異世界に行ったら国が衰退していたので、不動産屋をしていた経歴を生かしてエルフの王女と国を立て直す。
第78話お母さん! やっぱり、怖いんです!
【ゴーレムマンション内部中枢】
大きな扉のようなものの前で立ち止まる。
何故、このマンションを建設した俺が扉のようなものと曖昧なニュアンスを使ったのか。
それは見た事のない造形だったからだ。
材質は石で出来ているのは間違いないが、扉の表面には角が頭から生え、コウモリのような羽根を背中から生やした人間の姿が描かれていて、まるでそれは悪魔的な意匠。
扉一つでこんなにも禍々しいのか。
俺はその先にいるであろう最悪に会うのが怖くなり、足が震える。
『ここまで来て、何ビビってんだい! それでも、男の子かい!?』
「だ・だって、こんなおっかねえ扉あるかよ! ファミコン初期のRPGじゃないんだからよ! これ、完全にボスだよ! ボス!」
直前になって相当なビビりをかましていると脳内のリズが小声で『頼りないねえ... ...』とため息をつくように言葉を漏らす。
でも、しょうがないじゃないか!
テンションアゲアゲで来たのはいいけど、恐いものは恐い! それが人間ってやつだ!
イチモツが単三電池くらいの大きさに縮こまる中、何もしていないのに扉が轟音をあげながら開き始め。
『さあ! 開いたよ!』
「え!? やだ!!!! 行きたくないよ!!!!」
『... ...』
おもちゃを買ってくれない両親に抵抗するかのように床で転がる27歳男子に対してリズも何も言えなくなったのか、無言。
女の子がいる前ではあんなにもカッコつけられるのに見守る女子がいなくなれば直ぐにこれ、リズが俺に呆れた様子を見せるのも納得出来る。
でも、俺は何故か一番張らなくてはいけないこの場面で緊張の糸が切れてしまった。
『... ...おっぱい揉ませてやるからさ』
「そうやって、男の子ならオッパイで釣れると安易に考える女嫌いだよ! 慈悲のように与えられるオッパイなんて野良猫に与える残飯と一緒だ!」
『... ...困ったねえ』
リズは俺の身体を通して魔法を発動させることは出来るが、身体を自由に扱うことは出来ないようだ。
魔法少女達の怒りとシルフの憎しみは俺が背負うにはまだ重く、それも相まってのプレッシャーに押しつぶされそう。
動きたくても動けないといったのが実際の所。
「... ...帰ろう」
下を向きながら出てきた言葉は後ろ向きな言葉で今まで動かなかった俺の足は四輪駆動車並みの馬力で重たい身体を起き上がらせる。
『は!? 帰る!? 本当に!?』
焦るリズを完全に無視し、スタスタと軽快な足取りで出口へと続く階段に向かった。
大きな扉のようなものの前で立ち止まる。
何故、このマンションを建設した俺が扉のようなものと曖昧なニュアンスを使ったのか。
それは見た事のない造形だったからだ。
材質は石で出来ているのは間違いないが、扉の表面には角が頭から生え、コウモリのような羽根を背中から生やした人間の姿が描かれていて、まるでそれは悪魔的な意匠。
扉一つでこんなにも禍々しいのか。
俺はその先にいるであろう最悪に会うのが怖くなり、足が震える。
『ここまで来て、何ビビってんだい! それでも、男の子かい!?』
「だ・だって、こんなおっかねえ扉あるかよ! ファミコン初期のRPGじゃないんだからよ! これ、完全にボスだよ! ボス!」
直前になって相当なビビりをかましていると脳内のリズが小声で『頼りないねえ... ...』とため息をつくように言葉を漏らす。
でも、しょうがないじゃないか!
テンションアゲアゲで来たのはいいけど、恐いものは恐い! それが人間ってやつだ!
イチモツが単三電池くらいの大きさに縮こまる中、何もしていないのに扉が轟音をあげながら開き始め。
『さあ! 開いたよ!』
「え!? やだ!!!! 行きたくないよ!!!!」
『... ...』
おもちゃを買ってくれない両親に抵抗するかのように床で転がる27歳男子に対してリズも何も言えなくなったのか、無言。
女の子がいる前ではあんなにもカッコつけられるのに見守る女子がいなくなれば直ぐにこれ、リズが俺に呆れた様子を見せるのも納得出来る。
でも、俺は何故か一番張らなくてはいけないこの場面で緊張の糸が切れてしまった。
『... ...おっぱい揉ませてやるからさ』
「そうやって、男の子ならオッパイで釣れると安易に考える女嫌いだよ! 慈悲のように与えられるオッパイなんて野良猫に与える残飯と一緒だ!」
『... ...困ったねえ』
リズは俺の身体を通して魔法を発動させることは出来るが、身体を自由に扱うことは出来ないようだ。
魔法少女達の怒りとシルフの憎しみは俺が背負うにはまだ重く、それも相まってのプレッシャーに押しつぶされそう。
動きたくても動けないといったのが実際の所。
「... ...帰ろう」
下を向きながら出てきた言葉は後ろ向きな言葉で今まで動かなかった俺の足は四輪駆動車並みの馬力で重たい身体を起き上がらせる。
『は!? 帰る!? 本当に!?』
焦るリズを完全に無視し、スタスタと軽快な足取りで出口へと続く階段に向かった。
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