『俺の妹は、こんなに手がかからない!』
第3話『契約厳守?』
「お願いが1つだけありますっ!」
「ん? なにが?」
「契約書かきませんか?」
契約書って? そもそも俺の想像する契約書とローレンシアさんの想像する契約書って一緒なのか?
また、『何とか法』によって、その契約を破れば消されるとか、あり得なくないかな?
「契約書って……いる?」
「だって、私、見捨てられちゃうかも……」
(あっ保証が欲しいわけか?)
「俺は、口約束でも守るよ?」
「口約束でいいの?」
「大丈夫だょ……」
これは何度目か、ローレンシアは跳ねるように立ち上がり、もう、抱きつこうとして来るのがわかった。
いわゆる、ハグと呼ばれる海外の文化に影響を受けているのか?そもそも、ローレンシアの住んでいたヴァーフルの文化なのか……
それは、わからないが、それで納得するのなら、俺はクールを装う為に、身構えず脱力し目を閉じてやり過ごす……
その直後、衝撃が走った!
俺の辞書には『この世には、想像を越える現実はない。』という金言がある。いや、あったと言うべきか、まさに、その現実は想像を凌駕してきた。
だから、それを上手く言い表すことはできない。
突然、キスされたとに気づいた。
((いやっ! ファ、ファーストキス!))
眼球が吹き飛ぶくらい目を早く大きく開けたのはこれがはじめてだ。
咄嗟に、身を反らして交わしたが、キスは交わした後だった……なんて冗談はいい。
顔が赤いのも、この体温の上昇でわかる。
「なに、やってんだよバカっ!」
「口約束を要求してきたのは貴方ですよ! それも、貴方が動かないから、女の私からしたっていうのに……バカは酷くないですか! バカみたいなのは貴方を信じた私の女心ですよっ!」
(そっち? これ文化の違い?)
「えっ、あーっ口約束って、キスすることじゃないんだけど」
「じゃぁ何かを約束するとき、いちいち口約束しますか? なんて!言いますかっ!?」
(これは……怒ってる……)
確かに、簡単な約束するときって口約束しましょうか?みたいな事は言わないよな……
「言わないよね、ごめんね」
(これは、俺が悪いのか?)
「私も、知らなかったとは知らなかったので、謝ります。キスしてごめんなさい。」
いや、キスしてごめんなさいって……仲直りできてるのかな? これ? でも、口約束でキスするって、ローレンシアさんは今までどれだけキスしてきたんだよ。
「鈴音 (ローレンシアさん)の世界では、あんな風に口約束するの?」
「しないわよっ、そんな原始的な契約法! はっはじめてだから、だからっゴメンって言ったじゃんっ」
「契約法?」
「私のいたとこには、この世界で例えるなら『魔法』みたいな力が存在するのです! まぁこの世界では使えないみたいなんですけど、さっきの事故は、お伽噺にあるような『唇の誓い』をしたまでです」
「じゃぁそれ結局……効果ないんじゃない?」
「それが……何故か、効果があった見たいですね」
「なんで? 鈴音?」
「さっきから私の事を鈴音って呼んでるのわざとですか?」
(えっ? ローレンシアって言ってない?)
「鈴っ……あれ? そういう効果?」
「なんで他の魔法は使えないのに、唇の誓いが通用したのか……これはヤバイですね」
「ヤバイの?」
「私は、魔法が効かないにしても、お兄ちゃんが目もつぶってたし、キスを求められてると思って! それで約束してもらえるならと思って、勇気をだして形式的に唇の誓いをやったつもりだったの! なのに、ほんとに効果が表れちゃってる。」
「どうヤバイの?」
「ヤバイと言いますか、私がこの世界にいる間は、その約束は解けないですよ」
「ほんとに?」
「それは、紫音兄ちゃんが、契約の途中で唇を離したから、契約期間が契約できなかったんです!」
(唇、離さない方が、良かったんだ……っていや、ダメだ。)
「さっき、私、お伽噺って言ってましたけど『永遠の愛』っていう古い話で、それは、愛を得るために無理矢理契約した魔女の末路の話なんですけど、急いで契約した為に契約漏れが沢山あって、その契約が解けなくなってしまう話なんですけど、魔女は老けないんですが、その相手の男性は、失敗して借金を背負うし、老化もする。しかし、その契約が、その男性が亡くなるまで解けないので魔女が色んなチャンスを逃して、苦労するって話なんですけど」
(永遠の愛なのに……不幸なおとぎ話なのね)
「え? じゃぁ死ぬまで、解けないの?」
「いえ、一生ではありません! 契約期間の漏れくらいなら100年と定められてますし、契約内容は、私が『この世界にいる間は』となっていますので……」
(嘘だろ! 100年って、呪いの域じゃん!  って100年でも死ぬし!)
