異世界に行ったら国が衰退していたので、不動産屋をしていた経歴を生かしてエルフの王女と国を立て直す。
第52話お母さん! ホワイトの兄の能力は何か汚い!
ホワイトの兄の能力は”対話”であった。
物や人に触れただけで、その物体について色々と分かるようだ。
シルフやホワイトの母がマンドラゴラを飲み、酒乱となった為、マンドラゴラの成分を調べる為にホワイトの兄は土をボリボリと食べていた。
「わ・わかったぞ!」
ホワイトの兄は口の周りを土まみれにしている。
潔癖の人が見たら、卒倒するだろう。
「え? あ、うん。きたねえな... ...」
「え? き・汚い!? そ・それよりも、わ・分かったって!」
「とりあえず、口の周りについてる、うんこみたいなの取れよ」
「う・うんこじゃない! つ・土だ!」
「もう、うんこでも、土でも同じようなもんだよ。次からうんこ食う時は予め言っておいてよ。その場所から離れるからさ」
「う・うんこじゃない! お・お前の方こそ、うんこみたいな鼻してるじゃないか!」
「うんこみたいな鼻って何だよ! お前のうんこは俺の鼻みたいな形なのかよ! 消化器科行け!」
くだらない事から言い争いに発展した二人のアホを横目にホワイトは俺達に注意もせず、冷静に話を進めた。
「で、お兄ちゃん。何が分かったの?」
ホワイトの兄は妹にそう言われると、ハッとした表情で口元の泥を拭った。
「あ・ああ。ど・どうやら、いつもと違う成分が土に混じっている」
「いつもと違う? どう違うの?」
「なんて言うか舌がピリピリするというか、ザラザラするというか... ...」
そりゃ、土喰ったらザラザラもパサパサもするだろうよ。
成分が違うとか専門家気取りしていたくせに、口当たりを実況してどうすんだよ。
「とりあえず、何かが違う事は分かった。重要なのは何故、違うかだ」
「な・なんか、お前に言われると、は・腹立つ... ...」
文句を言いながらも、ホワイトの兄貴は仕切り直し。
「こ・この地域は数百年前に、いきなり、大きな爆発が起きて、それから、土の成分が変わって行った、と・特殊な土壌と言われている」
「爆発!? 戦争か何かあったのか?」
「わ、分からない。戦争だったら骨の味や火薬が混じっているがそれはない。お・恐らく、じょ・上級魔導士が対決でもしたんじゃないか?」
上級者魔導士によるバトルはこんなにも強力なものなのか... ...。
改めて、今いる場所をグルリと見渡す。
ここは宗教的に神聖な場所でも何でもなかった。
戦いがあった場所なのだ。
今は美しい山々に囲まれるこの国もいつかは戦禍に見舞われるのか。
国があって、戦いが起きない事はない。
いつかは来る避けられない事。
「でも、その戦いがあったのは昔の事だろ? マンドラゴラはいつも、ここで取ってたんだろ?」
「う・うん。そうなんだけど... ...」
ホワイトの兄とホワイトは何も分からないのだろう。
お互い顔を合わせ、困り顔。
すぐに解決すると思われた問題も暗礁に乗り上げようとしていた。
マンドラゴラの声で終始耳がキーンとしていたが、段々と治ってきた。
すると、今までは気付かなかった。
小川のせせらぐ音が林の奥から聞こえる。
近くに水源があるようだ。
そうか。
マンドラゴラだって、植物だ。
水は必要なはずだ。
もしかしたら、小川の水の成分が変化したのかもしれない。
「ホワイトの兄。近くに流れる川の成分が変化して、マンドラゴラに影響したってのは考えられないか?」
「そ・その仮説は当たってるかもしれない... ...。数か月前から上流に、へ・変な城みたいに大きな建物が建ったんだ」
「城みたいに大きな建物?数か月前?」
「ほ・ほら、あれ」
ホワイトの兄が指さす方を見るとゴーレムマンションがそこにあった。
どうしようかな。
嫌な事を言われそうだから、「あれ、俺が建てたんだ!」と豪語するのは止めておこう。
「ふーん。おいら、初めて見たってばよ」
「おいら? ってばよ?」
ホワイトは勘がいい。
俺の態度が変化したことに瞬時に気が付いた。
ホワイトの前世は忍者だったのかもしれない。
「あ・あの建物が建ってから色んな物が流れてくるようになって、森の植物達が、げ・元気がないんだ」
「ふえ~。それは大変だってばよ」
「お・俺、動物や植物が、す・好きだから、その植物達をこんな風にしたあの城が憎い」
ホワイトの兄はゴーレムマンションを見ながら強く拳を握った。
今までの温厚な雰囲気がバーサーカーのような黒いオーラへと変わっていく。
くそ! 俺が建てたとはいえこんな事予想してなかった!
