自重しない異世界転生

ム白の羽

10話 王都

 俺はアイリスの護衛依頼をうけて、王都に向かって出発した訳だが、何故かアイリスと一緒に馬車に乗っていた。

「なぁ、アイリス、俺はお前の護衛じゃなかったのか?なんで一緒に馬車に乗ってるんだ?」
「護衛ですから♪」
「いや、そういう事じゃなくて。普通、護衛は、馬車の外じゃないのか?」
「外は、騎士達がやってくれるからいいんです。それとも、私と一緒に馬車の中にいるのは嫌ですか?」

 うるうるうる

 涙目になって上目遣いでこっちを見てくるアイリス。それはマジで反則だわ。

「そんなことは無いぞ。アイリスと、話すのは楽しいからな」
「それなら良かったです♪」

 途端に花咲いたような笑顔になるアイリス。それも反則だわ。

 それにしてもやけに上機嫌だな。そんなに俺と話すの楽しいか?

(............鈍いですね、マスター)

 ?メアのやつは何を言ってるんだ?

 と、そんなやり取りをしていたら、何事もなく王都に着いた。

 俺は、身分証とかを持ってなかったのだが、さすがは王族、何事もなく入れた。

「ユウト、すまないが騎士の詰所まで来てくれるか?騎士の遺体を引き取りたい」
「ああ、わかった」
「ユウトさん、私はお父様に報告をしなければならないので、ここで一旦お別れですね。ですが、きちんとお礼をしたいので、時間が出来たら、王城にきてくださいね」
「おう。必ず行こう」
「はい。約束ですよ?それでは」


 アイリスと別れた俺は、ユーリと、騎士の詰所に来ていた。

「ここに頼む」
「わかった。これで全部だな」
「ありがとう。ところで、ユウトの倒したゴブリンロードだが、素材を売るつもりは無いか?」
「売ってもいいが、何に使うんだ?」
「そうだな、ゴブリンロードまで進化するゴブリンは、少ないから、研究に使われるな。他にも、防具の素材になったりと、使い道は多い」
「ふーん。まぁかまわねぇよ」
「そうか。なら、金を用意してくるから、少し待っていてくれ」

 5分ほどして、ユーリが戻ってきた。

「これが代金だ。全部で金貨25枚になる」

 なんか多くないか?メア、ゴブリンロードの素材の相場は?

(ゴブリンロードの相場は、金貨10枚くらいです。ただ、マスターは一撃で首チョンパしてますので素材としての価値が、上がっています。と言っても、金貨15枚くらいです。)

「なあ、ユーリ。これちょっと多くないか?」

「ユウトには、色々と助けて貰ったからな。その分だ」
「まあ、そういう事なら有難くもらっていくか」
「ユウトには本当に世話になった。何か困ったことがあれば、騎士団を頼ってくれ」
「ああ、ありがとよ」

 俺はゴブリンロードの素材と、金貨を交換して、騎士の詰所をあとにした。

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お金の価値
銭貨1枚=10円
銅貨1枚=銭貨10枚=100円
銀貨1枚=銅貨10枚=1000円
金貨1枚=銀貨100枚=10万円
星金貨1枚=金貨100枚=100万円
黒金貨1枚=星金貨10枚=1000万円

 日本円に関しては、大体だと思ってください


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