勇者なしで魔王討伐 ~チートと愉快な仲間と共に~

夏季

21話 宴①

ガーベッジ討伐の翌日。
学校の大広間にはたくさんの人が集まっていた。ほとんどがここの生徒だが、所々に偉そうな人達もいる。
各テーブルの上には美味しそうな料理やお酒が沢山置いてある。校長も勇者なしで初めて幹部を倒せたということではりきっているのだろう。


そんな中、最初にまず幹部討伐メンバーの紹介だ。


「全員前に出てきてくれ!」


校長に呼ばれてSクラスの皆は大広間の前に向かう。


「ふふっ、なんだか緊張しちゃうねー」
「む、私もこういうのにはなれてはいないからな……」
「堂々としてればいいのですわよ」
「そうだニャ、うち達は凄いんだからニャ!」
「でも、この二人の姿を見たらね……」
「僕達が言うのもあれだが、君達は本当にいつも馬鹿なんだね……」


そう言ってSクラスの六人は残念そうな目でその二人を見る。その人物は言うまでもなくジンとカエラだ。


「う、うるさ……おぇぇ、だ、だめだ。気持ち悪い……」
「な、何こんな所でへばってるのよ……あたしみたいに……うっぷ、堂々と……うっ、、」


そう、この二人は昨日の居酒屋でお酒を朝まで飲みすぎてしまったのだ。その結果今、みんなの前で無様な姿を晒してしまっている。


「君達ホントにだらしないなー。私達までだらしないと思われちゃうよー」
「だ、大丈夫だ……、お前他のクラスから【食料吸引機⠀】って呼ばれてるから……、もう遅いぞ」
「ぜ、絶対そんな名前で呼ばれてるわけないもんー!」
「お前ら、少しは静かにせんかい!」


校長は俺らを注意したあと、俺とカエラのことを残念そうな目で見た後、紹介を始めた。


「少しだらしないのが二人いるが……この八人が魔王の幹部を倒したもの達である!これから世界の平和のために勇者にかわって魔王を倒してくれるであろう!」


皆から歓声が沸く。Sクラスの皆も少し照れているようだ。


「それでは今日はお祝いじゃー!!!」


校長の合図と共に宴が始まった。

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