Behind the door

小鳥遊\\u3000星

登録

 「こういう世界では、まず冒険者登録とかしないといけないんだよな。」
 「冒険者登録? 冒険者になったら銃は使えるの?」
 「あ~ゲームによってはRPG系でも使えるのはあるんだけどこういう転送ファンタジーでは弓が定番だろうな。」
 「え!? 使えないんですか? 弓しかないんですか?? せめてクロスボウにしてくださーい。」
 「いやいや、俺に頼んでもこればっかりは……な。ってか、そうこう話しているうちに着いたぞ。ギルドに!」
 その建物は壁は白く屋根は煉瓦で出来ており“これぞギルド”と言わんばかりの大きな建物だ。ギルドに入るための階段の両脇には剣を構えた二体の像が立っており今にも動き出しそうだ。
 「うわーギルドってこんなに大きいんですね。」
なんか“異世界に来た!”ってのが実感できる建物だな。ゲームをとは迫力が違いすぎる。
 「なんか緊張するな。」
 「そ、そうですね。」
 俺たちは深呼吸し、扉を開けた。扉から受付までカーペットが敷かれている。大きな柱が2本立っていてその柱の近くには吹き抜けになっている地下に行ける階段がある。その地下には複数テーブルが並んでいる。所々人が座っているようだ。
 「私たち見られてますよね。」
 「そ、そうだな。」
人がいるだけならいいんだけど……見られてますよ。厳つい顔のおっちゃんに見られてますよ!綺麗なお姉さんに見られてますよ!!いつも部屋に引きこもってる俺からしたらハードル高いよ。も、もしかして俺に惚れちゃった……ってナワケネーダロ!
 「あ、あのー大丈夫ですか?」
 「だ、大丈夫じゃないです。今すぐこの場からはなれたいです……。さっさと登録しましょう。」
 「……はい。」
 カーペットの上を歩き受付までたどり着いた。
 「見ない顔ですね。冒険者登録ですか?」
 受付のお姉さんが笑顔で話し掛ける。
 「は、はい。」
やべぇ…まわりの目線が痛い。
 「では、あなたの名前を教えていただけますか?」
 「俺は」

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