言葉の欠片

一榮 めぐみ

物差し、定規

人は皆、物差しとか定規を持っているんだって。


出会ったもの、人、事柄、事象、あらゆるものを
その物差しで計測するんだって。


その物差しでどうにもならないものを
異常とか、対象外とか、ヤバイとか、
ゴミみたいに小さいとか、大き過ぎる、
と、認識するみたいだね。


物差しが長い人もいるし、
太い人も、いるだろう。
三角定規とか、曲線定規の人もいるかもね。


小学校で買わされた竹で出来た30cm定規みたいに
みんなおんなじ定規を持ってたかもしれない。


でもそんなのは目に見える幻で
みんな同じ定規は使っていない。


そう思わされているだけだ。
あの子もこの子も竹で出来た30cm定規で測りますって。


本当は誰もが異なる環境で育ち、
異なる本を読み、
いろんな人と出会って、
みんなバラバラな定規を持っている。


どれが正しくて間違っているわけでもなく
どれが優れていて劣っているわけでもなく


それぞれでいい。


あいつの定規(価値観)は間違ってる!


そんなこと言うなよ。


僕の定規は、間違えてゴミと一緒に何回も捨てちゃってさ
今は何百個目か、何千個目か、わからないけど


まぁ、そんなものだよ。



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