死にたいと願ったら叶いました。転生したけど・・・

蛇に足

9話 屋敷での一幕







『神託』を終えて屋敷に到着したのがその日の夕刻。既に日は沈む寸前だった。辺りは茜色に染まっていて、異世界の光景をより一層神秘的にしている。この屋敷も茜色に染まっていて、昼間とはまた違ったように見える。今は大理石も橙色のようだ。






「お帰り、シルフィ。『神託』はどうだった?」


現在、私は自分の部屋でお父様とお話をしていた。主に今日の『神託』について。


「はい。とても良い結果で終えられました。自分の納得のいく素質も得られましたよ。(・・・・まあ、少々の予想外はありましたが。)」


私のその報告を聞くと、お父様は少し嬉しそうな様子でこう言った。


「そうか、それは良かった。シルフィがそう言うのならばそうなのだろうな。さて、まあ『神託』が終わったばかりなのだが、今から一月後に王都でお披露目会というものが催される。それは、今回の『神託』で5歳になった子を持つ貴族が集まる毎年恒例の行事だからな。今回はシルフィが居るから家も招待される。だから、王都に行かなくてはならない。シルフィは王都は初めてだろう。楽しみか?」


ふーん。そんなのがあるんだね。それよりも王都かぁ。まだ一回も行ったことないから楽しみだなぁ。


「はい。とっても。お父様はよく仕事で王都に行っていますが、王都は凄いですか?」


「ああ、そりゃあ勿論な。ここより何倍も大きな街が広がってるよ。このアイレス王国の王都エイレーンはこの大陸でも有数の都市だからな。沢山の人が居るし、沢山の色々なモノも集まる。ここでは見られない物が沢山だ。ほら、前に俺が王都からお菓子をお土産で買って帰って来ただろう。あれも王都にしか無いものだ。わざわざ魔法で日持ちさせたからな。あれだけ少なくても輸送の費用が掛かったものだ・・・・・・っと、話が逸れたな。まあ、要するに、だ。王都は大きいから楽しみにしていろってことだ。お披露目会のついでに王都を見て回れるさ。」


「それは、本当に楽しみです!もう、1ヶ月後が楽しみでたまりませんよ!!と、それはそうと、お披露目会とはどのような事をするんですか?」


「それはだな、まあ家でやるパーティーの大規模なものだと思ってくれ。目的は強いて言えば同年代との子供との親交を深めるのが目的だな。ほら、大体の貴族はそこで子供同士が初めてお目見えするから。だから、シルフィもちゃんと友達は作っておくんだぞ。」


あ、やっと他の子供とも会えるんだ。まあ、友達が居ないのはちょっとどうかと思うし、私も友達が居た方が楽しくなると思うから、是非友達は作っておきたいね。






そうしてしばらく父様と話をして、それはシルフィに夕飯に呼ばれるまで続いた。










■■■■








「ふぅ・・・・・やっぱり湯浴み出来るのは最高ね。この国にも風呂って言う文化があって助かった。本当に。」


私は、このシェルフィールズ公爵邸に大浴場?があって良かったと思う。日本と風呂文化が大分違うとはいえ、お風呂自体があるのは元日本人としては最高だった。とは言え、流石にお風呂に入れるのは二、三日に一回位というペースだけれど、もうそれは仕方がないと割り切る。だって、そもそも日本と異世界では技術力が同じではないから、そう毎日毎日お湯を沸かすことも出来ない。魔法だって万能ではないのだ。まあ、温泉が湧くのならば別だけど。


ただ、この風呂で未だに慣れないのは御付きの人に洗われることだ。だって、全部洗われるんだよ。!!そう、前も、後ろも、全て。それだけは恥ずかしい。何回自分で洗うと言っても、聞く耳を持ってくれない。お父様にも、お母様にも言ったことがあるけど、お父様は『侍女さんに任せておきなさい。』と言い、お母様は『あらあらぁ、何なら私が洗ってあげようかしらぁ。』と少し嬉しそうに言う。
ので、現状に流されるしかないのだ。


まあ、ちゃんとゆっくりと入れているので文句は無いけどね。










■■■■












自室に戻った私は、寝具に着替えながら、未だに慣れない女の子の身体を眺めていた。別に、自分に欲情している訳ではないけど、それでも男としての精神では中々慣れることはないので少し複雑な所です。それにしても、本当に白く綺麗な身体ですね。顔も、まだまだ幼いながらにその顔立ちはやはり少し大人びていて、どこか巧妙な彫刻家が一生をかけて作り上げた、至高の美術品のようだ。それくらいに完璧に整っている。その肩の下辺りまで伸びている黄金の髪も少しばかり、蝋燭の光を反射して輝いている。それは、さながら本物の黄金のようだ。何を考えているのだろうか。これは、自分の今の身体。エルフィーネから貰った大切な二度目の命。だからこそ私はこの命を本来の寿命がつきるまで守る。そして、今生を楽しむと約束した。


もう、寝よう。今日はもう遅いし、明日も早い。


そうして、私は瞼を閉じて、ゆっくり、ゆっくりとその微睡みに落ちていった。






























────あら、寝ちゃってましたか・・・・・・これは、タイミングを完全に誤りましたね。次は、シルフィが起きた頃に出直しますか。────







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