虚空の灯明

一榮 めぐみ

設定(ネタバレ注意)

 私の小説、虚空の灯明をご覧いただきありがとうございます!!!
 こちらは設定ページになります。『一心に灯りをかかぐ』シリーズ共通の設定となります。


※ このページはネタバレを多く含みますので、物語を読みたい方は次のページからお願いします。


======== アピールポイント ========


 数えきれないほどの輪廻転生を繰り返して私たちが生きているように、この物語の主要キャラたちも過去世からの繰り返しの中で生きています。人は生まれるときにその一生に於いての目標を決めて生まれるといいますが、生まれ来るときにその目標は忘れてしまいます。自分の生きる目的は何なのかを探しながら生きるか、惰性で生きるのか、それは人によってさまざまです。
 この物語では主人公たちの一部が過去世の記憶を『夢』で取り戻します。過去の恨みを晴らす者もいれば、その因縁を断ち切ろうとする者もいます。過去に達成できなかったことを現世に於いて達成しようとする者もいれば、それを達成させないために生きる者もいます。過去に囚われることなく、今の自分の意志を尊重する者もいます。
 それぞれの目的と願いが交錯して複雑に絡み合うなかで、主要キャラたちがどんな道を選び、どのように生きていくのかを描くファンタジーです。


======== あらすじ =======


 世界の中心から離れた国、ミストーリ国の第二王子とその友人たちが、過去世からのつながりのある人たちや精霊に出会い、自らの運命と向かい合っていく物語です。
 何も知らずに生きてきた王子ルーセスが、ひとりで国を飛び出した友人リューナを探すために、付き人であるアイキと共に国を出たところから物語は始まります。そして出会ったのは国には存在しない『魔族』と『精霊』でした。その存在すら知らずに生きてきたルーセスやリューナとは逆に、知っていながら知らないフリをしていたアイキは『碧い魔法使い』であることを精霊たちに明かされます。
 ルーセスは星族の母を持ちながら魔法が全く使えませんでしたが、それは『星族』と呼ばれる人々とある・・精霊による策略のためでした。それを知ったルーセスは星族を殲滅してその魔法を取り戻すことを決意しますが、リューナはそんなルーセスに警鐘を鳴らします。
 アイキとの縁が深い魔族のルフは、アイキの魔法に触れて、過去世のルーセスたちとの壮絶な殺し合いの記憶を思い出してしまい、ルーセスとの接触を避けるようになります。唯一の仲間であったアイキがルフを助けますが、自らの目的のためにアイキは育ての親である『水の精霊』の棲み処へとリューナと共に消えてしまいました。
 残されたルーセスとルフのところにやってきたラピスに連れられて、星族の支配の進んだイリース国へと傭兵として紛れ込みます。そこで星族の現状を知ったルーセスは、イリース国の星族を殲滅してイリース国を壊滅させてしまいます。少しずつ自分の魔力を取り戻していくルーセスは、遂に自分の生まれ育ったミストーリへと戻る決意をします。そして手にかけたのは……。


======== 世界観設定 =======


 この世界には、人間・魔族・星族・精霊・魔物という5つの種族が登場します。基本的に種族間は交わることなく生きています。どの種族も魔法を使いますが、精霊や人間の魔法には得手不得手があり、ルールが存在します。
 魔法は大きく5種類あり、火・水・風・土・空です。その5つとはまた別格の魔法として光と闇が存在しますが、その魔法を使える存在は限られています。


〇種族〇


(人間、一般人)
 王族を中心として国という単位で暮らす『人間』が最も多く、国は大小あわせて世界に300ほど存在するといわれています。誰しも5つの魔法を万遍なく使うことができますが魔力はさほど強くなく、魔物との戦闘には武器を使い戦う人々が一番多いです。中には魔法を得意とする者もいますが、後に説明する魔族に比べるとやはり魔力は劣ります。


(星族)
 各国の城や町には、魔物の侵入を防ぐために光の魔法による結界が張られています。その結界を管理することができるのは『星族』と呼ばれる一族で、各国の結界に沿って作られている門に住んでいます。星族は強力な光の魔法を使うことができるので、武器を持ちません。そして強すぎる光の魔法を使うため人としての感情が欠けており、死を恐れることがないと言われています。星族には上位と下位が存在し、門に住んでいるのは下位星族で、上位星族の指示通りに任務をこなしています。上位星族は星拠と呼ばれる場所に住んでおり、そこから出ることはありません。上位と下位で違う衣装を身に付けており、下位は深いフードのついたローブのような衣装で、上位はベレー帽のような帽子を被り、下位に比べると若干軽装になります。
 各国の門の下階は兵士たちが国を出入りする関所として機能していますが、上階は星族のみが住んでいます。星族はそこから出てくることはないので、王族支配下にある一般の人々とは関りを持つことはありません。一般の人々は星族の存在こそ知っていても星族のことは何も知りません。


