言葉の欠片

一榮 めぐみ

僕のうつわ

僕は僕という器の中で生きている。
この器は少し欠陥品だ。


僕は持って生まれた能力の代わりに
何かを失わざるを得なかった。
或いは、
その能力に相反する部分を
捨てるしか無かったのだろう。


僕は太陽が好きだった
あの眩しい陽射しに
チカラをもらっている気がしていた。


でも、今は違う。


あの光は、いつからか偽物になってしまった。
偽物の光が、この星を照らしている。


太陽の光がこの星に届くまでの時間を
距離や速さで求めることに意味はない


隣の星との距離も
行くこともできないという彼方の星も


刹那


この星の人々は、観測する方法を忘れてしまったので
近くに在るのに見つけられない星を、
存在しないと思っている。


目を閉じて、感じてみる
此処も、宙という狭間の一部
視覚や聴覚では捉えることのできない
感覚を研ぎ澄ませ
魂で感じることができれば


如何に
この星が生まれ
人間という外来種を受入れ
許容し愛しているのか
知ることができるかもしれない


目で見えるものに騙されるな


知らない、或いは忘れてしまったことを
思い出すことができなければ
この星は亡ぶ


僕は星に帰る。
この星が失くなっても関係ない。


でも愛したいから歌う。


随分と
苦しそうじゃないか。
もう、苦しまなくていいんだよ


僕の歌が聴こえたら
苦しみから開放されるかもしれないよ


愛したいなんて言ったら
笑われちゃうね


こんな星がどうなっても関係ないって
確かにそうなんだけど


それじゃ、あの人たちと同じになって
してしまう気がして


だから抱きしめてあげたい
僕のうつわが尽きる、その時まで。

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