冬の稲妻
043★翌日の2人 その1
翌日、早朝開口一番の雅美の言葉に、秀人は苦笑する。
「秀人君、あのね、あのね」
「うん?」
雅美は、ちょっと顔をしかめて、秀人の腕の中からその顔を見上げて言う。
「躯が重いし、喉が痛いの」
首を傾げて言う雅美に、秀人は表情だけ不思議そうな顔をする。
「声、かすれてるなぁ、雅美」
「うん、それでね
昨日の記憶がないの」
首を傾げて言う雅美に、秀人はクスクス笑いながら尋ねる。
ふぅ~ん、こいつ、酒に弱え~んだ。
「全然か?」
酒飲ませて、やろう。
ま、姑息とは思うが、やらせちまおう。
「う~ん………
わかぁんない…」
そんな雅美の様子に、秀人は内心でラッキーを連呼していた。
雅美、安心しろな。
バック、全部は、使わないからな。
スッと秀人は雅美を組み伏せ、クスクス笑いながら名前を呼ぶ。
「雅美」
秀人の行動に、疑問を持った視線で雅美は見上げる。
「うん?」
秀人は、楽しそうにしながら口を開く。
ふむ、どの程度まで教えればいいかなぁー。
「お前はなぁ…………」
「うん」
「カミナリ怖がって
仕様が無かったんだぞぉ」
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