私が、宇宙の女王になるわ!だから、貴方は私を守りなさい!

ちょこぱい

『・・・』


 「ルナさーん、入りますよぉ」

 ちょっとは休めたし、ガウの遊び相手になってルナさんにも温泉でゆっくりしてもらおう。

 「あら、錬太郎くん、どうしたの?」

 「ガウの面倒はオレが見ますんで、咲良達と温泉でも行って来てください」

 「ありがとう、さっき咲良ちゃん達が誘ってくれたんだけど、ガウくん寝ちゃって断ったとこなの」

 ガウにやつ、ルナさんの膝枕で眠っていやがる。なんと羨ましいやつめ。

 「良いですよ、行ってください」

 「じゃ、お願いしちゃおっかな」
 
 布団の準備をして、ガウをルナさんの膝枕から移すと、ルナさんは温泉に行った。

 静かになった部屋に1人、眠くなってきた。

 「・・・誰かオレにも膝枕して」

 そう言えば、クロさんとミーシャはどうなっただろう、大人しく・・・してるわけないよな

 考えただけで頭が痛くなってきた。こんな時は、現実逃避だよね。

 横になると、すぐに意識が薄れていった。

        ☆

 「セルを助ける理由がないわ!」

 テーブルを叩く大きな音が部屋に響いた。

 「理由はあります、セルフィーさんを助けたのは、地球を守る者が必要だったからです、か弱い人間が宇宙で独り立ちするには時間がかかります、アギスの他にも大きな力を持った種族が地球を狙うかもしれない、セルフィーさんなら強さは宇宙でも有名ですから、戦争を売るようなバカは少ないんです」

 「セルが取引もしないで、そんなこと引き受けると思わないわ」

 「それに関しては、口止めをされていますので、私からは言えません」

 「あのバカっ!」

 クロノスは唇をかんだ。

 「でっ!あの女がいる理由はなによ」

 「・・・地球の食べ物が好きだから」

 クロノスは拳を振り上げる!

 「じょ、冗談ですよ!」(半分は本当なのに・・)

 「大切な人がいるからです、あ!私じゃないですよ」

 湯飲みが飛んできた!口より先に手が出るタイプですね・・・

 「私って言うのは冗談ですが、大切な人がいるのはホントです、そして守るためにいます」

 「だれ!名前を言いなさい」

 「『・・・』です」

 これには、さっきまで不貞腐れていたミーシャさんも動きが止まって、こちらを凝視した。

 「アギスは、反逆者の子である『・・・』をずっと探しています、だから彼女は彼等に見付からないように地球に結界を作っているんです」

 静まり返る。

 「私の説明は以上です、このあとどうするかはお二人お任せしますが・・・それでもマナに危害を加えるなら、全力でお相手します」

 部屋を出ると、少し反省した。
 最後の一言はいらなかったかもしれないな。
 少し興奮してしまった。

 彼等が来る前に少しでも戦闘力が必要だ。

 

 

 
 

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