不能勇者の癖にハーレム築いて何が悪い?
21:効率的な方法
「……ここか」
「ねぇ、リン。そんなに動き通しで大丈夫なのかい?」
ミルズが珍しく俺を気遣う発言をしてくれる。
あの後すぐに村長の頼みを聞いて、ついてこられる人間だけついてくればいい、と言って俺は引き受けた。
ヴァナだけは色々と衝撃が大きかったのか、宿で休んでいると言っていたので、村に置いてきた。
なので休みがてら必要そうな物とか、ほしいものがあったら買っていいと言って金を渡して留守番をさせてある。
そして俺たちが来たのは、村の近くにある旧聖堂だった。
数年前に、少し離れた場所に新しく聖堂を建てたらしいのだが、古いこの建物はすぐに取り壊される予定だったという。
そうしなければ、すぐに魔物の棲み処になったりと人間にとっては脅威になる様なことが多い。
そして取り壊しに訪れた大工一味が、作業に取り掛かろうとしたところで、魔物の群れに襲われて全滅。
その話はすぐに他の大工連中にも伝わり、やがて誰も近寄らなくなった。
俺たちが頼まれたのは、この旧聖堂の中の魔物の駆逐及び聖堂そのものの破壊だった。
何となく、何かと戦っていないと気が滅入りそうな気がした。
だから俺は引き受けたのかもしれない。
「いくら何でも、日を改めた方が良くないかな。今の君はどう見ても冷静じゃない。何なら、何日か休んでからだって……」
「大丈夫だ。俺のことより、お前ら疲れてるなら先に戻ってくれてていいぞ。俺一人でも何とかなる」
正常ではない、そう言いたいのをミルズは必至で言葉を選んでくれていたのだろうと思う。
「君は今、妹さんにとどめを刺したことから逃れたい。違うかな」
「…………」
それは間違いないだろう。
もしも、仮に。
元の世界に帰ることができる手段があったとする。
そうした時に、七海を殺したのは俺だ、なんて親に説明するのか?
もちろんもう会うことはないだろう。
だからって、本来であればもっと違う方法を取ることだって出来たかもしれない。
自分でも、一体どうしてしまったのか、と不思議になってくる。
実際俺は、妹にとどめを刺したとは認識していなかった。
七海であることは疑い様がない。
しかし、彼女の様子を見た瞬間から、俺の目に映っていたのは妹の滝沢七海ではなく、一人の被害者の可哀想な女の子だった。
そう、俺は彼女を可哀想だとは思った。
しかし妹だから、ではなく女性として生まれてしまってこの世界に転送されてしまったから、それ故に背負ってしまった宿命を憐れんだと言ってもいい。
俺には七海の気持ちを理解してやることは出来ない。
あいつがどんな思いで俺に再会するまでの期間を、ここで過ごしたのか。
想像は出来てもそれが正解かどうかはもう知る術もない。
だから俺はあいつをせめて楽にしてやりたいと思った。
向こうじゃ許されない安楽死……それがこちらでは黙認されているから。
「リン……私たちは仲間だ。間違いないよね?」
「……ああ」
「君が苦しい時、辛い時でも私たちは仲間として寄り添いたいと考えているよ。煩わしいかな?」
「…………」
何なんだろうか。
今の俺はそんなにも痛々しく見えるのか?
ミルズがこんな風に俺を諭そうとするなんて、今までなかった。
大体こういうのはいつもアルカの役で、しかもあんな優しい言い方はしてこない。
ボケだのカスだのという罵詈雑言と共にしっかりしなさいよ! とか怒鳴りつけられておしまい。
それをミルズは傍観している、というのがいつもの普通だった。
「リンさん、あなたのしたことが正しいかどうかは、私にも答えが出ません。ですが……」
「…………」
今度はティルフィさんか。
この人は師匠だし、含蓄ある意見が聞けるかもしれない。
「あなたは妹さんを救おうと、ああしたんですよね?」
やや的外れではあるが、救いたかったという気持ちそのものが間違っているわけではない。
それはこいつらが同じ様な目に遭った時にも同じなのか、そう考えると俺にも答えが出ない。
七海と違い、こいつらには戦う力も知識もある。
それらが仮に及ばない様な状況……全く想像できないが、結果としてそうなってしまったら……。
「あんたは……やれることをやっただけよ。内容として褒められたものかどうかは知らない。だけど、別に私はあんたが間違ってるとは思ってないわ」
さっきあんだけ俺見てビビッてたくせにか?