(精霊)
 世界のあらゆる場所に隠れ住んでいる者と、魔族と共存している者が存在します。寿命が長く、数百年とも言われていますが定かではありません。(100歳程度ではまだ若いともいわれる)
 一種類のみの魔法を使い、他の魔法を使うことはできません。例えば火の精霊であれば火の魔法のみしか使えませんが、その威力は計り知れず、人間をはじめ魔族や星族に魔法を使い攻撃することは精霊たちのなかで禁忌となっています。治療の魔法が得意といわれますが、他の魔法を見ることは滅多に見られることがないため、そのように言われるのかもしれません。
 その姿かたちには決まったものがなく、性別も存在しません。精霊自身が見せている姿そのものが魔法であるため、見る者によって若干異なって見えているのだと言われています。


(魔族)
 精霊と共に暮らし、魔法を得意とする種族が『魔族』で一般の人間たちの国には属さず、山奥などでひっそりと集落を作り暮らしています。精霊の魔法を利用するため、5種類の中から一種類の魔法のみを使います。魔力は精霊に依存しているのでとても強く、星族同様武器を使いません。
 魔物退治を得意としていますが、基本的に集落の周囲だけで穏やかな暮らしをしており、助け合い、物々交換によって生活しています。全ての集落が何かしらの精霊を祀っており、精霊に感謝して精霊と共に暮らすことを魔族らしい生き方としています。
 結界内で暮らす一部の地域の人々によっては、魔族の存在を"魔物を生み出す忌むべき存在"として魔族を見つけると襲いかかる者もいるようです。


(魔物)
 どこからともなく現れて感情を持たず、あらゆる生物に襲いかかる厄介な存在です。人々の持つネガティブな感情から生み出される魔性の生き物という説が有効とされています。人や精霊などの全ての生きる者は、5つの魔法のバランスによって造られており、バランスが保てなくなり闇に堕ちた生き物が魔物になるのだとも言われています。


======== キャラクター =======


ここでは主要な登場人物のみ紹介させていただきます。


〇 ルーセス 〇
 ミストーリ国第二王子であり、虚空の灯明の主人公。過去世では世界を統べる光の魔法使いとして知られ、星族を創り出す原因となった人物であったが、物語の始まりでは全く魔法を使えない。その劣等感からあらゆる武器を使いこなすまでに鍛錬を積んでおり、筋肉質で体格がいい。最も得意である大剣クレイモアを腰に下げている。星族の特徴である銀髪と翠色の瞳を持つために、星族から隠れるように過ごしていた。強い劣等感を抱いているので自分に自信がないものの、王子として振る舞うために努力はしている。気持ちが優しく剣の腕前が確かなことから兵たちからは信頼されている。クーちゃんと呼ぶ、もふもふのぬいぐるみを大事にしている。


〇 リューナ 〇
 ミストーリ出身の風の魔法を得意とする第二王子護衛兵。第二王子であるルーセスとは友人でもあるが、ルーセスのことは手がかかる王子様と呼び、ウザイ、キモイと罵る。その一方でルーセスのことを誰よりも信用している。過去世では度々ルーセスの妻であったが、現世では絶対に嫌だと言っている。
 感受性が豊かで、精霊の魔法や周囲の感情を感じ取ってしまう。そのために他人に影響されやすい。頑固な面があり、他人と慣れ合うのが不得意なので友達が少ない。ミストーリでは両親と城下町に住んでいた。父親は大工で、母親は主婦。


〇 アイキ 〇
 ルーセスの付き人であり、護衛兵でもあり、ミストーリを代表する音楽家でもある多才な人物。城に住み込みでルーセスの世話をしている。ミストーリでは碧い魔法使いであることを隠して短剣使いとしていたが、地の精霊であるジルに正体を明かされてからは積極的に碧い魔法を使うようになる。
 檸檬色のストレートの髪を肩まで伸ばしており、普段は黄土色の瞳をしている。碧い魔法を使うときだけ碧眼になる。丈の長いスカートのような服を好み、女性と見まちがえるほどに端正な顔立ちをしており、男性としては細身なのでよく女性に間違われる。自覚はあるようで『オレはかわいい』と言う。
 出身も年齢も不明で、育ての親は水の精霊ルーン。ミストーリに来る前はルーン湖にある水の精霊の棲み処で生活していた。子どもの頃から短剣や音楽を水の精霊が特訓してくれたと言うが、水の精霊の棲み処から逃げ出そうといつも水の精霊に襲いかかっていた。それが結果として訓練になっていたことを大人になってから理解する。過去世の記憶を取り戻し、ルーセスを殺そうとミストーリに行ったものの、魔法も使えないルーセスを見て気まぐれでルーセスの付き人となる。


