言葉の欠片

一榮 めぐみ

終わりのはじまり

終わりが始まる
始まって終わる


終わりの先に何があるの


髪を指で梳かしながら
先のことを考えると
少し


少し前に進んだ。


死んだほうがまし
誰か殺して
誰にも気が付かれないように


指で頬をなぞる
随分と温かい涙が邪魔だから


隠そうとしても無理


そんな気力も体力も
使い果たしたところ


さあ、どうする
まだまだ始まりの始まりで


いきなり倒れそうなくらい
フラフラじゃないか


いきなり倒れては
最後まで走れないというのに


なんの意味もない
こんなの


なんの意味もない。

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