冬の稲妻

ブラックベリィ

025★危ない道への一歩?

 雅美は、秀人の無言の促しに、うわごとのように喋り続ける。

 「あのねぇ、一人でぇ
  部屋にいる時はねぇー……

  えっとねぇータブレットでねぇ…
  お気に入りの曲かけてねぇ………

  でね、ベットで丸まってるの

  母さん達ってば
  僕が泣いてもわめいても
  来てくれないもん

  ……ねぇ、秀人君
  もっともっと」

 秀人は、雅美がねだった時に深いディープキスを与えるので、雅美は少しお喋りをしては、口付けを催促する。

 その間、秀人は雅美の柔らかな肌を、邪まな思いが混じった状態で探っていた。

 悪くないな
 うーん、この反応、可愛いよなぁ、素直で。

 ……………すげぇー良い
 おいおい、雅美、いい顔すんなよ

 やばいじゃねぇかよ、俺も
 楽しい……うーん、俺も危ない道への一歩かぁ。

 秀人は、日本酒にあまり慣れていなかったので、自分が酔っている事にすら気付かなかった。

 そして、雅美はすべてのお酒に弱かったので、この状態は当然の結果だった。

 「みぃー、秀人君
  どうしてやめるのぉー…………」

 雅美はカミナリと秀人の口付けで、自分がどんなに危ない状態にいるのか、気付く余裕などまったくなかった。



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