私は聖女になります性女(娼婦)にはなりません
092★台風一過?
エリカの不安を滲ませた問い掛けに、アルファードは野営地の天幕での話しを口にする。
「エリカ、あっちで教えたよな
聖女の高い《魔力》は、必ず子供に遺伝するって」
確認するように言われて、エリカは頷く。
「うん、覚えているよ」
それを確認してから、アルファードは重い溜め息を吐く。
「それって、子供に高い《魔力》を確実に遺伝させようと思う
野心家に狙われるってコトになるだろ?」
言われて、エリカは納得する。
「あっ…そうだね………って…えっ?私も聖女候補だから…狙われるの?」
自分がそういう対象になるという自覚の薄かったエリカは、びっくりしてアルファードを見上げる。
自分を見上げるエリカに、アルファードが優しい瞳で見下ろし口を開こうとした真ん前で、キャロラインが断定的に言う。
「確実に狙われるわよ
貴方の《魔力量》と使える魔法は、アルファードと同じぐらいか?
もしかしたら多いかもしれないもの」
その認識が、アルファードだけじゃなく、他者からみれば共通だということを、改めて認識し、エリカは黙り込む。
「…………」
不安そうに黙り込むエリカに、キャロラインは優雅に笑って言う。
「アルファードは、とても強いわよ
だから、確かにアルファードと居れば大丈夫よ」
そう言うキャロラインに、オスカーが身を屈めてその耳元に小声で言う。
「団長の機嫌が悪くなっていますから、今日はお引取りを………
後日、機嫌が良さそうな時にでも、また、いらしてください」
オスカーの助言に、キャロラインは残念そうな溜め息を吐いて言う。
「はぁ~…楽しい時間は短いものね
ああ、アルファード、目的のエリカ姫に会えたから、私は帰るわね
エリカ姫、ひとつだけ言っておくわね
貴方の他に、6人の聖女候補が《召喚》されたと聞いているわ
勿論、彼女達も《魔力》が高いでしょうから1人では外出できないのよ
それは、貴方だけじゃ無いわ
それに、貴族の姫は誰もが1人では出歩かないの
それがここの常識なのよ、覚えておいてね
もう、異世界なのよ、貴方の居た場所は……また、会いましょうね
ごきげんようエリカ姫…アルファード」
少しそそくさとした雰囲気でそう言って、席を立ち上がる。
そんなキャロラインに、エリカも慌てて挨拶をする。
「ごきげんよう、西の……」
エリカの挨拶の途中で、キャロラインは茶目っ気を出して言う。
「キャロラインよ………ああ、義母様でも良いわね」
楽しそうなキャロラインに、アルファードが冷水を注ぐ。
「正式に婚約するまでは、西の妃って呼んで大丈夫だぞ」
キャロラインとアルファードを見て、エリカはえっとぉ~的な表情で、とりあえず頷く。
「うっうん」
アルファードを見て、無意識に笑顔を見せるエリカに癒され、キャロラインは付いて来た者達へと声を掛ける。
「帰ります」
その後姿に、アルファードもついひと言気遣いの言葉を掛ける。
「シオババアに気をつけろよ」
今までだったら、そういう優しさのある言葉を口になどしなかったアルファードの良い変化に、キャロラインは優雅に微笑んで頷く。
「もちろんよ」
そうして、西の妃キャロラインが、団長室から出て行くと同時に、マクルーファは、自分の側近に命令する。
「ランスロット、女候補の少女達を迎えに行け」
ランスロットは、騎士としての礼をとってから答える。
「はい……ご命令に従い、聖女候補の少女達を迎えに参ります
案内する部屋は、こちらの団長室で宜しいでしょうか?」
ランスロットの確認に、マクルーファはアルファードに視線を向ける。
「団長、ここで、宜しいですか?」
「ああ、ここで、構わない
マクルーファ、お前も、それにキデオンもレギオンも
エリカ以外の聖女候補に会っていないからな
俺も初顔合わせだから挨拶をしよう、なっ、エリカ」
アルファードに話しを振られたエリカは頷く。
「この世界に、たった7人しかいない、日本人なんだもの
親しくなって……ううん…お友達になりたいわ」
「そうだな、エリカの友達になれる者がいると良いな
ランスロット、行け」
「はい」
アルファードにも命令されたランスロットは、再度、騎士の礼をとって答え、
足早に部屋から出て行った。
そして、部屋に残っているエリカとアルファード達は会話する。
「ねぇアル、エリカ、騎士服なんだけど」
言外に女の子らしい姿になった方が良いと思うんだけどというニュアンスで言えば、アルファードは眩しいくらい爽やかに言う。
「大丈夫、エリカは何を着ていても可愛いから………」
エリカが望んだ、女の子らしい姿への着替えは、出てこなかった。
「エリカ、あっちで教えたよな
聖女の高い《魔力》は、必ず子供に遺伝するって」
確認するように言われて、エリカは頷く。
「うん、覚えているよ」
それを確認してから、アルファードは重い溜め息を吐く。
「それって、子供に高い《魔力》を確実に遺伝させようと思う
野心家に狙われるってコトになるだろ?」
言われて、エリカは納得する。
「あっ…そうだね………って…えっ?私も聖女候補だから…狙われるの?」
自分がそういう対象になるという自覚の薄かったエリカは、びっくりしてアルファードを見上げる。
自分を見上げるエリカに、アルファードが優しい瞳で見下ろし口を開こうとした真ん前で、キャロラインが断定的に言う。
「確実に狙われるわよ
貴方の《魔力量》と使える魔法は、アルファードと同じぐらいか?
