同志スターリンは美少女です!?

蛇に足

8話 閣下は性転換技術(ドイツ製)をご所望の様です







「ど、同志スターリン!?これはっ!?」


ふはは!面白いな、ヤゴーダの奴、トゥハチェフスキーの時と同じ反応をしているな。


しかし、やはりこの薬には遺伝子もへったくれもないらしい。そもそもヤゴーダは金髪ですら無いのに、それが銀髪だなんて本当に薬の副作用はどうなっているんだ、と言う話だ。


「ふむ、同志も同じ様な反応をするわけだな。まあいい。同志も話には聞いているだろうがトゥハチェフスキーが美少女になった件だが・・・・・・それの原因が今同志に飲ませた薬だ。その薬は開発者曰く、老化を防止できるらしいのだが・・・・・・その副作用が性転換とちょっとどころか全くもって意味不明なものになっているのだ。私は科学者ではないからその薬がどんな物質なのかは知らんが、それでもとんでもないものだとは分かるだろう?」


「は、はあ。確かにそうですが・・・・・・この薬は何処が?」


何処?ん、ああ、開発した研究所のことか。


「それなら連邦科学技術開発部と言う所だ。同志ならば名前くらいは聞いたことがあるのではないか?」


「連邦科学技術開発部?・・・・・・ま、まさか!本当にその研究所があったんですか!?」


「ああ、あるぞ。同志トゥハチェフスキーは既に一回そこに連れていっている。それと、その研究所の詳細についてはこの私ですら全ては知らない。私に分かるのはいつ頃に設立されたとか、そこでどんな技術を開発しているか。とかだな。目的などは一切不明だ。後は設立までの経緯等も全くだ。資料にも残っていない。本当に謎に包まれた研究所だよ。」


実際、連邦科学技術開発部はその殆どが謎に包まれている。これは誰も知らない話だが、あの連邦科学技術開発部は帝国ロシア時代にも帝国科学技術開発施設として存在している。ソビエト連邦に移行してからただ単に名前が変わっただけなのだ。さらに遡りツァーリ時代にもあったと思われる。流石にそこまで遡ってしまうと資料も何もないが。少なくとも、ロシアとして纏まった時にはあった。だが、誰が、どうして、何の目的で設立したのかは謎のまま。


ただ、その研究所が一切として軍事技術を開発していないのは歴史が表している。大体あの研究所が開発するのは薬品類が殆どなので、私としてはいっそのこと名前を連邦薬剤調合研究所にすれば良いのではないかと内心思っているが、勿論口には出さない。例え言ったとしても意味のないことだ。


「作用で・・・・で、私はどうすれば良いのでしょうか?」


「取り敢えず、NKVDに顔を出してこい。そしたら自然と同志のことも広まるだろう。」


私がそう言うと、ヤゴーダはあからさまに嫌そうな顔をした。いや、まあそれは分かるんだけどね。だって、トゥハチェフスキーの二の舞にはなりたくはないだろう。そうそう、トゥハチェフスキーと言えばこの前軍部内で何故か告白されると言っていたが・・・・アイツは馬鹿なのだろうか?あの容姿で男しか居ない軍に至ら告白されるのは当然だろう。求婚されないだけましだと思うが・・・・


「僭越ながら、嫌です。トゥハチェフスキーの様にはなりたくはありません。このままだと国民にすら知られてしまいます。」


「そうだな。当然、国民には直ぐに知れ渡るだろうな。そして、時間が進むにつれて世界にも広まるだろうな。何せ同志の場合は銀髪なのだ。この世界に銀髪の人間が居ない以上は広まるのは避けようの無いことだ。だから諦めてNKVDに顔を出せ。これは私からの命令だ。」


そう言うとヤゴーダは渋々と言う体で了承してくれた。










■■■■








ドイツ。総統官邸。






「おい、ヒムラー。」


一人の男がゲシュタポ長官であるハインリヒ・ヒムラーを呼ぶ。


「なんでしょうか?マインフューラー。」


ヒムラーは目の前の男。今やドイツの全権を掌握したドイツ総統、アドルフ・ヒトラーに返事をする。


「ラインラント進駐の件だが、イギリス、フランスの反応はどうだ?」


「依然として無反応ですね。両国とも抗議文は送って来ておりますが軍は動いておらず、こちらもまだ警戒は続けております。」


「ふん。所詮は口だけか・・・・奴らは。まあ、国民が戦争を望んでいない手前、政府の意向がどうであれなにもすることは出来ん。民主主義の圧倒的な欠点だ。あのような国の意思決定に無駄に時間のかかる。そんな悠長なことだから有事に直ぐに動けん。」


「その通りにございます。実際、何もしてきてはおりませんので。」


ヒムラーのその肯定にヒトラーは満足そうに頷く。


「そうだな・・・・それはさておき、ボリシェヴィキの奴等の動きはどうなのだ?かの小娘も何かしておるのでは?」


「そうですな・・・ソビエト連邦は農業の復興に勤しんでいるようですね。あと、気になる情報としてはかの赤軍の名将のトゥハチェフスキーが女になったと聞いたのですが。実際にこんな写真も。」


そう言いつつヒムラーは一枚の写真をヒトラーに差し出す。


「ふん、自分達で壊した農業を自ら復興に勤しむとは・・・無駄な事だな。それならば最初からしておけば良いものを・・・・やはりアカはアカか。で、この写真に写る女がトゥハチェフスキーだと?」


「はい。私はそのように報告を受けているのですが・・・」


「ふむ。仮にそうだとして、ソ連に男を女にする技術等あるのか?」


「そのようなことは聞いたこともありません。しかし、事実、派遣しているスパイからはトゥハチェフスキーを見なくなったと報告がありまして・・・・」


「そうか。で、我が国の科学技術では性転換は可能か?」


「不可能では無いにしても未知数と言ったところです。その手の人体実験を死刑囚で行ったと言う記録もありますが・・・・結果不明です。」


「要するに可能だが不可能と言う事だな。」


「表現するならばその通りかと。それと、オーストリア併合に向けてですが・・・・どうします?」


「それならば既にゲッベルスに指示して国内向けとオーストリア向けにプロパガンダをさせている。何、オーストリアも歴史を辿れば偉大なるドイツ民族なのだ。無事、併合出来るだろう。」


「心よりそうなることを願っております。」







コメント

  • ユウ・カジマ・スカーレット

    この閣下は欲情しないんですねwあの総統閣下ならオッ○イプルンプルン!!とか怒鳴ってそうですけどねw

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