そもそも、糞尿しか流さない予定だったんだ!
そういえば、魔法少女と婆にゴーレムマンションの管理を任せっきりで全然気にもしていなかった。
もしかしたら、ゴーレムマンションで何か起きようとしているのかもしれない... ...。
とりあえず、ここを切り抜けよう。
「ホワイトの兄よ。お前、中々、良いやつだな。植物に対してそんな風に思えるなんて素敵やん」
「そ・そうか?」
ホワイトの兄は恥ずかしそうに、指で鼻をこすった。
うわー。
昭和のリアクションだー。
そういえば、さっきから、大丈夫おじさんの姿がない。
一体、どこに行ったんだ?
「そういえば、大丈夫おじさん、どこに行った?」
「大丈夫おじさん?」
「だ・大丈夫、お・おじさん?」
案の定、大丈夫おじさんは、二人に見えていなかった。
まあ、そんな気がしていたから特に驚きもしない。
まだ、足を踏み入れていない新雪が広がる範囲に、ポツリと森の奥に続く小さな足跡があった。
恐らく、大丈夫おじさんの足跡だろう。
どーしようかな。
後を追うほど仲良くないし、心配もしていない。
ただ、その森の奥に異様な雰囲気を感じ、大丈夫おじさんの足跡を辿り、森の奥に足を踏み入れた。
物や人に触れただけで、その物体について色々と分かるようだ。
シルフやホワイトの母がマンドラゴラを飲み、酒乱となった為、マンドラゴラの成分を調べる為にホワイトの兄は土をボリボリと食べていた。
「わ・わかったぞ!」
ホワイトの兄は口の周りを土まみれにしている。
潔癖の人が見たら、卒倒するだろう。
「え? あ、うん。きたねえな... ...」
「え? き・汚い!? そ・それよりも、わ・分かったって!」
「とりあえず、口の周りについてる、うんこみたいなの取れよ」
「う・うんこじゃない! つ・土だ!」
「もう、うんこでも、土でも同じようなもんだよ。次からうんこ食う時は予め言っておいてよ。その場所から離れるからさ」
「う・うんこじゃない! お・お前の方こそ、うんこみたいな鼻してるじゃないか!」
「うんこみたいな鼻って何だよ! お前のうんこは俺の鼻みたいな形なのかよ! 消化器科行け!」
くだらない事から言い争いに発展した二人のアホを横目にホワイトは俺達に注意もせず、冷静に話を進めた。
「で、お兄ちゃん。何が分かったの?」
ホワイトの兄は妹にそう言われると、ハッとした表情で口元の泥を拭った。
「あ・ああ。ど・どうやら、いつもと違う成分が土に混じっている」
「いつもと違う? どう違うの?」
「なんて言うか舌がピリピリするというか、ザラザラするというか... ...」
そりゃ、土喰ったらザラザラもパサパサもするだろうよ。
成分が違うとか専門家気取りしていたくせに、口当たりを実況してどうすんだよ。
「とりあえず、何かが違う事は分かった。重要なのは何故、違うかだ」
「な・なんか、お前に言われると、は・腹立つ... ...」
文句を言いながらも、ホワイトの兄貴は仕切り直し。
「こ・この地域は数百年前に、いきなり、大きな爆発が起きて、それから、土の成分が変わって行った、と・特殊な土壌と言われている」
「爆発!? 戦争か何かあったのか?」
「わ、分からない。戦争だったら骨の味や火薬が混じっているがそれはない。お・恐らく、じょ・上級魔導士が対決でもしたんじゃないか?」
上級者魔導士によるバトルはこんなにも強力なものなのか... ...。
改めて、今いる場所をグルリと見渡す。
