乙女ゲー転生は心臓に悪いのです!

亜希野くるり

××第十三話×× ××謎の少女××

ふと、目を開けてみる
冷たい水が足元に何処までも広がっている

「やぁ」

声がした
上を見ると、栗色の髪をした短髪の少女が
こちらを見ていた

「…っ!?」

声が全く出ない

「あー!声出さないでねぇ!今、貴方は催眠術に掛かってるから♪」

催眠術…?
あぁ、そうか。雪氷にぃに掛けられたんだっけ

「ねぇ、貴方は何にも思わないの?雪氷のこと。」

唇をきゅっと噛む

「まぁ、でもどーゆー意味か分かんないよねぇ」

「そうだ!目が覚めたら、私の森においで?もちろん、急いで…だよ?」

ガコンッ!

少女の後ろにある砂時計がタイムリミットになっていた

「私の名前はロゼ・ブランシュ。南の森の奥に住んでるわ。さぁ、目が覚めたら走ってでも来て?──」
「っ…」
あたりを見渡す。
静かな森。後ろからは雪氷にぃと霜ちゃんの声がした

「声が…出る…そうだ。行かなきゃロゼの所へ」

カバンに作った蒸しパンをいそいそと入れ、
コンパスを持った。森の中で迷子は…ちょっと…

「行かなきゃ…行かなきゃ…」

ギイッ
ドアを開ける。
不意に左腕を掴まれた

「どこ行くの?」

後ろを振り返ると、

雪氷にぃがいた。

「か、関係無いし、話す気もない…」

声が震える
雪氷にぃはこちらをじっと見て

「だめ。ちゃんと言って。」

「…関係無いじゃんか…ほっといてよ!」

無理に手を振りほどくと
南の森目指して走ってゆく

「待て!」

声がしたけれど気づかないフリをした

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