けど、何だろうか。
アルカの言葉は何となく少しだけ、響いた気がした。
「あんたが弱ってたら力になりたいし、もっと仲間を信頼しなさいよ。ウタだって、そうでしょ?」
「まぁ、そりゃね。でも私は、凛がそこまで弱い人間だなんて思ってないよ。もちろん弱るときくらいあるとは思うけど、その時はもちろん力になるし。遠慮とか、そういうのはいらない。その点ではアルカと同意見かもね」
何だかお人よしが多くて困ってしまう。
俺は自分で選んでそうしてきて、自分でこの結果を導いてきた。
だから別に誰かに助けを求めたりとか、そういうのそのものがもうお門違いっていうか。
自分でしてきたことの責任は自分にあるし、俺の心が傷着くのなんか別に今更だ。
勇者は心が清くないといけないみたいな風潮があるけど、それだって誰が決めたんだよ、って話だからな。
勇者だって、一人の人間だ。
それを偶像化して、イメージを植え付けてきたゲームメーカーやらにも原因があるのかもしれないが、世を救うってことがただただ綺麗ごとで終わる話なわけがないんだ。
言ってしまえば魔王にだって魔王の正義がある。
正義とは一方通行なものじゃないと俺は考えるし、勇者や王国の正義と魔王の正義をぶつけ合って、その結果人間から見て世界が救われた、という話になっているに過ぎないのだ。
だから……。
「お前らの言いたいことはわかったよ。一旦村に戻ろうか」
仲間の気持ちをありがたく頂戴することにした。
「あ、皆さん……もう終わったんですか?」
俺たちを出迎えてくれたヴァナは少し恐れる様な、それでいて心配そうな顔を俺に向ける。
子どもながらに人を気遣うということをきちんと知っている、いい子だと思う。
しかし先に村長に話をつける必要があるだろう、ということで俺は村長の家へ行くとみんなに告げる。
すると、ミルズと雅樂とティルフィさんがついてくるというので、別にいいのに、とか思いながらも連れ立って村長の家へ向かうことにした。
「え? 休んでから行きたいと?」
「ええ。ここ数日で割とヘビーな日が続いていたのもあって、確実に事を進めたいと考えてもいますから」
俺としてはかなり素直に事情を述べて、特に繕ったりした覚えもない。
第一、本来であれば俺たちが請け負わなければならない仕事でもない。
墓の借りがあるから、というそれだけでほぼ無償で引き受けているというのも、何だか変な話ではある。
「そうですか……こちらと致しましては、なるべく早いうちにそうしていただけるのが助かるのですが」
「…………」
白髪まみれのおでこが少し上がり気味になった村長が、口元に蓄えた長い髭をいじりながら俯く。
まぁ、俺だって最悪一人でいいかなって思ってはいたし、出来るならとっとと済ませて、って考えてはいた。
「あの、よろしいでしょうか」
ティルフィさんがおずおずと挙手をして、俺たちに意見を述べていいかと様子をうかがう。
もちろん俺としては断る理由はないし、村長も特に文句を言うことはなかった。
「事情は伺いましたし、理解もしています。しかし我々も便利屋ではありませんので、優先順位等考えていただくと本来後回しになっていてもおかしくない案件ではあります。その辺はご了承いただけますでしょうか?」
「……それは、そうですね。ただ、あれの取り壊しが行われませんと、いつまでもこの村から魔物の脅威は去りませんので……」
痛いところを突かれたのか、村長が段々と尻すぼみになっていき、その言葉は聞き取れなくなった。
詭弁だな、とも思わないでもない。
あの聖堂が破壊されたからと言って、イコールで魔物が消えてなくなるわけではない。