〇 ルフ 〇
 紅い魔法使いであり、リューナの命の恩人。説明が下手なんだ、というのが口癖で口ベタだが、天然なところもある自分を知られまいとして口数を少なくしている。赤黒い短髪で深紅の瞳を持ち、整った顔立ちをしている。紅い魔法を使うときには瞳の紅みが増す。
 武器を持っていなかったが、ルーセスに細身の剣レイピアを教えてもらい、以後、紅い魔法と併用するようになる。過去世ではアイキの兄貴分としてアイキと共にルーセスと死闘を重ねた。アイキが先に殺されることが多く、ルーセスに対する恨みを払拭できないでいる。
 過去世でアイキを失い自暴自棄になったところを助けられた火の精霊アドロヴァに魔力を貸したため、現在では魔力を大幅に失っている。その記憶を辿るためにリューナと二人で旅に出る。


〇 ラピス 〇
 白い魔法使いである空間魔法の使い手。付き人であるビシュと共に同じレーヴァテインと呼ぶ大剣を使う。亡びた王国フローロの王女であったが、唯一の生残者となったところを水の精霊ルーンに助けられる。そこで出会った縁の相手であるアイキに対して心を許せないでいるが、アイキの頼みを聞くことや、ルフを陰で助けるなど、因縁を断ち切ろうとしているところもある。
 薄い紫色の髪を綺麗に顎の長さで揃えている。母親似の深紫の瞳を持つ。ビシュに絶対の信頼を持っており、ルーセスのことを"あのお方"と呼び、ルーセスを守ることこそが自分の運命だと思っているが、過去世で抱いていたような恋愛感情は持っていないようだ。自分の出身国であるフローロを滅ぼした星族を亡ぼすことを目論んでいるものの、その背後に見え隠れする精霊の存在を追っている。


〇 ビシュ 〇
 風の魔法を得意とする常盤色の魔法使い。常に微笑んでいることから、アイキには何を考えているかわからない奴だと思われている。常に丁寧な言葉遣いをして、レーヴァテインが折れるまで仕えると言う言葉通り、転生するたびにラピスに絶対の忠誠を誓っている。攻撃を避けることをしないので戦闘のたびにけがをする。過去世の記憶を夢に見るたびに、現世の記憶を少しずつ失うために、自分の出身地や年齢を覚えていない。


======== その他 =======


 魔法について少し書きます。
 魔法そのものも、5つの魔法の混成となっていて、何の属性が強いのかによって、何の魔法として扱われるのかが決まります。例えば【火1・風1・水1・土2・空5】であれば風の魔法となります。
 精霊の魔法も原則は同じですが、精霊の場合は扱える数字が人や魔族に比べて大きくなると考えられます。
 光と闇はバランスよく、全ての属性が同じ場合、光か闇となりますが、そもそも人そのものがアンバランスなものであり、全ての属性をバランスよく扱うことは、普通の人間にはできません。生まれ持っての性質のようなものであるべきだと考えます。(そのため星族は感情面が希薄である)
 この世界では魔法も可視です。魔法は人の魂のエネルギーであり、魂のレベルは生まれ変わっても下がることはありません。だから主要キャラクターたちは生まれ変わっても同じ魔法を扱います。
 人のレベルは100までです。稀に100を越える人も存在するけれど、100を越えると精霊となります。ですが、レベルが上がるにつれて転生のサイクルも長くなるために精霊の数は必然的に人よりも少なくなります。
 魔物は逆に60までとなります。人間が生み出す魔物は魔性の生き物なので魂のレベルアップはありません。魔物も魔法を使うことができるが、それは魔物は人が手放した魂の一部のようなもので、人に比較してもかなり不完全な偏った生き物となり、一部の強い感情だけで存在しています。生きているわけではないので魔法そのものの持つ感情面が形となったものと捉えます。


(火の魔法)
 熱をコントロールする。人間の感情では情熱や感動、怒りと大きく関わる。


(水の魔法)
 あらゆる生命の源ともいえる魔法。感情そのものをコントロールする。悲しみ、慈しみといった感情にかかわる。


(土の魔法)
 大地そのものの持つ魔力。安定や落ち着きといった感情と関わる。


(風の魔法)
 変化の魔法。あらゆるものに巡る動き、そのものの魔法。寛大な広い心や、順応性、好奇心といった感情にかかわる。


(空の魔法)
 空間そのものの魔法。安定、創造、自由、自在といった感情にかかわる。他の魔法との併用や相性がいい。


(光の魔法)
 上記5つの魔法をバランスよく使うポジティブサイドの魔法。すべての魔法の素質を持つ。


(闇の魔法)
 基本は光の魔法と同じだが、ネガティブサイドの魔法。





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