告ったら魔王城に連れていかれました。

ff

先々代。


『もともとね、結界は存在していなかったの。』

「へぇ〜。誰が作ったの?」

『先々代の魔王。
    その時の人間も魔族を襲ってきたの。』

「また、なんで……」

『この世界には4種の生き物が居るんだ。
    人間、魔族、魔物、野生動物。
    人間は魔族と魔物を同じものだと
    勘違いしていたの。』
『そして、魔物が人間を襲った。
    それを人間は、魔族の宣戦布告だと受けた。
    そして、魔族領に火矢を打って行った…』

「なるほどな……
    魔族と魔物との違いは?」

『意思があって動くか本能で動くか。だよ。
    オーグとか、ゴブリンは、優ちゃんの
    世界では意思があるように描かれてるけど、
    この世界ではそうじゃない。』
『群れを作り、食料を求めて、生きる。
    これを本能的に行っている。
    食料を持っている人を襲うこともする。
    魔物に襲われるのは魔族も同じなのよ。』
『魔物の凶暴化は激しくなっていき、
    勘違いした人間は、さらに魔族を
    攻撃してきた。』

「それで、人間の猛攻に耐えられなくなって、
    結界をはったのかな?」

『いや、人間が攻めても魔族の圧勝だった。
    だけど少なからず魔族の犠牲者も出た。
    これ以上無駄な戦いはしたくなかったの。
    でも魔族領全体を覆う大規模結界だよ?
    普通に貼れるはず無かった。
    代償として、先々代の魔王は亡くなったわ。』

「そうなのか……
    今の人間は魔族と魔物を区別できてるの?」

『出来てるわ。
    でも今回の攻撃は人間の領地を増やすための
    侵略だと認識してる。』

「だいたいわかったよ。
    僕は、人間軍からの猛攻に耐えるべく、
    戦闘に加わればいいのかな?」

『そういうことになるね。
    今、新型の結界を開発してる。
    だから、結界を再生成できるまでの
    戦闘になるよ。』

「わかった。
    今の僕の種族は魔族だから、
    気持ちを切り替えて挑むよ。」

『ありがと。
    じゃあまずは戦い方を覚えなきゃね。』

「うん。そうだね。
    あ!そういえば、この世界って電気使える?」

『うん。使えるよ。
    前までは科学発展があまりなかったんだけど、
    あっちの世界の科学の本とか持って帰って、
    発展させておいたんだ。』

「お、じゃあスマホも使える?」

『もちろん。
    あ、でもネットは使えない。』

-よっしゃぁ!
    なら、アレが出来るかも!

「よし……やってみるか…」

『やる……って何を?』

「ふふっ……
    プリマ出てきてくれ!」

さっき菜南ちゃんから教わった、
マイフェアリー収納術を解く。

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