言葉の欠片

一榮 めぐみ

マゼンタの少女

マゼンタの髪の少女がよく夢に出てくる。


真っ直ぐなその髪は
肩にかからない長さで綺麗に切り揃えられ
透き通った大きなビリジアンの目が印象的だ。
グリーンとホワイトの制服がとても似合っているんだ。


でも、彼女がわらっているところを見たことがない。


いつも泣いている。


僕は彼女の涙が気になるけれど
彼女は僕を見ていない。
あの、背の高いひょろっとした男を見ている。


ごく普通の、あの男が羨ましい。
けれど、僕は、あの男の代わりにはなれないことを知っているから


彼女のその綺麗な髪をいつも少し離れたところから見ている。


僕は落ちこぼれだから
誰も僕を見ていない。
僕を気にかける人もいない。


それでも、僕はその世界に居られるだけで
幸せだと思ってる。


その世界の仲間たちがみんな幸せになってほしいと
心からそう思っている。

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