もしかしたら多いかもしれないもの」
その認識が、アルファードだけじゃなく、他者からみれば共通だということを、改めて認識し、エリカは黙り込む。
「…………」
不安そうに黙り込むエリカに、キャロラインは優雅に笑って言う。
「アルファードは、とても強いわよ
だから、確かにアルファードと居れば大丈夫よ」
そう言うキャロラインに、オスカーが身を屈めてその耳元に小声で言う。
「団長の機嫌が悪くなっていますから、今日はお引取りを………
後日、機嫌が良さそうな時にでも、また、いらしてください」
オスカーの助言に、キャロラインは残念そうな溜め息を吐いて言う。
「はぁ~…楽しい時間は短いものね
ああ、アルファード、目的のエリカ姫に会えたから、私は帰るわね
エリカ姫、ひとつだけ言っておくわね
貴方の他に、6人の聖女候補が《召喚》されたと聞いているわ
勿論、彼女達も《魔力》が高いでしょうから1人では外出できないのよ
それは、貴方だけじゃ無いわ
それに、貴族の姫は誰もが1人では出歩かないの
それがここの常識なのよ、覚えておいてね
もう、異世界なのよ、貴方の居た場所は……また、会いましょうね
ごきげんようエリカ姫…アルファード」
少しそそくさとした雰囲気でそう言って、席を立ち上がる。
そんなキャロラインに、エリカも慌てて挨拶をする。
「ごきげんよう、西の……」
エリカの挨拶の途中で、キャロラインは茶目っ気を出して言う。
「キャロラインよ………ああ、義母様でも良いわね」
楽しそうなキャロラインに、アルファードが冷水を注ぐ。
「正式に婚約するまでは、西の妃って呼んで大丈夫だぞ」
キャロラインとアルファードを見て、エリカはえっとぉ~的な表情で、とりあえず頷く。
「うっうん」
アルファードを見て、無意識に笑顔を見せるエリカに癒され、キャロラインは付いて来た者達へと声を掛ける。
「帰ります」
その後姿に、アルファードもついひと言気遣いの言葉を掛ける。
「シオババアに気をつけろよ」
今までだったら、そういう優しさのある言葉を口になどしなかったアルファードの良い変化に、キャロラインは優雅に微笑んで頷く。
「もちろんよ」
そうして、西の妃キャロラインが、団長室から出て行くと同時に、マクルーファは、自分の側近に命令する。
「ランスロット、女候補の少女達を迎えに行け」
ランスロットは、騎士としての礼をとってから答える。
「はい……ご命令に従い、聖女候補の少女達を迎えに参ります
案内する部屋は、こちらの団長室で宜しいでしょうか?」
ランスロットの確認に、マクルーファはアルファードに視線を向ける。
「団長、ここで、宜しいですか?」
「ああ、ここで、構わない
マクルーファ、お前も、それにキデオンもレギオンも
エリカ以外の聖女候補に会っていないからな
俺も初顔合わせだから挨拶をしよう、なっ、エリカ」
アルファードに話しを振られたエリカは頷く。
「この世界に、たった7人しかいない、日本人なんだもの
親しくなって……ううん…お友達になりたいわ」
「そうだな、エリカの友達になれる者がいると良いな
ランスロット、行け」
「はい」
アルファードにも命令されたランスロットは、再度、騎士の礼をとって答え、
足早に部屋から出て行った。
そして、部屋に残っているエリカとアルファード達は会話する。
「ねぇアル、エリカ、騎士服なんだけど」
言外に女の子らしい姿になった方が良いと思うんだけどというニュアンスで言えば、アルファードは眩しいくらい爽やかに言う。
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