何故なら魔物はもっと他のところにも沢山いるんだろうし、どういう仕組みで生まれているのかは知らないが、ゴブリンやオークと言った半人型以外の魔物はそれこそどこでも活動しようと思えばできるのではないか。
そう考えると、聖堂を壊すのは一時的な措置でしかなく、別で対策は立てなくてはならないだろう。
「わかりました。ただ、俺たちは勇者だって言っても人間ですので。ずっと動き続けられるほど強靭な肉体は持っていません。そこはご理解いただきたい。その上で、俺たちは休んでからと提案をしています。お判りいただけますか?」
「いや、仰る通りです。まずは万全にしていただいてから……」
不承不承という感じではあるが、村長は納得した様だったので、俺たちは宿に戻ることにした。
「何だか他力本願だね。自分たちで何とかしようとは考えないのかな」
宿までの短い道のりで、ミルズがふとこぼす。
確かにその通りだと思う。
まぁ、俺たちには力があるからそう思ってしまうのも仕方ないか、とも思う。
「……どうなんでしょう。ただ、先ほどの話を聞いている限りではこの村の都合を全面に押し出しすぎている感じはしましたから、私は個人的には少々いやらしく聞こえた、と言うのは否定できませんが」
ティルフィさんみたいな温和な人でも、あの物言いはやはり思うところがあるということか。
俺も聞いてて何となくうんざりしたし、ティルフィさんがややきつい口調で言ったあの言葉も理解は出来る気がした。
村の問題と聖堂か……。
そう考えた時、俺の中で一つの考えが浮かぶ。
「何だ、簡単な方法があるじゃないか」
「え?」
「ま、続きは宿で話すからさ。とりあえず、戻ろうか」
少し落ち着いてその考えを煮詰めたいと考えた俺は、気持ち速足になって宿を目指す。
超手っ取り早い方法。
やっぱり効率って大事だよな。
「ねぇ、リン。そんなに動き通しで大丈夫なのかい?」
ミルズが珍しく俺を気遣う発言をしてくれる。
あの後すぐに村長の頼みを聞いて、ついてこられる人間だけついてくればいい、と言って俺は引き受けた。
ヴァナだけは色々と衝撃が大きかったのか、宿で休んでいると言っていたので、村に置いてきた。
なので休みがてら必要そうな物とか、ほしいものがあったら買っていいと言って金を渡して留守番をさせてある。
そして俺たちが来たのは、村の近くにある旧聖堂だった。
数年前に、少し離れた場所に新しく聖堂を建てたらしいのだが、古いこの建物はすぐに取り壊される予定だったという。
そうしなければ、すぐに魔物の棲み処になったりと人間にとっては脅威になる様なことが多い。
そして取り壊しに訪れた大工一味が、作業に取り掛かろうとしたところで、魔物の群れに襲われて全滅。
その話はすぐに他の大工連中にも伝わり、やがて誰も近寄らなくなった。
俺たちが頼まれたのは、この旧聖堂の中の魔物の駆逐及び聖堂そのものの破壊だった。
何となく、何かと戦っていないと気が滅入りそうな気がした。
だから俺は引き受けたのかもしれない。
「いくら何でも、日を改めた方が良くないかな。今の君はどう見ても冷静じゃない。何なら、何日か休んでからだって……」
「大丈夫だ。俺のことより、お前ら疲れてるなら先に戻ってくれてていいぞ。俺一人でも何とかなる」
正常ではない、そう言いたいのをミルズは必至で言葉を選んでくれていたのだろうと思う。
「君は今、妹さんにとどめを刺したことから逃れたい。違うかな」
「…………」
それは間違いないだろう。
もしも、仮に。
元の世界に帰ることができる手段があったとする。
そうした時に、七海を殺したのは俺だ、なんて親に説明するのか?
