冬の稲妻

ブラックベリィ

047★苦笑いしかない


 あれっ? 秀人君ってば……笑ってる?
 ほんとぉーに、別れたいおんなのこがいるのかな?
 ちょっと……つっいて……みよう。

 が、機嫌よく笑っている秀人の表情を見て、雅美はちょっと復活する。

 「いいなぁーもてる人は
  平気で、それ言えるんだもん

  ………秀人君、女の人
  何人ぐらいいるのぉ?」

 敢えて内心を口にせず、雅美は秀人に純粋な興味から尋ねる。

 「忘れた」

 が、返って来た答えは、雅美の予想通りだった。

 「言ってみたい
  そういうセリフ」

 秀人の発言に、むっとした雅美は、その内心を再び、ちょっと口にしていた。

 「……はぁー……
  いいなぁー
  秀人くんってもてて」

 「…………」

 雅美のセリフに、秀人は苦笑するだけだった。

 おんなが、我がままで、身勝手で、面倒な存在だって、判ってないよなぁー…………。
 まっ……本当の意味で……雅美は…………。
 おんなと寝たことが無いから…………。

 確かに、すっきりするけど、その後が、ウゼー………。
 勝手に、愛してるなんて言い出す…………。

 そんな関係なんて………して…ないのに…………。
 無視すると、ストーカーになるわ…………。

 死んでやるなんて…………ワケワカンネェーこと言い出すしよー…。




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