僕が頂を手にするまでの物語

黒炎の堕天使

第一章 器の可能性

 神父から魔眼を二種類教わり半月が経過し丁度訓練を始めて一年になろうとしていた

 「リウスも明日で十一歳訓練を始めたからちょうど一年が経過するな」
 「だいぶ早く進みましたね」
 「それで明日にはあるダンジョンに行ってレベル上げと踏破そして素材回収をしてもらう、まぁ誕生日プレゼントだな」
 「ダ、ダンジョン!」

 ダンジョンについて説明すると
 ダンジョンとは、この世の始めとともに神が悪戯で作り出した遊戯場だと言う
 実際は浅いところで一層から五十層、確認されているうちで最も深いのは中央大陸の孤島に位置するダンジョン〈ハーマン〉
 このダンジョンは一段階目が百層ありその次に二段階目があると言われている
 何故有るか無いか曖昧な言い方なのかと言うとこのダンジョンに最後に訪れたのが勇者がいた時代になる、そして勇者がいたのが数万年前
 そしてダンジョン入り口に勇者が記したと思われる石碑があるそこには勇者が訪れたそして百層以上存在することが書かれていた、大半は風化し読めなくなっていた
 次にダンジョンの内部についてだがダンジョンは各層に魔物(モンスター)が存在する、ゴブリンの様な亜人系、植物系、アンデット系、獣系、龍系(竜系)、神域に居る神獣のありとあらゆる魔物が各階層を彷徨っている
 そしてダンジョンには十層ごとにボスが存在するボス部屋はボスのみが存在しそのボスを倒さない限り出られない
 ボスを倒すと下層に進めるのだ
 ここで一つの疑問が出てくるそこまで大きいダンジョンがどうやって地中に埋まっているのか、それは埋まってはおらず別空間に存在するダンジョンは最下層にコアがありそのコアが現在僕達がいる空間とまた違う空間に送り込んでいるそうだ、コアを破壊するとダンジョンは崩落するらしい
 まだこの世のダンジョンは崩落していないが

 と言うのかダンジョンだ

 「ダンジョンに行ってレベルアップまでなら分かりますが、踏破ですか」
 「あぁそのダンジョンを三年以内で踏破できれば最後の魔法と術を教えるそして、あるものプレゼントするだから生きて帰ってこい」
 「三年間ダンジョン暮らしですか、それと生きて帰って来いってそんなに危険なんですか」
 「あぁ世界で一番危険なところだな」

 一番危険なところに子供を送り込むって
 それと世界一のダンジョンって

 「もしかして〈ハーマン〉ですか」
 「あんな優しいところじゃないな、一つ言うなら人間がいく領域じゃない」

 人間が行くところじゃない所を知っている神父の強さは人間卒業レベルですね

 「前回言ったラゴンを覚えているか」
 「天空大陸そしてドラゴンの住まう所、そして常人なは見えない大陸」
 「そうだ明日はそこに言ってもらうそしてラゴンのダンジョンを踏破してもらう、あと絶対にやってもらわなきゃいけない事が一つ」
 「それは」
 「あいつの鱗を一枚と頭を思いっきり叩いて来い」
 「あいつとは?」
 「古龍王エンシェントドラゴンだ」
 「あー古龍王ですか、って古龍王ぅぅぅぅ!」
 「前に言って通り奴に迷惑をかけられたからな仕返しだ」
 「神父のお願いですから死んでも成し遂げて来ます」
 「でもまぁ古龍王と戦うのはダンジョン踏破後にな経験値を積んでからじゃないと死んじゃうから、でもその後なら死なない断言するぞ」
 「......」

 師匠きっと三年後の今日が僕の命日ですどうかラゴンに来て骨を持って帰ってください
 死の宣告ってこんな気持ちなんだ

 よし絶対生きて帰ってこよう

 「一つ参考のため聞くんですけど何層位何ですか?」
 「それは言えないな、一層一層進んだらすぐ終わるさ」
 「教えてくれないんですか、じゃ食料とかはどうするんですか?」
 「それは現地調達、あいつらの肉でどうにかしてくれ」
 「現地調達......頑張ります!」

 なんか頭がおかしくなってきたかも
 肉なら魔法で煮るなり焼くなりして食えるな

 「武器の方は問題ないだろうしな」
 「はい、大丈夫です」

 武器はもう最強なのを手に入れたから
 あとは前回のマジックバックを持ってってその中にミューナと作ったポーション持ってこ、回復用にね

 「今日は訓練はせずに休んで来い、明日の朝までに心の準備をして来いよ」
 「分かりました、期待に応えられるように頑張ります」

 よし部屋に戻ったらミューナと緊急会議だな
 議題 どうやってこの孤児院から抜け出し神父から逃亡するか で決定だな

 「リウスに一つこの指輪を渡すしておくぞ、今の内に嵌めておいてくれ」
 「分かりました」

 凄い嫌な予感が

 どこに入れようか右手の薬指にしよう

 『装着を確認』

 「な、なんだ」
 「反応した様だな、この指輪は逃げ出し防止用の拘束の指輪だ、この指輪に設定したのは明日からラゴンのダンジョンをクリアするまでダンジョンを出られない様にしてある、今日のうちはただの指輪だが儂に居場所がわかる様にしてあるそして外すこともできない様にしてある」
 「......」