もちろんもう会うことはないだろう。
だからって、本来であればもっと違う方法を取ることだって出来たかもしれない。
自分でも、一体どうしてしまったのか、と不思議になってくる。
実際俺は、妹にとどめを刺したとは認識していなかった。
七海であることは疑い様がない。
しかし、彼女の様子を見た瞬間から、俺の目に映っていたのは妹の滝沢七海ではなく、一人の被害者の可哀想な女の子だった。
そう、俺は彼女を可哀想だとは思った。
しかし妹だから、ではなく女性として生まれてしまってこの世界に転送されてしまったから、それ故に背負ってしまった宿命を憐れんだと言ってもいい。
俺には七海の気持ちを理解してやることは出来ない。
あいつがどんな思いで俺に再会するまでの期間を、ここで過ごしたのか。
想像は出来てもそれが正解かどうかはもう知る術もない。
だから俺はあいつをせめて楽にしてやりたいと思った。
向こうじゃ許されない安楽死……それがこちらでは黙認されているから。
「リン……私たちは仲間だ。間違いないよね?」
「……ああ」
「君が苦しい時、辛い時でも私たちは仲間として寄り添いたいと考えているよ。煩わしいかな?」
「…………」
何なんだろうか。
今の俺はそんなにも痛々しく見えるのか?
ミルズがこんな風に俺を諭そうとするなんて、今までなかった。
大体こういうのはいつもアルカの役で、しかもあんな優しい言い方はしてこない。
ボケだのカスだのという罵詈雑言と共にしっかりしなさいよ! とか怒鳴りつけられておしまい。
それをミルズは傍観している、というのがいつもの普通だった。
「リンさん、あなたのしたことが正しいかどうかは、私にも答えが出ません。ですが……」
「…………」
今度はティルフィさんか。
この人は師匠だし、含蓄ある意見が聞けるかもしれない。
「あなたは妹さんを救おうと、ああしたんですよね?」
やや的外れではあるが、救いたかったという気持ちそのものが間違っているわけではない。
それはこいつらが同じ様な目に遭った時にも同じなのか、そう考えると俺にも答えが出ない。
七海と違い、こいつらには戦う力も知識もある。
それらが仮に及ばない様な状況……全く想像できないが、結果としてそうなってしまったら……。
「あんたは……やれることをやっただけよ。内容として褒められたものかどうかは知らない。だけど、別に私はあんたが間違ってるとは思ってないわ」
さっきあんだけ俺見てビビッてたくせにか?
けど、何だろうか。
アルカの言葉は何となく少しだけ、響いた気がした。
「あんたが弱ってたら力になりたいし、もっと仲間を信頼しなさいよ。ウタだって、そうでしょ?」
「まぁ、そりゃね。でも私は、凛がそこまで弱い人間だなんて思ってないよ。もちろん弱るときくらいあるとは思うけど、その時はもちろん力になるし。遠慮とか、そういうのはいらない。その点ではアルカと同意見かもね」
何だかお人よしが多くて困ってしまう。
俺は自分で選んでそうしてきて、自分でこの結果を導いてきた。
だから別に誰かに助けを求めたりとか、そういうのそのものがもうお門違いっていうか。
自分でしてきたことの責任は自分にあるし、俺の心が傷着くのなんか別に今更だ。
勇者は心が清くないといけないみたいな風潮があるけど、それだって誰が決めたんだよ、って話だからな。
勇者だって、一人の人間だ。
それを偶像化して、イメージを植え付けてきたゲームメーカーやらにも原因があるのかもしれないが、世を救うってことがただただ綺麗ごとで終わる話なわけがないんだ。
言ってしまえば魔王にだって魔王の正義がある。
正義とは一方通行なものじゃないと俺は考えるし、勇者や王国の正義と魔王の正義をぶつけ合って、その結果人間から見て世界が救われた、という話になっているに過ぎないのだ。
だから……。
「お前らの言いたいことはわかったよ。一旦村に戻ろうか」
仲間の気持ちをありがたく頂戴することにした。
「あ、皆さん……もう終わったんですか?」
