自重しない異世界転生

ム白の羽

16話 安定した収入

 俺は、マーネさんから渡された紙を見る。まあ、普通に読める。どうやらこれはポーションの作り方のようだな。

「読めたぞ。なにか書くものがあれば翻訳したものを写すが?」
「よ、読めたのですか!?わ、分かりました。すぐに書くものを」

 俺はマーネさんが持ってきた紙に翻訳したものを写す。

「出来たぞ」
「ありがとうございます。拝見させていただきます」

 なあ、メア。読めたは読めたけど結局何語だったんだ?

(不明です。王立図書館なら分かるかもしれませんが、学者が読めなかったことを考えると、一般の人が読めるものでわかる可能性は低いですね)

 そうか。ま、書かれてたのは回復薬のレシピだったし、正直どうでもいいかな。

「こ、ここここここここ、これはっ!?」
「ど、どうした?回復薬のレシピくらいどこにでもあるだろ?何をそんなに驚いてんだ?」
「何を言っているのですか、ユウトさん!これはとんでもない代物ですよ!」

 えー。回復薬だろ?

「いいですか。このレシピ通りに回復薬を作ると、従来の回復薬の半分のコストで作ることができます」
「......は?つまり......」
「単純に2倍の儲けです」

 マーネさんはニヤッと笑いながら答える。

 まあ、そうなるな。でも、半分のコストで作れるなら、適正価格も下がるだろ?それ、バレたら信用を失うんじゃ......。そこのところをマーネさんに聞いてみると、

「そもそもユウトさんが言わなければ、バレることは無いです。うちの薬師は、皆私に恩があるので、私が秘密にして欲しいと言えば、よそに話すことはしませんし」

 俺としても、世界一の商会を敵に回したくはないから、バラしたりはしないが。

「値下げをする時は少しずつですね。そうしないと、他のところが潰れてしまいます。ある程度値下げが終わったら、他のところにもこのレシピを売ります」
「え、売っちゃうのか?」
「はい。そうしないと他のところが潰れますし、レシピを売る時には、回復薬の値段は下がっている、つまり利益は少なくなっているでしょうし。うちは既に儲けた後ですので何も問題は無いですな」

 すげぇな。先の先まで見通してる。

「ところでユウトさん、報酬はどうしますか?欲しいものがあるなら用意いたします。何も無ければお金を報酬としますが」

 うーん。今、一気に金を貰ってもいいんだが、冒険者は収入が不安定だし、安定した収入が欲しい。で、中世ヨーロッパくらいの文明レベル(魔法はあるけど)だし、地球の便利商品のアイデアをこの人に渡せば、俺はアイデア量が大量に入ってくると思うんだが、どうだ、メア?

(地球の便利商品、スマートフォンなどの電子機器はまず無理ですね。その他もマスターの創造魔法がないと難しいかと)

 そうか。なら、娯楽品ならどうだ?ボードゲームとかなら作れるだろ。

(そうですね。それくらいなら可能かと)

 よし。

「マーネさん、それなら相談があるんだが、俺は安定した収入が欲しいんだ。だから俺の知ってる娯楽品のアイデアを出すから、それをマーネさんの商会で売ってくれないか?」
「なるほど。それでしたら、売り上げの2割ほどをユウトさんに収める形になりますな。ですが、売れなければたいした収入にはなりませんぞ?」

 多分大丈夫じゃないか?前世で呼んだ小説でも、地球の娯楽品で大儲けしてたし。
 俺は、マーネさんに地球の娯楽品について話した。
 オセロ、将棋、チェス、人生ゲ〇ム、トランプ、コマ、けん玉、ヨーヨー、などなど。
 それを聞いたマーネさんの反応は......

「売れます!間違いなく売れますよ、ユウトさん!ユウトさんに収めるのは売り上げの2割と言いましたが、3割にしましょう」
「いいのか?こっちは助かるが」
「心配は無用です。ユウトさんに3割収めても問題がないくらいには、売れると私は思っています。ただ、その代わり、と言ってはなんですが、次またなにかアイデアを持ち込むなら、私の商会にして欲しいのです」
「ああ、分かった。こっちにとっても得だしな」
「ありがとうございます。では、私はすぐに試作品を作らせます。そうですね......三日ほど後にまたここに来ていただけますか?」
「了解だ」

 安定した収入、ゲットだぜ!

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