死にたいと願ったら叶いました。転生したけど・・・

蛇に足

10話 王都に向けて







「さあ、お嬢様、そろそろ馬車が出ますのでお早めにお乗り下さい。」


と、私にそう言うのはラフィ。今日は王都で催されるお披露目会に参加するために馬車で王都に向かうのです。王都までは大体一週間の旅になりますが、私にはとても長く感じられますね。


「分かりました。」


そう言いつつ私は馬車に乗る。今回、お父様が用意してくれた馬車は最高級のもので、付与魔法エンチャントにより揺れや振動の低減。更に、座席には良質な羽毛をふんだんに使っており、とても座り心地は良い。まあ、一週間も馬車に乗ることになるのだからそれでも足りないと言いたいけど・・・・・・自動車でもあれば別なのですが、そんなものはこの世界にはありませんので。


そうして馬車は王都に向けて出発しました。










■■■■










それは馬車に揺られること二日目。そろそろ、と言うかもう馬車には飽きてきました。だって、別に馬車から見る景色が変わるわけでもないし、町に寄ったりしているとは言え飽きるものは飽きるのです。と、私が暇を拗らせて居るからでしょう。


「お嬢様!!大変です!!護衛の方から前方に魔物が居ると報告です!!」


そう、魔物が現れたのだ。


この世界には魔物と呼ばれる敵性生物が多く生息している。魔物とは、主にその体に魔力を持ち、尚且つ人類を襲う生物の事を指す。最も数が多く、よく遭遇する魔物では、ゴブリンやコボルト等が挙げられる。他にもオークやオーガ、更にはワイバーンやドラゴン等も居るがそちらは滅多に遭遇するものではない。そもそも、ドラゴンは殆ど魔物の頂点に立つもので人間の中でそんなドラゴンを倒せる存在は殆ど居ない。大体は冒険者等になっている。


「そう、でも、護衛の人達で何とか出来ないの?」


私がラフィにそう言い返すと、ラフィはかなり切羽詰まった様で、とても焦っているように見えた。


「無理です!!今、護衛の方が戦っている相手はオーガです!!それも三体も!!だから、早く逃げましょう!!」


え!?オーガ何か出たの!?


「オーガ?何でこんなところにオーガ何か居るの?」


「それは分かりませんが、兎に角早く逃げないと!!全滅してしまいます!!」


「はぁ、オーガねぇ。丁度良いから私が相手しましょう。オーガならば簡単に倒せますから。」


「え!?お、お嬢様!?いけません!!そんな、いくらお嬢様でも無謀です!!お止めください!!」


「私なら大丈夫だよ。ラフィが心配してくれるのはとても嬉しいけど、このままじゃ護衛の人達が死んじゃうからね。助けられる命は助けておきたいんだ。ね。お父様、構わないでしょう?」


私がお父様に問いかけると、お父様は真剣な表情で私を見つめ返してきた。今まではそんなことが無かったので私は少しビクッと身震いしてしまった。


「・・・・・・分かった。」


お父様はそう、決断した。


「旦那様!!?」


ラフィが悲鳴をあげる。


「何、俺も酔狂でこんな決断をした訳じゃない。ちゃんと勝算あってのことだ。俺はシルフィを信じている。シルフィならば大丈夫だとな。それに、シルフィなら無理と分かる相手には挑まない筈だ。そうだろう?」


「はい。それは勿論です。今回は絶対に勝てますよ。だって、私、強いですから。少なくとも、この場に居る誰よりも。そして、あのオーガよりも。」


そう、私は自信気に宣言した。別にこれははったりでも何でもない。事実だ。オーガ程度ならば上位魔法で一撃で亡き者に出来る。流石にワイバーン相手となると頭を捻るだろうが。今回のように高々オーガ三体ならば一発だ。


「そう言うことだ。シルフィがこう言っているのだし、許してくれないか?ラフィ。」


「しかし・・・・・・・はぁ、分かりました。但し、絶対に無事で帰ってきてくださいね。お嬢様。」


「勿論!!分かってるよ。あんなのは直ぐに終わらせてさっさと王都に行こう!!」




とこうして、私は異世界で初めての戦いをすることになりました。まあ、自分から望んだことですからね。良いんですよ。それに、そろそろ自分の実力は確認しておくべきですし。


だから、私はオーガの居る方向に向けて駆け出した。







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