「ごめんね、紫音兄ちゃん」
……これが、呪いの力か、兄ちゃんと呼ばれると不思議と嫌な感じがしない。
契約内容は、この世界にいる間はローレンシアさんを鈴音として守ることが契約内容らしい。
つまり、俺に鈴音じゃないとわかるような言動はできず、今後は、鈴音じゃないことを悟られないためにも、兄として世間から守らなければならないと言うわけだが、まぁ、始めからそのつもりではあったけど。
「でも、その契約ってなんか一方的じゃない? 鈴音も、俺を兄じゃないことがバレないようにしなければならないとかなの?」
「なに言ってるの? だから私は……キスしたあげたって言ってるじゃん!」
そう言うこと? キスを代償に、兄として妹を守る契約を100年も? それは破格だねぇ
わからないなぁ……
「わかったよ。ちなみに、日本には、ハグやキスする文化ないからね!」
(わかってないけどな! なんだよ、わかったよって!)
「ウソだぁ! アニメで良く見るよ?」
「まさか、鈴音の中では、日本の文化=アニメだから文化=日常、アニメ=日常生活って考えてるのか?」
「それは、どうかなぁ?」
(いや異世界では、どんなアニメが流行ってんだよ!)
「いや、アニメは、基本非日常だからさぁ……」
「えーっ ダメなの?」
その小さく半開きの口に、困り眉毛、潤んだ瞳……急にねだるような顔をしてきた……なぜだ? なぜか妥協点を見いだそうと、俺は配慮している……
「じゃぁ、人前ではダメだよ」
って!人前じゃなくてもダメだろ!妹と、秘密でキスしてる!変態兄弟がどこにいんだよ!
「おっ、お兄ちゃん……にやけてるよ?」
(あっ、引かれてる?)
「いや、思い出し笑いしてるだけだよっ!」
「ちゃんと約束、守ってね!」
俺の辞書にはこうある。『お願いが1つあると言いう人の、お願いは1つで済んだ例がない。』
でも、今は、それはそれでいい気がする。
どうやら、あのなんとも言えない初キスの呪いが、俺を虜にしてしまっているようだ。
「ん? なにが?」
「契約書かきませんか?」
契約書って? そもそも俺の想像する契約書とローレンシアさんの想像する契約書って一緒なのか?
また、『何とか法』によって、その契約を破れば消されるとか、あり得なくないかな?
「契約書って……いる?」
「だって、私、見捨てられちゃうかも……」
(あっ保証が欲しいわけか?)
「俺は、口約束でも守るよ?」
「口約束でいいの?」
「大丈夫だょ……」
これは何度目か、ローレンシアは跳ねるように立ち上がり、もう、抱きつこうとして来るのがわかった。
いわゆる、ハグと呼ばれる海外の文化に影響を受けているのか?そもそも、ローレンシアの住んでいたヴァーフルの文化なのか……
それは、わからないが、それで納得するのなら、俺はクールを装う為に、身構えず脱力し目を閉じてやり過ごす……
その直後、衝撃が走った!
俺の辞書には『この世には、想像を越える現実はない。』という金言がある。いや、あったと言うべきか、まさに、その現実は想像を凌駕してきた。
だから、それを上手く言い表すことはできない。
突然、キスされたとに気づいた。
((いやっ! ファ、ファーストキス!))
眼球が吹き飛ぶくらい目を早く大きく開けたのはこれがはじめてだ。
咄嗟に、身を反らして交わしたが、キスは交わした後だった……なんて冗談はいい。
顔が赤いのも、この体温の上昇でわかる。
「なに、やってんだよバカっ!」
「口約束を要求してきたのは貴方ですよ! それも、貴方が動かないから、女の私からしたっていうのに……バカは酷くないですか! バカみたいなのは貴方を信じた私の女心ですよっ!」
(そっち? これ文化の違い?)
「えっ、あーっ口約束って、キスすることじゃないんだけど」
「じゃぁ何かを約束するとき、いちいち口約束しますか? なんて!言いますかっ!?」
(これは……怒ってる……)
確かに、簡単な約束するときって口約束しましょうか?みたいな事は言わないよな……
「言わないよね、ごめんね」
(これは、俺が悪いのか?)
