私が、宇宙の女王になるわ!だから、貴方は私を守りなさい!

ちょこぱい

責任取りなさいよね



 キィィィィィィィィィン!ドンッ!ドンッ!


 宝剣ほうけんアルマスと太陽神ルーの槍ブリューナクがぶつかる。


 ミーシャに向けて、アルマスで空を斬ると凍結斬撃ざんげきが走った。ミーシャは槍を振り回し勢いを付けて斬撃を叩き割った。その右手から乱丸らんまるがミーシャの右腕を噛みちぎろうと飛び掛かったが、槍を水平に右回転させ乱丸を弾き飛ばした。続けてトラ吉が後ろから鋭い爪で背中に飛び掛かったが、宙返りちゅうがえからの足蹴あしげりで地面に叩き付けられた。


 ミーシャは薄ら笑いを浮かべると、槍を構え直した。槍の5つの先端せんたんからまぶしい光が発っすると同時にレイカ、乱丸 、トラ吉に向けて光線が発射された。レイカは分厚い氷の壁を盾にしたが、光線は氷の壁を意図も簡単に突き抜け、後方へ逃げるレイカを追いかける、宙に浮きながら高速で逃げるレイカは、振り向き様に剣を縦に構えると、剣に当たった光線は火花を散らしながら真っ二つになっていった。


 乱丸は大きな口を開けて、光線を呑み込んでいた。トラ吉は、目から同じ光線を出し相殺そうさいした。


 ミーシャは槍を構え直し、相手の戦闘力を判断した。


 犬猫は、ソコソコできる方だろうが、私の相手ではない。


 問題はあの女のほうだ。あの剣はアルマスだろう、それほど脅威ではないが、恐らく、私の実力を見極めようとしている。本命はまだほかに有るのだろう。


 「いきなり牙を向ける理由はなに?アギスの指示?」


 「そんなの知らないわ!親友を返して!」


 「親友?男どもなら連れて帰っていよ、むしろ連れて帰って欲しい」


 「違うわよっ!さっき拐われた女の子、咲良さくらを返しなさい!」


 あの娘の連れか。道理で強いわけだ、炎の娘の方は本能的だが、この氷の娘は理性的で少し厄介だな。少し手荒に相手するか。


 「帰れ!あれは私の得物えものだ、取り返すというのであれば、私を倒して奪い返せば良い!」


 「そうさせてもらうわっ!!」


 レイカがまとう冷気があおくなると、ミーシャに襲い掛かった。


 ブリューナクでアルマスを受け止めたが、アルマスを受け止めた槍の太刀受けが一瞬で凍結し始めた。先程とは温度が違うというわけか。


 レイカを力ずくで突き放すと、今度は、さらに巨大化した乱丸がミーシャにかぶり付いたが、乱丸の牙は空振りしミーシャを捕らえることはできず、お返しにミーシャは乱丸の鼻っ柱を思い切り殴った。そのままの勢いで乱丸は地面に叩き付けられた気絶した。乱丸に駆け寄ったトラ吉の背後に移動すると、尻尾を持ち力任せに投げて壁に叩き付けた。


 レイカはスピードを上げミーシャの背後から襲い掛かったが、ミーシャは振り向き様に槍をレイカに投げ付けた。


 「っ!!!!」


 ブリューナクはレイカの冷気の壁を貫通し、二股に変形した尖端がレイカの首を捕らえ壁に食い込んだ。


 レイカは槍を抜こうとしたが、槍はさらに壁に食い込んでいきレイカの首を締め上げた。


 「くっ!!・・」


 「ウフフフフフフフ、まるで、まな板のウナギね、このあとウナギはどうなるか知ってる?」


 ミーシャは腰の短剣を抜き取ると、レイカのTシャツを引き裂いた。


 乳房ちぶさあらわになると、ミーシャはいやらしい笑みを浮かべた。


 「綺麗な乳房ね、竜族は倒した種族のメスの乳房を刈り取るの、何故だか分かる?ウフフフ、子供を育てられなくするためよ」


 ミーシャは短剣の腹を乳房の形に沿うように優しく舐め回した。


 「降参しなさい、そうすれば助けて上げるわ」


 「・・・・・咲良を・・かえ・し・て」


 「・・残念ね」


 ミーシャは短剣を持ち変えると、先端を胸に当てた。


 「サヨナ・・・きゃっ!」


 ミーシャは突然つま先立ちになりお尻を抑えた。


 「ウフフフフフフフ、ミーシャのお尻はレイカよりちょっと大きめだね、だけど、すごい弾力」


 ミーシャの背中では、至福の表情をした錬太郎がお尻にほおずりをしていた。何をされているのかやっと理解したミーシャは素早く錬太郎から距離を置くと、槍を手元に呼び戻しを構え直した。


 私が背後を取られただと!しかも、お尻をを・・・。顔が赤くなるミーシャ


 「錬太郎れんたろう!貴方・・・何者で・・?」


 ん?いない!さっきまでそこに・・ミーシャは低い姿勢で警戒態勢をとった。さっきは、油断していたが、もう背後は取らせない!


