死にたいと願ったら叶いました。転生したけど・・・

蛇に足

6話 5歳になりました







さて、私がこの世界に転生してから5年目です。それで、今日は丁度5歳の誕生日なんですよ。マルシェさんから魔法を習い始めて二年になりますね。まあ、もうマルシェさんからは卒業のお言葉を頂戴しましたけど。マルシェさん曰く、『シルフィ様は規格外過ぎてもう教えられることが無いです。』だそうだ。


まあ、5歳としてはあり得ないことなのだろう。いや、人間としてもおかしいのかな?それはともかく、この世界では5歳になると必ず教会に赴きそこで『神託』の儀式が行われます。それは貴族も平民も関係なく、全ての子供たちがその『神託』を受けるのです。それで、その『神託』と言うのは別に神の御言葉を頂戴するとか、実際に神々に会えるとかそんなのではなく、この世界に存在する『素質』というのを可視化するための儀式ですね。で、その『素質』というのは簡単に言うとステータスが一番それに近いと私は思っている。書物で得た知識にもそれが一番当てはまる。


でもそれは、自分が見て初めてどんなものかが分かるため、それまでは魔力量と適性しか調べることは出来ない。そして、その『素質』とは、貴族の間で一種のステータスとなっていて、『素質』がどれだけ高かったから、家の息子は将来が期待できるとか、逆に『素質』が低く早々に子供を隠居させる貴族も居る位だ。まあ、そんな素質によって扱いが異なることも多々あるちょっと差別的な感じのする世界だけど・・・・・・・・








まあ、取り敢えず、私は誕生日パーティーを楽しもうと思う。どうせその『神託』までまだ一月以上はあるからね。






「お嬢様。誕生日パーティーの準備が整った様ですから、大広間までお越しください。」


そうこうしている内にラフィが呼びに来た。どうやらもう準備が整っているようだ。


「分かりました。お父様達を待たせる訳にはいきませんからね。それに、他の貴族の方々もわざわざ私を祝いに来てくださっているのです。殊更待たせる訳にはいきませんね。」


「はい。その通りですね。ではご案内します。」


「よろしくね。」


私はラフィの後に着いていき、大広間の扉の前に立つ。その大広間の扉はとても大きく、両開きだ。
今頃中ではお父様が皆様に私の事を紹介してくれているのでしょう。向こう側からは一切の喧騒も聞こえません。


「お嬢様。どうやら旦那様のご紹介が終ったようですよ。さ、どうぞ。」


そう言われ、その大きな両開きのドアもゆっくりと、内側から開かれる。


そして、完全に開ききったドア。私の通り道にはカーペットが敷かれている。


私は一歩ずつ確実に、粗相をしないようにお父様の居る大広間の反対側を目指す。


勿論のこと、招待された貴族や商人の視線がこちらに全て向いている。私は、このような大規模なパーティーは初めてなので緊張しているが、特に恥ずかしいとは思わない。せっかくお父様がお膳立てしてくれたのだし、それに今日は私が主役だから。






そして、私はお父様の隣までたどり着いたので、改めて招待された貴族や商人の方へ向き直り自己紹介する。


「皆様方、初めまして。私はシェルフィールズ公爵家長女のシルフィ・フォン・シェルフィールズです。この度5歳になりました。至らないところが多々ありますが、どうぞよろしくお願いいたします。」


その自己紹介にその場が凍り付いたようにしんとした。どうやら、5歳ではあり得ないような自己紹介をしてしまったようだった。


「は、はは。どうですか?家の娘は。ちょっと5歳とは思えない事を言いますが、可愛いものでしょう?私も時々驚かされますから。」


お父様が取り繕ってくれたもののあまり改善はしないようだ。果たして、私の自己紹介は失敗したのか、それとも成功したのか・・・・・・






それから、私の自己紹介は何事も無かったかのように皆様はパーティーを楽しみ始め、私は各貴族に挨拶回りをしました。


パーティーはやがて、終わりに近付き、お父様が締めの挨拶をしている所だった。


「皆様方。本日は娘の誕生日パーティーに来ていただきありがとう。お陰で娘にとってもとても良い誕生日に終わったと思います。そして、これからも皆様方と懇意に出来ればと思っています。今日は楽しめて頂けましたか?本日はこれで終了となりますが、今度はお披露目会でお会い出来るでしょう。それでは、これでパーティーを終わります。」


うん。あれだ。お父様が意外とスピーチが苦手なのは初めて知った。結構驚きだった。だって、お父様って何となくそう言うのが得意なように見えるから。


まあ、でも、皆さん知っているようなのか、別に驚きもしていなかったので私も別にお父様にその事を伝えるつもりはありませんが・・・・・・それでもカッコいいお父様にも意外な欠点があると知れて良かったと思います。










■■■■








「お父様。こんな夜に私を呼んでどうしたんですか?」


私は今、お父様に呼ばれて書斎に来ていた。


「ああ、それはなシルフィに誕生日プレゼントを渡そうと思ってな。ほら、パーティー中はシルフィが人気者で渡す時間が無かったからね。」


ああ、確かに・・・・・・何て言うか、皆私のところに我先にと挨拶をしに来てくれたのですが、その自己紹介になんか余計な情報まであって、無駄に一人一人長かったように思いますね。多分、今思えば自分を売り込みに来たのでしょうね。曲がりなりにも私、公爵令嬢ですから。


「そうでしたね・・・・それで、プレゼントと言うのは?」


私がそう言うとお父様は引き出しから見事な彫刻が彫られた木箱から一つのネックレスを取り出した。


「それは?」


「これはシルフィのために特注で職人に作らせたんだ。このネックレスの宝石には属性石を使っているから、シルフィの使う属性魔法が強化されるから丁度良いだろう?」


「属性石!?どうやってそんな高価な物を!?」


属性石。それはこの世界でも一二を争うほど希少な鉱石で、その値段は大きさにもよるが、大体白金貨10枚位はする。白金貨1枚で1億位するので、10枚では10億位する。だから、プレゼントとしては破格過ぎる。


「いやあ、シルフィは全ての属性に適性があるだろう?だから絶対にシルフィには役に立つと思ったからね。それもずっと。」


属性石は単に希少なだけではない。その鉱石自体の効果で、装備者が有している適性のある全ての属性が強化されるのだ。強化具合は鉱石の大きさにもよるけど、今私が貰った属性石の大きさは大体直径2センチ位の球形でプラチナのチェーンに吊り下げられている。その属性石は虹色に淡く輝いていて、見ていてとても神秘的だった。それで、この大きさならば大体強化率は5割位。


「お父様っ!こんなに貴重な物をありがとうございます!!これ、一生大事に持ってますね!!」


「ああ、俺も喜んでもらえたようで何よりだ。シルフィの役に立ったようで良かったよ。是非とも役立ててくれ。」


嗚呼、本当に今、この瞬間が最高に幸せです!!エルフィーネ!転生させてくれて本当にありがとう!!







「死にたいと願ったら叶いました。転生したけど・・・」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く