乙女ゲー転生は心臓に悪いのです!

亜希野くるり

××第三話×× ××推しの力××

推しと居たい推しと居たい推しと居たい…

馬車の中でひたすら脳裏に唱える
私は、現在馬車に乗せられ中
「大丈夫かい?かなり顔色が悪いけれど…」
この世界はみな、心配してくれるのか…
そう思うと顔が自然にほころぶ。
明星はふっと笑うと、パレードに意識を集中させた

「王宮は広いですねぇ〜」
王宮へは然程遠くなかった。
さぁ、選択肢の時間だ
「ねぇ、お嬢さん、」
「は、はいっ」
「さっきの人達と平民で暮らすか、」
「…」
これは…僕と幸せに暮らすか…が来るよね…
「僕と…この先もずうっと幸せに暮らすか…どちらがいい?」
やっぱり。ほぼほぼ当たってるじゃないか。乙女ゲー信者舐めんなよ。

「私は…さっきの人達と一緒に居たいです。そう…とても…一緒にいて楽しかったから!」
「なら…無理矢理にでも君を僕のものにしてあげる。」
ん?

待て待て待て待て待て
こんなのゲームに無かったぞ!?
まさか…
追加コンテンツか!?
うっわ…
運営やりやがったな…

「やめてください!私の幸せを奪わないで!」
「君は、あの人達と居るより僕と居る方がずうっと幸せになれる」
「な、なれるわけないでしょー!!そーやって他の女の子もオトしてきたわけ!?最低ねっ!」
「いやぁ?この方法は君だけだ」
カチン
あったまくる!何よ!?この方法って、他の方法もあるって事!?はぁぁあ!?
「だから、やめてって言ってr…」
ドンッバンッガッ
「何の音だ!?」
「あっ…霜ちゃん…雪氷にぃ…さま…」
まじか。
運営やるな。
「見つけた…こんなとこにいたんだ。ねぇ、王子様、」
「なっ…」
「そこにいる、とてつもなくドジでバカな奴さぁ…どうやって幸せにすんの?」
来ました来ましたぁぁぁあ!!
……ドジでバカはドSっぽくて萌えるw
「……」
「ねぇ、だんまり?王子様?…ドジでバカは王子様でも手に負えないっつーの。俺らが幸せにしてやるしかねーだろ」
ん?
ん?
待て。推しからの幸せにしてやる…

よし。明星を殴らんと気が済まん。

「王子様ぁ〜」
「んってへぶっ!」
ふぅ…

「お、おお…」
流石に引かれたと思ったけど…
案外良かったのかもしれない

「雪氷にぃ、霜ちゃん!帰ろっか!」
おう!うん!
「よぉ〜し!霜ちゃん!今日は雪氷にぃが晩御飯作ってくれるって!」
「はぁ!?」
「やったぁ〜くりーむしちゅー!」
「はぁ〜…」
今日も明日も、推しと幸せにいれる。
平凡な1日がずっと続けばいいのにな

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