勇者なしで魔王討伐 ~チートと愉快な仲間と共に~

夏季

4話 魔力量測定

三日目


今日は剣の技術を見られたが俺とカエラは剣とは無縁だったのであまり上手くいかなかった。
まぁそれでも俺は身体強化で、カエラは持ち前の運動神経とセンスで上位には入ることが出来た。


四日目


最後に残ってるのは魔力量の測定だ。
これは青い玉を持つだけで測れるらしいからとても簡単だ。玉の上に数値が出てくるらしい。


今日もカエラと一緒に後ろに並んだ。
カエラ以外に友達がいないんだから仕方ない。


「なんかワクワクするわね」


カエラはまるで子供のようにソワソワしている。
18歳のくせにガキだなと思ったが、正直俺もすごく楽しみだ。
なんかわからないが数値に出るとなると自分の力が目に見えてわかるみたいだからか。


今回は、少し喋ってたらすぐに順番がまわってきた。ジャンケンでカエラが先に測ることになった。


「んじゃ、いくわよ!
ふんっっーーーー!おりゃー!!!!」


なんかすごい頑張ってるな。
玉持つだけなのに。
でもやっぱりあんなえげつない魔法撃つだけはあるな。凄い勢いで数値があがってる。
そして、しばらくした後数値が止まった。


「数値は……8606よ!
一位よ!やったわ!」


まぁ当然ねって顔だ。
確かに、ほぼ結果わかってたけど。


「よし!次は俺の番だな!」


「ふふっ、私を超えれるかしら」


余裕ぶっこきやがって。
俺もカエラに勝てるとは思ってないが。
てか多分ビリから十番目に入る自信あるぞ。
全然魔法つかえなかったしな。
三桁もいくかな……


だが、ここで予想外のことが起こった。
玉を持った瞬間数値がすごい速度で上昇していくのだ。カエラの時よりもはやく。
3000……4000……5000……6000……7000……8000……
カエラも超えたぞ。どこまでいくんだ。


「ジン、なんであんたがあたしより上なの!
ん……?なんか、玉が黒くなっててるわよ」


10000を超えてしばらくした後、急に玉の色が黒くなってきた。そして、段々その色は濃くなりついに真っ黒になった。
俺は怖くなってきて玉を置こうとした。
その瞬間


パリンっ!


玉が俺の手の上で割れた。
俺とカエラはキョトンとしている。
横を見ると記録係がカエラが建物を壊した時よりも青ざめた顔をしている。


これ、多分、やっちゃったな。
これはひとまず逃げよう! 
そう思い俺は出口に走り出そうと後ろを振り返ると、後ろに髭の生えたおっさんがいた。


校長だ。


校長はその壊れた玉を見て固まっている。
多分建物よりも高いのだろう。
いや、もしかしたら世界でもほんの少ししかない超レアアイテムなのかもしれない。
それを俺が壊してしまったのだ。
ヤバい、殺されるかもしれない。
俺はそう思い身構えた。いつ襲ってくるかわからない。多分唐突に殺しにくるだろう。
いつ動く……いつだ………………ん??
あれ、さっきまで少しは動いてたんだけどな。
ピクリとも動かなくなった。


「これ、気絶してるわね」


俺はそれを聞いた瞬間、全力で逃げた。





















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