異世界に行ったら国が衰退していたので、不動産屋をしていた経歴を生かしてエルフの王女と国を立て直す。
第24話お母さん! 異世界に水洗トイレを作る!⑦
______ゴーレムの城前______
「うわ~! ちょっと何なのよ!」
早速、魔法少女の甲高い大きな声が聞こえてくる。
やれやれ。
どーせ、しょうもない事で驚いている決まっている。
「どーした? 何かあったか?」
「ちょっと、見てよ!」
ん?
城から小川に繋がる堀を作ったのは良いが水が溢れ出している。
しかし、噴水のような光景ではなくチョロチョロと出ているので何日間か放っておけば水は止まるだろう。
昔、川や沼があった場所は掘ると大量の水が出てくる場合が多い。
しかし、出続けるという事は稀で多くは数日のうちに止まってしまうのだ。
お湯が出れば温泉になる。
なーんて。
淡い期待を抱く人もいるかと思うが、温泉の源泉は地中深くにあり、1M2M掘っただけでは出る事などまずない。
素人が温泉を掘り当てるには相当の金が必要だし、温泉を汲み上げる機械もしょっちゅう壊れる為に維持費も大変。
「なんか変な匂いがする!」
こいつの声はキーが高いので朝から聞くとイライラする。
... ...でも、確かに硫黄くさい匂いが。
溢れてきた水を見るとシャボン玉の原液のような気泡の中に少し透明な油が混じっていて、俺は思わぬ副産物に歓喜した。
「うおー!! やったー!!」
「うわ、ビックリした! 一体どうしたのよ? 大きな声出して」
「やったぞ! ガスが出た!」
「ガスって何?」
「これに火をつければ燃えるんだよ!」
「で、何なの?」
「要するにもう、火の番をせずに済むんだ!」
「えっ!? 本当に!?」
魔法少女と婆は魔法で火を出すことなどたやすいが、その火を出し続ける事は難しい。
風呂や料理をする際は魔法で火を着けてから薪で燃焼させる。
なので、火が消えないように火の番ってやつをしとかないといけない。
この世界では風呂は勿論、五右衛門風呂。
一人が風呂に入っているときはもう一人は外で火が消えないように薪をくべなくてはならず、寒い時期などは寒さで死にそうになる。
燃やす薪も割ったりしないといけないので非常に面倒くさい。
ただ、天然ガスは揮発しやすく空気に触れた瞬間に気化してしまうので、ガスを使うには水とガスの成分を分離させる必要がある。
また、ガスを溜めておく必要性もあるため、タンクのような物が必要。
... ...まあ、それはゴーレムに作ってもらう事にしよう。
あれだけの密封技術があれば容易いだろう。
□ □ □
______数日後。
溢れてくる水は止まる気配なく、逆にドバドバ勢いよく流れたままだったので、このまま使う事にした。
ゴーレムに側溝とそれに被せる蓋を作ってもらい、完成。
屋上を覗くと水を貯めておくプールも完成していた。
あとは雨が降るのを待つのみ。
今日は完成した手作りガスコンロで作ったクマの丸焼きを食べよう。
地中から湧き出た天然ガスは思ったよりも埋蔵量がありそう。
それに火力も強く、ゆうに数百世帯分はまかなえそうなくらい。
クマの丸焼きを四人で汚く食べるのが日課になってきたこの頃の俺は異世界にいる事に何の疑問も持たなくなっていて、ハッとした。
そういや、この異世界に辿り着いて三か月ほどが経ったか?
案外この生活も楽しいと感じる時もある。
元の世界にいた時は夏の暑い時期にチャリンコを飛ばし外回りをしたり、家賃を滞納しているオッサンの所に催促しに行ったり、連絡がつかない爺さんの家に行ってみたら孤独死していたりと色々大変だった。
数年前のヘタレで意思が弱い俺がこの状況を知れば驚くだろう。
まあ、異世界にいると知っただけでも驚くか。
しかし、あのエルフの王女は腹が立つ。
俺をこんな森に追放しやがって絶対に復讐してやる!