ここは宗教的に神聖な場所でも何でもなかった。
戦いがあった場所なのだ。
今は美しい山々に囲まれるこの国もいつかは戦禍に見舞われるのか。
国があって、戦いが起きない事はない。
いつかは来る避けられない事。
「でも、その戦いがあったのは昔の事だろ? マンドラゴラはいつも、ここで取ってたんだろ?」
「う・うん。そうなんだけど... ...」
ホワイトの兄とホワイトは何も分からないのだろう。
お互い顔を合わせ、困り顔。
すぐに解決すると思われた問題も暗礁に乗り上げようとしていた。
マンドラゴラの声で終始耳がキーンとしていたが、段々と治ってきた。
すると、今までは気付かなかった。
小川のせせらぐ音が林の奥から聞こえる。
近くに水源があるようだ。
そうか。
マンドラゴラだって、植物だ。
水は必要なはずだ。
もしかしたら、小川の水の成分が変化したのかもしれない。
「ホワイトの兄。近くに流れる川の成分が変化して、マンドラゴラに影響したってのは考えられないか?」
「そ・その仮説は当たってるかもしれない... ...。数か月前から上流に、へ・変な城みたいに大きな建物が建ったんだ」
「城みたいに大きな建物?数か月前?」
「ほ・ほら、あれ」
ホワイトの兄が指さす方を見るとゴーレムマンションがそこにあった。
どうしようかな。
嫌な事を言われそうだから、「あれ、俺が建てたんだ!」と豪語するのは止めておこう。
「ふーん。おいら、初めて見たってばよ」
「おいら? ってばよ?」
ホワイトは勘がいい。
俺の態度が変化したことに瞬時に気が付いた。
ホワイトの前世は忍者だったのかもしれない。
「あ・あの建物が建ってから色んな物が流れてくるようになって、森の植物達が、げ・元気がないんだ」
「ふえ~。それは大変だってばよ」
「お・俺、動物や植物が、す・好きだから、その植物達をこんな風にしたあの城が憎い」
ホワイトの兄はゴーレムマンションを見ながら強く拳を握った。
今までの温厚な雰囲気がバーサーカーのような黒いオーラへと変わっていく。
くそ! 俺が建てたとはいえこんな事予想してなかった!
そもそも、糞尿しか流さない予定だったんだ!
そういえば、魔法少女と婆にゴーレムマンションの管理を任せっきりで全然気にもしていなかった。
もしかしたら、ゴーレムマンションで何か起きようとしているのかもしれない... ...。
とりあえず、ここを切り抜けよう。
「ホワイトの兄よ。お前、中々、良いやつだな。植物に対してそんな風に思えるなんて素敵やん」
「そ・そうか?」
ホワイトの兄は恥ずかしそうに、指で鼻をこすった。
うわー。
昭和のリアクションだー。
そういえば、さっきから、大丈夫おじさんの姿がない。
一体、どこに行ったんだ?
「そういえば、大丈夫おじさん、どこに行った?」
「大丈夫おじさん?」
「だ・大丈夫、お・おじさん?」
案の定、大丈夫おじさんは、二人に見えていなかった。
まあ、そんな気がしていたから特に驚きもしない。
まだ、足を踏み入れていない新雪が広がる範囲に、ポツリと森の奥に続く小さな足跡があった。
恐らく、大丈夫おじさんの足跡だろう。
どーしようかな。
後を追うほど仲良くないし、心配もしていない。
ただ、その森の奥に異様な雰囲気を感じ、大丈夫おじさんの足跡を辿り、森の奥に足を踏み入れた。
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