婚約破棄から始まる英雄伝説《ヒロイックサーガ》

ノベルバユーザー285581

皇帝、敵を殲滅した後、タマモにプロポーズする。

 アレクサンダーとタマモが通路を歩いているとアレクサンダーのコムリングに通信が入った。


『陛下!緊急事態です!直ぐにブリッジに来てください!』
「分かりました。タマモ、あなたも来てください。」
「わかったのじゃ師匠マスター


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「何があったのですか?」
「陛下!我が軍の諜報部がワービスト王妃とガルダ艦隊司令官との極秘通信を傍受しました!」
「内容は?」
「ガルダ艦隊とワービスト王国王妃の艦隊で我々への艦隊への攻撃撃を計画しているものと思われます。スキャン結果によると敵艦隊の内訳は大型のへヴィクルーザー15隻、中型のアタッククルーザー30隻、小型の軽クルーザー14隻、フリゲート艦20隻、コルべット43隻です。」
「分かりました。」
「な、なんと…そんな事が……」
「陛下、私の見間違いでなければそこにワービスト王国の第1王女であるタマモ殿下がいらっしゃるように見えるのですが……」
「ええ、私の弟子です。心配は要りません。さっきからずっと《龍眼アブソーブ》をかけていますが敵性反応はないですし、この計画を知ってすらいなかったようですね。」
「陛下がそう仰るならよいのですが……」
「今はそれよりワービスト王妃の逮捕を優先しましょう。私とタマモで行きます。あなた達はパワージェネレーターの出力を100%にし、全てパワーを武器とシールドに回したら、護衛艦にも同じ事をさせて下さい。同時進行で全フリゲート艦、コルベット艦に出撃を命じ、ファイターは出撃準備を完了させて下さい。そこまでしたら私の指示を待って下さい。」
「Sir yes sir!」
「さあ、行きますよタマモ。」
「はいなのじゃ、師匠マスター。」


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通路にて……
「タマモ、彼女から強い邪の闘気を感じます。この事から彼女は高位の邪神官だと推測されます。気を付けて下さい。」
「わかったのじゃ。」タマモは絞り出すような声でそう答えた。
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「アレクサンダー陛下、なんの御用でございますか?」
「こんにちは、王妃殿下。突然で申し訳ないですがこの通信記録について説明していただけませんか?」
「ああ、ばれてしまいましたか。」
「そうですか……法の名の下にワービスト王国王妃殿下貴女を逮捕します。」


アレクサンダーがそう言うとタマモとアレクサンダーはドラゴセーバーを起動した。


「ではあなた方には死んで貰います。」


王妃はそう言うと邪神の剣イヴィル・セーバーを起動し、アレクサンダー達に斬りかかった。
王妃が一瞬で接近して剣を降り下ろすものの、アレクサンダーが防いで逆に体制を崩されてしまう、それならばと体制を立て直しタマモに斬りかかるもののアレクサンダーの特訓を受けたタマモに敵うはずもなく剣を弾き飛ばされ気絶させられた。
 気絶させたワービスト王国の王妃を独房に入れたあとタマモが口を開いた。
「王妃殿下が裏切ったというのは本当だったのじゃな。」
「タマモ、彼女は裏切ったのではありません。最初から私達の味方になどなってはいなかったのです。」
「分かったのじゃ」
「ではブリッジに行きましょう。」


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「此方は終わりました。そちらはどうですか、提督?」
「あと数分で敵艦隊が超光速航行を解除します。」
「分かりました。念のため代表の方々に部屋に戻って貰うように放送をしてください。」
「はい、直ちに。」
 避難が完了すると前方よりガルダ連合の艦隊が現れた。連合艦隊は集中攻撃陣形をとっており、何としてもドラゴニア側の旗艦<ヨルムンガルド>を破壊しようとしているのが一目で解る陣形だった。
「敵の通信を全周波数で妨害し、全砲塔に砲撃開始を命じて下さい。大型艦に集中砲火を浴びせ、ファイター全機発進、中型艦、小型艦に集中砲火を浴びせ破壊してください。フリゲート艦、コルベット艦はシールドにパワーを集中させつつ敵ファイターを撃墜して下さい。」
 戦闘が始まって10分ほど経過するとワービストに潜入していた諜報員達からワービストで王太子が同盟反対派の貴族達とクーデターを起こしたとの連絡があった。
「父上達はどうなったのじゃ!」
「落ち着いて下さい。私の諜報員達が逃がしました。まもなくこちらに到着するはずです。」
「ありがとうなのじゃ。」
 30分後ガルダ艦隊は味方に援軍を要請することも出来ずに殲滅された。
「タマモ、クーデターが起きた直後は隙が多くなることは知っていますか?」
「ああ、なるほどなのじゃ!」


 ブリッジではドラゴニア皇帝とワービスト王女の師弟が黒い笑みを浮かべていた…


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 ワービスト王国、王城にて…


「ふはははは、うざったらしいタマモは交渉に行っていない、親父も消えた。これでこの国は俺のものだ!」
「ほう?妾はそうは思わんぞ?」
「タマモか!出てこい!」
「五月蝿いのう、目の前にいるではないか。」
「なんだと!」
「傲慢ゆえに見える物も見えなかったようじゃな。」
「貴様!」
 第1王子はそう言うとタマモに殴りかかろうとしたが、
「害獣ごときが五月蝿いですね。躾が成っていないのですかね。」
 次の瞬間、ガチ切れしているアレクサンダーが発動した真術、【見えざる手インビジブル・ハンド】によって首を絞められた後吹き飛ばされていた。
「タマモ、今です。」
「『ワービスト王国の《強者の掟》に従い国王の座をかけて貴様に、1対1の決闘を申し込む』のじゃ!」
「受けてやろう!」
「では掟に則り、『勝利条件はどちらかの死亡。第3者の介入は禁止。武器は自由。立会人はドラゴニア帝国皇帝アレクサンダーが務めます。』では決闘、初め!」


 アレクサンダーの合図で、第1王子がタマモに向かって殴りかかるが、避けられて首をドラゴセーバーで切り落とされてしまった。


「今此処に新しい女王の誕生をドラゴニア帝国皇帝の名において宣言する!彼女に刃向かうということはドラゴニア帝国皇帝に刃向かうことと知れ!」


アレクサンダーが放送でそう言うと全てのワービスト王国の国民が王城に向かって跪いた。


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その夜<ヨルムンガルド>にて…
師匠マスター、話って一体なんなのじゃ?」
「タマモ、トレーニングルームで初めて貴女に会った時に一目惚れしていました。結婚してください。」
「はいなのじゃ。」
 タマモは受け入れると感動のあまり泣きだしてしまった。

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