私は聖女になります性女(娼婦)にはなりません

ブラックベリィ

024★魔法騎士団・団長様まで一直線……馬に乗るのも大変なんです



 「この通り

  私は戦う力も
  自分用の武器も

  ありますので
  大丈夫です」

 〔まぁ…その為に買った
  モノじゃないから

  ……恵里花には少し
  大きいんだけどね
  この刀剣は……

  あそこで確認した時
  買った中身が

  本気まじもんの
  本身だって判って
  焦ったけどね………

  でも、それで
  良かったのなか?

  ここで使えるモノ
  だもん………〕

 にっこりと笑ってそう言う恵里花に、オスカー副団長は頷いてから言う。
 甲冑を魔法で立たせてるモノ(ハガレンの兄弟の甲冑の中に魂を封じた弟を参考に想像してください)を脇に置いたままで…………。

 「姫君…確かに
  そうですね

  でも…魔物からの
  攻撃を防御する為に

  この甲冑は纏って
  もらいたいんですが?

  これには
 【物理攻撃軽減魔法】と
 【魔法攻撃軽減魔法】と

 【状態異常軽減魔法】が
  掛かっています

  もとは、ウチの団長が
  着ていたモノです

  ですから、汚しても
  壊しても

  気にする必要の無い
  モノです

  勿論…
  【重量軽減魔法】を
  掛けてありますので

  ドラゴニアンの
  我々と違って

  姫君の華奢な身体でも
  負担にはなりません

  安全の為に
  いかがですか?」

 恵里花は、その説明に納得して、そういう防具を用意したオスカー副団長にお礼を言う。

 〔ふぅ~ん…
  中古品とか…

  着古したモノって
  扱いなのね

  本人も、成長して
  着れないモノだよね

  だったら…
  もらっても
  気にならないわ〕

 「ありがとうございます」

 甲冑を着ることを了承した恵里花に、オスカー副団長は、マイケルが差し出した衣類を受け取り、ひろげて見せる。
 それは、明らかに小柄な者用の騎士服?とパット?のようなモノだった。
 その他にも、フェリックスがブーツなどの小物を持って、恵里花に見せてくれるのだった。
 それらを恵里花の目の前に置き、オスカー副団長が説明を始める。

 「それから、これは
  甲冑の下に
  身につけるモノです

  それと…甲冑の中に
  着る騎士服です

  これも、団長が子供の頃に
  着ていたモノです」

 そう言って、差し出された衣類を受け取りながら、恵里花は再度お礼を言う。

 「ありがとうございます

  では、騎士服に
  着替えましたら……

  甲冑の下につけるモノを
  つけてみます

  甲冑は着たことが
  ありませんので……

  手伝いを、お願いしても
  よろしいですか?」

 「はい、私が手伝いますよ…姫君

  では、着替える場所に
  ご案内しましょう」

 「はい」
 
 オスカー副団長に案内されて、恵里花は魔法騎士団の隊舎に入った。
 その後を、甲冑を持ったジャスティーやブーツなどを持ったフェリックスが付いて行った。

 勿論、オスカー副団長が、案内した部屋は、嫉妬深い団長の私室だった。

 オスカー副団長にドアを開けてもらうと恵里花はするりと室内に入った。
 恵里花の目から見ても、上品な色合いで統一された室内は広かった。
 恵里花が通された部屋は、どうやら居間らしい。

 そして、扉が幾つか見えるので、それが寝室や食堂、または、浴室やトイレなのかも知れないと恵里花は思った。
 すると、1つの扉をオスカー副団長が開けてくれた。

 まずは覗いて見ると天蓋付きのベットが有ったので、寝室だとわかった。
 寝室には2つの扉が有ったので、恵里花は、浴室とトイレか、クローゼットだろうと思った。

 そして、これから馬に乗って長距離移動をするコトを考え、恵里花はオスカー副団長に質問する為に振り返った。
 そんな恵里花の視線を感じたオスカー副団長は、にっこり笑って言う。

 「こちらが
  浴室とトイレです

  そして、こちらは
  衣裳部屋になります」

 オスカー副団長は、恵里花が質問する前に、一見すると現代の水洗トイレに見えるモノの使い方を説明してくれた。
 その内容は、排泄した後に魔石に触れると水が流れるというモノだった。

 そして、水がタンクに入ると【浄化魔法】が発動して、排泄物を瞬時に浄化し、水だけが川に流されるシステムになっていると言う説明を受けた。
 それを聞いた恵里花は驚いてしまう。

 〔なんなの…
  剣と魔法の世界なのに……

  トイレは…
  現代のものよりも

  かなり優れている
  システムを
  採用しているわね

  でも…なんか…とても
  おかしい気がする

  ぅん? あぁ…そうかぁ…
  もしかして………

  さっきアルベルト神官が
  言っていた

  聖女の知識を
  求めた結果なのかも……

  ここはちょっと
  聞いてみよう…〕

 「このトイレって…
  聖女様の創ったもの?」

 「はい…そうです…
  流石は…姫君…ですね

  では、私は隣りの居間に
  戻りますので

  着替えが終わったら
  教えて下さい

  甲冑の下に付けるものと
  甲冑を纏う手伝いを
  いたしますので……」

 「はい、着替えたら
  居間に行きます」

 オスカーが出て行くと、恵里花は安心してトイレを使った。

 〔良かったぁ~
  使い慣れた
  水洗トイレがあって……

  あとは着替えるだけね

  でも、この部屋って
  誰の部屋なんだろう?

  う~ん…後で
  聞いてみようかな〕



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