俺たちを出迎えてくれたヴァナは少し恐れる様な、それでいて心配そうな顔を俺に向ける。
子どもながらに人を気遣うということをきちんと知っている、いい子だと思う。
しかし先に村長に話をつける必要があるだろう、ということで俺は村長の家へ行くとみんなに告げる。
すると、ミルズと雅樂とティルフィさんがついてくるというので、別にいいのに、とか思いながらも連れ立って村長の家へ向かうことにした。
「え? 休んでから行きたいと?」
「ええ。ここ数日で割とヘビーな日が続いていたのもあって、確実に事を進めたいと考えてもいますから」
俺としてはかなり素直に事情を述べて、特に繕ったりした覚えもない。
第一、本来であれば俺たちが請け負わなければならない仕事でもない。
墓の借りがあるから、というそれだけでほぼ無償で引き受けているというのも、何だか変な話ではある。
「そうですか……こちらと致しましては、なるべく早いうちにそうしていただけるのが助かるのですが」
「…………」
白髪まみれのおでこが少し上がり気味になった村長が、口元に蓄えた長い髭をいじりながら俯く。
まぁ、俺だって最悪一人でいいかなって思ってはいたし、出来るならとっとと済ませて、って考えてはいた。
「あの、よろしいでしょうか」
ティルフィさんがおずおずと挙手をして、俺たちに意見を述べていいかと様子をうかがう。
もちろん俺としては断る理由はないし、村長も特に文句を言うことはなかった。
「事情は伺いましたし、理解もしています。しかし我々も便利屋ではありませんので、優先順位等考えていただくと本来後回しになっていてもおかしくない案件ではあります。その辺はご了承いただけますでしょうか?」
「……それは、そうですね。ただ、あれの取り壊しが行われませんと、いつまでもこの村から魔物の脅威は去りませんので……」
痛いところを突かれたのか、村長が段々と尻すぼみになっていき、その言葉は聞き取れなくなった。
詭弁だな、とも思わないでもない。
あの聖堂が破壊されたからと言って、イコールで魔物が消えてなくなるわけではない。
何故なら魔物はもっと他のところにも沢山いるんだろうし、どういう仕組みで生まれているのかは知らないが、ゴブリンやオークと言った半人型以外の魔物はそれこそどこでも活動しようと思えばできるのではないか。
そう考えると、聖堂を壊すのは一時的な措置でしかなく、別で対策は立てなくてはならないだろう。
「わかりました。ただ、俺たちは勇者だって言っても人間ですので。ずっと動き続けられるほど強靭な肉体は持っていません。そこはご理解いただきたい。その上で、俺たちは休んでからと提案をしています。お判りいただけますか?」
「いや、仰る通りです。まずは万全にしていただいてから……」
不承不承という感じではあるが、村長は納得した様だったので、俺たちは宿に戻ることにした。
「何だか他力本願だね。自分たちで何とかしようとは考えないのかな」
宿までの短い道のりで、ミルズがふとこぼす。
確かにその通りだと思う。
まぁ、俺たちには力があるからそう思ってしまうのも仕方ないか、とも思う。
「……どうなんでしょう。ただ、先ほどの話を聞いている限りではこの村の都合を全面に押し出しすぎている感じはしましたから、私は個人的には少々いやらしく聞こえた、と言うのは否定できませんが」
ティルフィさんみたいな温和な人でも、あの物言いはやはり思うところがあるということか。
俺も聞いてて何となくうんざりしたし、ティルフィさんがややきつい口調で言ったあの言葉も理解は出来る気がした。
村の問題と聖堂か……。
そう考えた時、俺の中で一つの考えが浮かぶ。
「何だ、簡単な方法があるじゃないか」
「え?」
「ま、続きは宿で話すからさ。とりあえず、戻ろうか」
少し落ち着いてその考えを煮詰めたいと考えた俺は、気持ち速足になって宿を目指す。
超手っ取り早い方法。
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