 「きゃっ!!」


 ビックリして背筋が伸びるミーシャのお尻を撫で回している錬太郎


 「ミーシャちゃ~~~ん」


 手でお尻を隠しながら、今度は錬太郎から目を逸らさないように空中に退避した。


「ふざけた真似を、本当に死にたいみたいね!!」


 ミーシャは槍の先端を錬太郎に向けると、5つの尖端から光線が放たれた。生き物のように不規則な軌道きどうで錬太郎に襲い掛かった。錬太郎は光線を正面に捉え、こぶしを握るとゆっくりと後退しながら襲い掛かる5つの光線を物凄い勢いで弾き返し、弾き返えされた光線は軌道を変えてまた錬太郎に襲い掛かる、それをまた弾き返す。


 「いつまでもつかな、ウフフフフフフフ」


 「ああ、そんなに長くやるつもりはねぇよ、役者が揃ったからな、後は任せたぜ、レイカ、咲良」


 「!!!!!!!」


 「たぁぁぁっっっっっぁ!」


 ミーシャの後方から低い姿勢で飛び出してきたのは、槍の拘束から開放されたレイカだった。左手には冷気を超凝縮させた玉を握り締めミーシャの背中に左手を伸ばした。完全に不意を突かれた状態のミーシャはなす術がなかった。


 「・・・・やられたわ、あなた達の勝ちね」


 あの玉を作り出させる為に、錬太郎が私の注意を引いてたのか・・、良い仲間ね、咲良。


 《ドォーーーーーーーン》


 大きな爆発音と同時に、爆発の中心から氷の結晶が地面に降り注いだ。


 意識を取り戻していた乱丸は、爆発の中心から落ちてくるレイカを空中でキャッチした。


 「・・・まったく、来るのが遅いのよ・・・咲良」


 爆発の煙が晴れると、空中には黒炎の繭が浮いていた。


 繭が開くと、咲良とミーシャが姿を現した。


 「危なかったねぇ、危機一髪だよぉ」


 「どうして?貴女さくらの仲間を傷付けたのに」


 「わからない、なんでだろう!体が勝手に動いたの」


 咲良はウィンクするとレイカ達に駆け寄った。


 「みんなーー、大丈夫ぅー」


 レイカに抱き付く咲良、犬のキズを舐める猫。


 「・・・・・友達か」


 ミーシャは上空から咲良達の楽しそうな表情を眺めた。もう自分には仲間と一緒に何かをするなんて叶わない、竜族は私一人になってしまった。独りぼっちでこれからもずっと此処で生きていく悲しみに耐えられるだろうか。自然と涙が溢れた。


 「きゃっ!!」


 またお尻を触られた!振り向くと錬太郎がいた。


 「行こうぜ、咲良達が待ってる」


 下を見ると、咲良達が手招きしていた。


 「「ご飯食べに行こーーーーーぉ」」


 完敗だな、涙を拭い満面の笑みを咲良達に向けた後、ミーシャは錬太郎に近づき、上目遣いで睨み付けた。


 「何度も何度も触ってくれて!・・・責任!取りなさいよね」


 両腕を錬太郎の首に絡めるとキスをした。


 「!!!!」


 「!!!!なななななっなにしてんのよ!錬太郎から離れて!」


 「ウフフフフフフフ、さぁレン様、子作りに行きましょ」


 くちびるに仕込まれた超強力媚薬のキスで、目が回ってしまった錬太郎は、ミーシャに抱えられながら城へ飛んでいった。


 「ダメーーーーーーェ、待ちなさい!」


 咲良は慌てて二人を追いかけていってしまった。


 そんな3人の後ろ姿を見て微笑むレイカ。


 「はぁ・・・・・もうほっといて帰りましょ」


 《お腹へった》


 《付き合ってられないニャ!》


――――――――――― それから一ヶ月後


 「今日は転校生を紹介するーーぅ」


 教室の扉が開くと、ピンク色の髪をしたセミロングの美少女が入ってきた。


 「!!!!!貴女は」


 咲良とレイカが立ち上がった。


 「竜神りゅうがみ ミーシャだよ、よろしくね」












 

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