    実体を持てるようにする。
⑺側近達の空間も作ってあげる。
こんな所だ。少数集落的なものを創る。
ルナウルとラブラネも快く応じてくれた。
ここからは僕とプリマとノエルの腕の見せどころだ。
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