 八方塞がり
 ダンジョン行き確定
 生き残るための希望は何処

 「じゃリウスゆっくり休んでまた明日」

 何故だろう神父が笑っていた様に見えた
 神父は教会の方へ向かっていった

 今日は教会で祈りでもするのかな
 そんな事よりもどうしようもう逃げられない大人しく今日は休もうかな


 ■・・・視点■

 此処は教会の像の前で彼は魔法陣を描いていた
 魔法陣の内容は転移魔法陣

 「待っていてくれ、すぐ向かうからな」

 彼の声は凄く悲しそうだった

 「残りは俺の力を与えるだけだ......あぁ、本当に神は残酷だよ」

 彼の目は遠い過去を見つめていた
 彼の指には指輪が嵌めてあった

 「君に貰ったこの指輪に誓った約束すら果たせないかも」

 彼の指輪には数々の名前が魔法文で刻印されていた
 その名前は昔の英雄の名もある

 「なんでかな......こんなにも昔の事が頭に思い浮かぶのは、また会いたいよ」

 彼は指輪を外し指輪に自らな名前ともう一つの名前を刻んだ、もう一つの名前は女性の物だ

 「こんだはどんな形で出会えるかな、もう覚悟を決めたよ」

 彼は泣いていた大粒の涙を流しながら
 掠れた声で

 「君と会ってしまったのが俺の一番の後悔でもあり一番の幸せでもあるんだ、次の神は優しくてこんな残酷な試練をくれなきゃいいけどね」

 彼は自分の指を切りその血で魔法陣を描いた
 そしてその指輪を魔法陣に置き魔力を流し

 「俺はもう生き過ぎた、これが俺に残された最後の選択肢なんだ
俺は君たちの屍を乗り越えていかなきゃならない事が辛い、また一人また一人と倒れていく君たちの屍を…なぁ、見てんだろソイル」

 怒りに溢れた声色で
 彼は誰もいない教会で
 悲しく、怒り、後悔に
 様々な感情の中

 「もう決めたんだよ、俺はやっと終われるんだ......」

 彼は言葉を止めた

 今からある言葉を発する事でなくなる感情はあると思う、だがその言葉を発する事によって今まで旅立って行った仲間たちに顔を合わせる事が出来なくなる

 その考えをした時に残ったのは喪失感

 今までの感情が考えが消えていった
 悲しさも怒りも後悔も

 彼はその場で崩れていった糸の切れた操り人形のように
 彼を支えていた物が崩れた

 何度もこの様なことはあっただが必ずいた彼を支えてくれる人がだがもういない、みんな行ってしまった

 そのまま彼は眠りについた

 彼はこの呪いから試練から逃れることはできる、だが次の器を探し器を完成させるまでは出来ない
 既に数十万年も探し続けた
 だが居ない、可能性のあった者はいただが皆人間だ八十年もすれば役目を終えようとする
 皆神ではない死の概念が存在する

 そんなにどれだけ探そうとも見つかる様子がなかった中、現れた可能性の有る次の候補が

 彼がこの様な状態になり掛ける時必ず偶然的ではない必然的に現れる、彼を支える一本の糸の様な薄く細い希望が
 それにより彼は廃人にならなかった

 彼は縋る思いで
 だが必ずその器はただの可能性のあった者にしか変わりはなかった
 育て方を変えて工夫して、直接手を加えて色々な方法を試したが完成することは無かった

 だから彼はこの器を最後にした、もし完成するならこの世に残した最後の仕事を行い約束を果たす
 もし無理なら彼は禁忌を起こすこととなる、世界を作り変えるかも知れない事をしでかす

 オリジナルの改変魔法

 世界を無に帰す

 神すら凌駕する恐るべき力

 こんな力がありながらも彼は使わなかったのは、まだ生きなきゃいけない理由があった
 彼を助けてくれた少女との誓いそして惹かれる様に集まった人との約束その出来事を一つ一つ果たしながら、長い時を生きてきた
 だがもう既に残ったのは少女との誓いのみ

 その誓いを果たすまでは何があろうともこの世を離れるわけにはいけない、どんな手段を取ろうとも生き残り神への憎悪を膨らましながら
 だが何故か必ず少女が支えて憎しみを解消してくれた、そんな彼女が好きだ
 だが彼女もまた神ではない短い一生を過ごした
 目の前から居なくなった
 残ったのは指輪と交わした約束だけだった

 彼は約束を忘れる事は無かった
 やっとその約束を終え二人でまた会えると思うと嬉しさとは違う感情が現れてくる

 約束を果たすためまた彼は飛び越える
 数々の墓標の上に彼はいる
 一つ増えようとも思う事はない
 

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