「私も、知らなかったとは知らなかったので、謝ります。キスしてごめんなさい。」
いや、キスしてごめんなさいって……仲直りできてるのかな? これ? でも、口約束でキスするって、ローレンシアさんは今までどれだけキスしてきたんだよ。
「鈴音 (ローレンシアさん)の世界では、あんな風に口約束するの?」
「しないわよっ、そんな原始的な契約法! はっはじめてだから、だからっゴメンって言ったじゃんっ」
「契約法?」
「私のいたとこには、この世界で例えるなら『魔法』みたいな力が存在するのです! まぁこの世界では使えないみたいなんですけど、さっきの事故は、お伽噺にあるような『唇の誓い』をしたまでです」
「じゃぁそれ結局……効果ないんじゃない?」
「それが……何故か、効果があった見たいですね」
「なんで? 鈴音?」
「さっきから私の事を鈴音って呼んでるのわざとですか?」
(えっ? ローレンシアって言ってない?)
「鈴っ……あれ? そういう効果?」
「なんで他の魔法は使えないのに、唇の誓いが通用したのか……これはヤバイですね」
「ヤバイの?」
「私は、魔法が効かないにしても、お兄ちゃんが目もつぶってたし、キスを求められてると思って! それで約束してもらえるならと思って、勇気をだして形式的に唇の誓いをやったつもりだったの! なのに、ほんとに効果が表れちゃってる。」
「どうヤバイの?」
「ヤバイと言いますか、私がこの世界にいる間は、その約束は解けないですよ」
「ほんとに?」
「それは、紫音兄ちゃんが、契約の途中で唇を離したから、契約期間が契約できなかったんです!」
(唇、離さない方が、良かったんだ……っていや、ダメだ。)
「さっき、私、お伽噺って言ってましたけど『永遠の愛』っていう古い話で、それは、愛を得るために無理矢理契約した魔女の末路の話なんですけど、急いで契約した為に契約漏れが沢山あって、その契約が解けなくなってしまう話なんですけど、魔女は老けないんですが、その相手の男性は、失敗して借金を背負うし、老化もする。しかし、その契約が、その男性が亡くなるまで解けないので魔女が色んなチャンスを逃して、苦労するって話なんですけど」
(永遠の愛なのに……不幸なおとぎ話なのね)
「え? じゃぁ死ぬまで、解けないの?」
「いえ、一生ではありません! 契約期間の漏れくらいなら100年と定められてますし、契約内容は、私が『この世界にいる間は』となっていますので……」
(嘘だろ! 100年って、呪いの域じゃん!  って100年でも死ぬし!)
「ごめんね、紫音兄ちゃん」
……これが、呪いの力か、兄ちゃんと呼ばれると不思議と嫌な感じがしない。
契約内容は、この世界にいる間はローレンシアさんを鈴音として守ることが契約内容らしい。
つまり、俺に鈴音じゃないとわかるような言動はできず、今後は、鈴音じゃないことを悟られないためにも、兄として世間から守らなければならないと言うわけだが、まぁ、始めからそのつもりではあったけど。
「でも、その契約ってなんか一方的じゃない? 鈴音も、俺を兄じゃないことがバレないようにしなければならないとかなの?」
「なに言ってるの? だから私は……キスしたあげたって言ってるじゃん!」
そう言うこと? キスを代償に、兄として妹を守る契約を100年も? それは破格だねぇ
わからないなぁ……
「わかったよ。ちなみに、日本には、ハグやキスする文化ないからね!」
(わかってないけどな! なんだよ、わかったよって!)
「ウソだぁ! アニメで良く見るよ?」
「まさか、鈴音の中では、日本の文化=アニメだから文化=日常、アニメ=日常生活って考えてるのか?」
「それは、どうかなぁ?」
(いや異世界では、どんなアニメが流行ってんだよ!)
「いや、アニメは、基本非日常だからさぁ……」
「えーっ ダメなの?」
その小さく半開きの口に、困り眉毛、潤んだ瞳……急にねだるような顔をしてきた……なぜだ? なぜか妥協点を見いだそうと、俺は配慮している……
「じゃぁ、人前ではダメだよ」
って!人前じゃなくてもダメだろ!妹と、秘密でキスしてる!変態兄弟がどこにいんだよ!
「おっ、お兄ちゃん……にやけてるよ?」
(あっ、引かれてる?)
「いや、思い出し笑いしてるだけだよっ!」
「ちゃんと約束、守ってね!」
俺の辞書にはこうある。『お願いが1つあると言いう人の、お願いは1つで済んだ例がない。』
でも、今は、それはそれでいい気がする。
どうやら、あのなんとも言えない初キスの呪いが、俺を虜にしてしまっているようだ。
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