異世界に行ったら国が衰退していたので、不動産屋をしていた経歴を生かしてエルフの王女と国を立て直す。

とっぱな

第16話お母さん! ゴーレムと魔女!

______謎の城内______



◆ ◆ ◆



金髪の美女は俺の顔に頬擦りをしてきて、もう、この後はセクシャルな事をするしかないようだ。
この世界に来てからそういう行為を疎かにしていた為、俺の下腹部は限界だった。


「ちょっと! あんたいつまでひっついてんのよ!」


魔法少女はヤキモチを焼いたのか、金髪の美女から俺を無理に剝がす。
まだ、感触を味わっておきたかったのに余計な事をしやがって!
魔法少女から剥がされて、怒っていたのは俺だけではなく、金髪の美女も一緒になって声を荒げる。


「何するんだみそ! 誰だお前は!?」


ん?
みそ?
どこかで聞いたフレーズだ。


「あたしはこの森の魔女だよ! あんたこそ何者だよ!?」


「あたしはゴーレムだみそ! 花島の飼い主だみそ!」


魔法少女と婆が俺を見る。
おいおい... ...。
俺を見るな... ...。
俺だって状況がいまいち掴めてないんだ... ...。


「あの... ...。俺にゴーレムの飼い主は確かにいるんですけど、あなた様のようにお綺麗で色っぽいゴーレムは存じませんが... ...」


そう。
俺の知っているゴーレムの飼い主は一人!
金髪の幼女様じゃい!


「花島! 私の事が嫌いになったみそ!? そうゆう風に避けられるのが一番辛いみそ... ...」


金髪の美女は涙目で再び、俺に抱きつき、フワッと再びいい香りが... ..。
あー... ...。
幸せが再び来たぞ... ...。
魔法少女もエロい体つきをしているがこいつは触らしてくれないから、この金髪美女の方が100倍ええな。


「だから、離れなさいって!」


「嫌だみそー! もう、私を一人にしないでー!!!」


二人の女に両腕を引っ張られるなんて小学校の時にやったゴム人間ごっこ以来の経験。
俺の人生で最高の瞬間ベスト3に入るであろう。


「ミーレ! やめなさい!」


レミーの命令には従う魔法少女はパッと手を離す。
ちっ!
余計な事をしやがって!
魔法婆が金髪美女に近づき、膝をついて、子供に話かけるように優しい表情で肩をポンと叩く。


「あなた、名前は?」


「... ...ゴーレムだみそ」


「そう。岩っぽくて良い名前ね」


「... ...ありがとう」


違うぞ!!!
今、お前は褒められた訳じゃないぞ!!!
頬を赤らめるな! 頬を!


「あなたはどうして花島君の事を知っているの?」


「あたしは花島の飼い主だみそ! ずっと探してたみそ!」


「そう... ...。でも、花島君はあなたを知らないって」


「嘘だみそ! みんな! あたしをイジメるみそ!」


金髪の美女は俺の胸に再び、顔を埋める。


「いじめてなんかないわよ」


「あたしは花島の好きな料理も知ってるみそ! 花島はクマの丸焼きが好物だみそ! だから、帰ってきたらこのデカイクマを食べさせてあげようと思ってたみそ!」


____ばうっ!?

クマは驚き金髪美女の方を見る。
彼は自身が食用だとは思いもしていなかった顔だ。


「それに花島は掃除の時に鼻歌歌うみそ! ミッシェルってバンドが好きみそ!」


「それは本当なの花島くん?」


事実確認をしていくる魔法婆。
白衣を着ていれば科捜研の女に見えなくもない。


「あ、ああ、合ってる」


しかし、こいつ、本当にゴーレム幼女様なのか... ...?
金髪の美女は話を続ける。


「それに花島は時々、あたしの肩を揉んでくれるみそ!」


「それは、本当なの花島くん?」


「あ・ああ。本当だ」


「肩を揉んでるときにハアハア言ってて気持ち悪いから前に一発ぶん殴ったみそ!」


「それは、本当なの花島くん?」


「... ...本当だ」


魔法少女の方を見ると俺を軽蔑した目で見ている。
おいおい、俺だって男の子だよ。
そりゃ、オラオラいう時期もハアハアいう時期もあるよ。


まあ、どうやらこの美女は俺の飼い主で間違いないようだ。
しかし、問題は容姿が全く違うのはなぜという疑問。


「あなたが花島君の飼い主というのは納得したのだけれども、一体何があってそんな姿に?」


「花島が出て行ったあと、少ししてあたしも後を追ったみそ。でも、全然、見付からなかったみそ」


まあ、そりゃ、一週間は魔女宅にいたからな。
魔女宅の周囲には固有結界が張ってあるのだから猛獣どもは結界の中には入ってこれない。
ゴーレム幼女様もその対象だ。
しかし、あれだな、固有結界ってフレーズカッコイイな。
Tシャツに『固有結界』ってプリントしてえ... ...。


「で、高いところから探したら見付かるかな? って思ってこの城を建てたみそ。でも、見付からなかったみそ」


こいつ、城作れるなら洞窟なんか住んでんじゃねえよ!
と思った。


「で、なんで、そんな姿になったの?」


「心配し過ぎて少しふけて見えるだけみそ」


「それだけ?」


「だみそ」


まじか... ...。
ふけたとかそんなレベルじゃないだろ!?
もう、完全な成長じゃん!
むしろ、進化じゃん!
ゴーレムってみんなそうなのか!?
むしろ、このままのビジュアルが良いから一生心配しててよ!

「分かるよ... ...。あたしもずっと昔に失恋して少し老けちまったんだよ。女って生き物は辛いね」


「... ...」


いや、お前は老けてるとかの次元じゃなく完全な婆だよ! と思ったが、この婆さんは意外に良い奴だから大人な俺は何も言わなかった。


「おばあちゃん!!」


「婆ちゃんじゃないよ!!」


この数分のやり取りでゴーレムと魔法婆の距離がグッと縮まったようだ。
俺と魔法少女を完全に蚊帳の外だったけど

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