「うわ~! ちょっと何なのよ!」
早速、魔法少女の甲高い大きな声が聞こえてくる。
やれやれ。
どーせ、しょうもない事で驚いている決まっている。
「どーした? 何かあったか?」
「ちょっと、見てよ!」
ん?
城から小川に繋がる堀を作ったのは良いが水が溢れ出している。
しかし、噴水のような光景ではなくチョロチョロと出ているので何日間か放っておけば水は止まるだろう。
昔、川や沼があった場所は掘ると大量の水が出てくる場合が多い。
しかし、出続けるという事は稀で多くは数日のうちに止まってしまうのだ。
お湯が出れば温泉になる。
なーんて。
淡い期待を抱く人もいるかと思うが、温泉の源泉は地中深くにあり、1M2M掘っただけでは出る事などまずない。
素人が温泉を掘り当てるには相当の金が必要だし、温泉を汲み上げる機械もしょっちゅう壊れる為に維持費も大変。
「なんか変な匂いがする!」
こいつの声はキーが高いので朝から聞くとイライラする。
... ...でも、確かに硫黄くさい匂いが。
溢れてきた水を見るとシャボン玉の原液のような気泡の中に少し透明な油が混じっていて、俺は思わぬ副産物に歓喜した。
「うおー!! やったー!!」
「うわ、ビックリした! 一体どうしたのよ? 大きな声出して」
「やったぞ! ガスが出た!」
「ガスって何?」
「これに火をつければ燃えるんだよ!」
「で、何なの?」
「要するにもう、火の番をせずに済むんだ!」
「えっ!? 本当に!?」
魔法少女と婆は魔法で火を出すことなどたやすいが、その火を出し続ける事は難しい。
風呂や料理をする際は魔法で火を着けてから薪で燃焼させる。
なので、火が消えないように火の番ってやつをしとかないといけない。
この世界では風呂は勿論、五右衛門風呂。
一人が風呂に入っているときはもう一人は外で火が消えないように薪をくべなくてはならず、寒い時期などは寒さで死にそうになる。
燃やす薪も割ったりしないといけないので非常に面倒くさい。
ただ、天然ガスは揮発しやすく空気に触れた瞬間に気化してしまうので、ガスを使うには水とガスの成分を分離させる必要がある。
また、ガスを溜めておく必要性もあるため、タンクのような物が必要。
... ...まあ、それはゴーレムに作ってもらう事にしよう。
あれだけの密封技術があれば容易いだろう。
□ □ □
______数日後。
溢れてくる水は止まる気配なく、逆にドバドバ勢いよく流れたままだったので、このまま使う事にした。
ゴーレムに側溝とそれに被せる蓋を作ってもらい、完成。
屋上を覗くと水を貯めておくプールも完成していた。
あとは雨が降るのを待つのみ。
今日は完成した手作りガスコンロで作ったクマの丸焼きを食べよう。
地中から湧き出た天然ガスは思ったよりも埋蔵量がありそう。
それに火力も強く、ゆうに数百世帯分はまかなえそうなくらい。
クマの丸焼きを四人で汚く食べるのが日課になってきたこの頃の俺は異世界にいる事に何の疑問も持たなくなっていて、ハッとした。
そういや、この異世界に辿り着いて三か月ほどが経ったか?
案外この生活も楽しいと感じる時もある。
元の世界にいた時は夏の暑い時期にチャリンコを飛ばし外回りをしたり、家賃を滞納しているオッサンの所に催促しに行ったり、連絡がつかない爺さんの家に行ってみたら孤独死していたりと色々大変だった。
数年前のヘタレで意思が弱い俺がこの状況を知れば驚くだろう。
まあ、異世界にいると知っただけでも驚くか。
しかし、あのエルフの王女は腹が立つ。
俺をこんな森に追放しやがって絶対に復讐してやる!
コメント