言葉の欠片

一榮 めぐみ

そして

 私は手を伸ばした。迷いは無かった。


 酷く痛む右腕は既に感覚を失くしていた。


 そしてあの人は私を連れ出した。


 私は宙を越えて見ず知らずの星に来た。


 此処に仲間はいない。
 仲間はきっと、私を探している。
 私を失ってしまったと思っているかもしれない。


 窓の外には見たことのない景色が広がる。
 言葉は通じるのに、伝わらない。
 右腕の腫瘍が疼く。


 また一人になってしまった。
 私はいつも、仲間とはぐれてしまう。


 私の腕を治療する方法は見つかったかな。


 待っているだけでは仲間には再会出来ない。
 分かっている。
 私は、この星を出て、あの星に帰らなくてはいけない。


 生きるために。

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