自重しない異世界転生

ム白の羽

15話 解読依頼

 次の日の朝、俺は冒険者ギルドの依頼のボードで何か面白い依頼がないか探していた。

「ん?なんだこれ?」

 解読依頼   エドワルド商会
 解読された内容によって報酬の増加あり詳細は商会にて
 報酬銀貨5枚

 解読依頼なら、冒険者ギルドじゃなくて考古学者とかに頼むんじゃないのか?

「なぁ、エレナさん。この依頼なんだが、なんで冒険者ギルドに出されてるんだ?」
「解読依頼ですね。冒険者は、様々な地域、また種族の方がなることが出来ます。なので、学者達が読めないものも読むことが出来る場合があるんです」
「なるほど」

 ふむ。これさ、俺の称号の転生者の効果、言語理解で読めちゃうんじゃない?

(それが文字であれば可能です)

 なら受けるか。

 というわけで、依頼を受けた俺はエドワルド商会に来た。エレナさんに聞いたら世界規模で進出している、かなり大きな商会らしい。噂ではそこら辺の小国よりもお金持ちだとか。

「すいませーん。冒険者ギルドの依頼を受けてきたんですけど」

 店の中に入って、店員さんが誰もいなかったので少し大きな声で呼んでみた。

「すみません、おまたせしました。冒険者ギルドの依頼と言うと解読依頼の方ですな」

 少し待つと少し小太りなおじさんがでてきた。
 ......この人絶対偉い人だ。少なくとも幹部クラスであろう。

「私はこの商会のオーナーのマーネ・エドワルドと申します。よろしくお願いします」

 おおぅ、まさかのトップでした。
 ......名前......なんかすっげぇ稼い出そうな名前だな。名は体をあらわすってこういう事か?

「ああ、俺は冒険者のユウトだ。よろしく頼む」

 俺は、マーネさんから説明を聴きながら店の奥に行く。

「解読してもらいたいのは私がたまたま手に入れたものでね。書いてある文字が見たこと無かったんだが、子供の落書きにしては字が整っていたから、なにか価値のあるものだと思って買い取ったんだ。学者に依頼したがまったく分からなかった」
「それで冒険者ギルドに依頼したのか」
「はい。ユウトさん、全部解読出来なくてもいいのでとりあえず見てください。この文字ににている、とか、1部分だけでも報酬はお支払いしますので」

 そう言ってマネーさ......ゲフンゲフン......マーネさんが見せてきたのは1枚のボロボロな紙だった。

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