俺がこの世に生まれた意味
ギルド本部
ーーああ、絶対ここだ。分かる分かるよ。間違いない。どこからどう見ようと悟ってしまうよこれは。作りが違いすぎる。手間かけすぎだろこれ。何体悪魔を殺せばこれぐらいの建物を建てられるぐらいのお金が手に入るんだろうか。いや、俺たちの一生じゃ絶対無理だよな。本当にすげぇなこれを建てた人。ま、多分、ユナン・パールシアって人だろうけど。
「さて到着いたしました。ここがパールシアが世界に誇る最大の冒険者派遣施設、通称ギルドの本部でございます。」
白髪の老人は触りのいい声でそう告げた。
だが、アースカティアはの心は曇っていた。
...ここは感動すべき場面なのだろうか。
こんな凄いものを見せられて、圧倒的なものを見せられて、人類の底力というものを見せられて、普通の人なら素直に感動するはず。
でもなんでだ、この気持ち、感動と違う気がする。
この気持ちは、そうだ、
「凄いな、ここ。妬ましいほどに尊敬するよ。」
これは尊敬の気持ちだ。
素直にユナン・パールシアさんに尊敬の気持ちを送ることができる。
会ってもいないのに、見てもいないのに特定の人物を尊敬するというのは初めての体験だ。
これほどのものを一代で作り上げるほどの偉大な人物、早く会ってみたい。
「御三方々、それでは中へどうぞお入りください。私とはここでお別れですので、後は係の者達の指示に従ってください、その者達ならば大丈夫です。それでは良き冒険者人生を歩まれる事を。」
三人はユパの指示に従いそのままギルドの中に入って行くと、そこにいた一人のメイド服の女性に会った。
彼女がユパが言っていた係の人なのだろう。
少し吊り上がった目からはキツイ性格が窺えるが、次の瞬間からはそんな印象も綺麗さっぱり粉微塵に吹き飛んだ。
「ようこそいらっしゃいました。アースカティア様、ララ様、レレ様。私が今後あなた方のお世話を担当する、マイヤと申します。どうぞお見知り置きを。」
その笑った顔のなんと美しいことか。
どうすればあのキツイ表情が一瞬でこれ程まで俺を惹きつける顔になるんだよ。
ーーああ、やばい顔が熱くなってくる。
「...」
「いてぇ!?」
そんな考えにふけっていた時、顔の紅潮を引き止める形で後頭部に激しい衝撃が訪れた。
理由は明らか、アースカティアの後ろにいたレレがチョップを繰り出したからだ。
「え?な、何で?」
彼女は目をキリッとさせ、頬を膨らませ、なんだか目尻が濡れている。
何が何だか分からないアースカティアは自然と彼女の姉であるララに視線を移すが、彼女はやれやれと言ったように腕を組み首を横に振っている。
本当に何が何だか分からない。
「何だか私のせいですいません。良ければ担当を違う人と変わりますが...」
「い、いや大丈夫。マイヤさんは何も悪くないから。そんな気にしないでよ。」
「そうですか、分かりました。今のところ係は私で継続ということで。不満があればビシバシ伝えてください。遠慮などは要りませんから。」
本当に綺麗な人だ。
外見だけでなく心まで、
会ってすぐに人の格を決めるのは俺のポリシーに背くんだが、それでもやっぱりこの人は美しい。
どこからどこまでも。
...それにしてもレレのやつ、本当にどうしちまったんだ?
いきなり俺を打ぶつなんて、今までそんなこと無かったのに、ま、慣れない環境に戸惑ってるんだろうな。うん、多分そうだ。
そんな事よりも、パールシアのギルド本部まで来たんだ、この後どうするのかとても気になる。
「なあ、マイヤさん。俺たちはこの後どうするんだ?」
「そうですね。まずは本部長に挨拶に行きましょう。今は出張からちょうど帰ってきたばかりなので、行けば会えると思いますよ。」
ーー早速来た、この都市のボス、ユナン・パールシア。
有名で、寛大な生きる伝説。
そう呼ぶに相応しい偉大な人物。
そんな凄い人、この世界でも両手で数えられるくらいだろう。
早く会いたい。
会って話がしたい。
自分の考えを、価値観を認めてもらいたい。
「それでは行きますか。御三方々。」
「よし!行くぞー!」
アースカティアは勢いよくマイヤの言葉に賛同した。
「どうしましたか?ララ様、レレ様。」
「ふん、何でもないかしら。別に気にしなくてもいい。」
「そ、そうですか、本部長室はこの道をまっすぐ突き進んだ先の部屋です。」
それに比べて双子の姉妹は何だか消極的だ。
マイヤに対する好感度もあまり高くないと見える。
そんな彼女らの態度にマイヤは言葉が詰まって仕方がない。
ーーはぁ、私、本当にこの人たちとやっていけるのでしょうか。
才色兼備のメイドに一つの心労が増えるのだった。
「さて到着いたしました。ここがパールシアが世界に誇る最大の冒険者派遣施設、通称ギルドの本部でございます。」
白髪の老人は触りのいい声でそう告げた。
だが、アースカティアはの心は曇っていた。
...ここは感動すべき場面なのだろうか。
こんな凄いものを見せられて、圧倒的なものを見せられて、人類の底力というものを見せられて、普通の人なら素直に感動するはず。
でもなんでだ、この気持ち、感動と違う気がする。
この気持ちは、そうだ、
「凄いな、ここ。妬ましいほどに尊敬するよ。」
これは尊敬の気持ちだ。
素直にユナン・パールシアさんに尊敬の気持ちを送ることができる。
会ってもいないのに、見てもいないのに特定の人物を尊敬するというのは初めての体験だ。
これほどのものを一代で作り上げるほどの偉大な人物、早く会ってみたい。
「御三方々、それでは中へどうぞお入りください。私とはここでお別れですので、後は係の者達の指示に従ってください、その者達ならば大丈夫です。それでは良き冒険者人生を歩まれる事を。」
三人はユパの指示に従いそのままギルドの中に入って行くと、そこにいた一人のメイド服の女性に会った。
彼女がユパが言っていた係の人なのだろう。
少し吊り上がった目からはキツイ性格が窺えるが、次の瞬間からはそんな印象も綺麗さっぱり粉微塵に吹き飛んだ。
「ようこそいらっしゃいました。アースカティア様、ララ様、レレ様。私が今後あなた方のお世話を担当する、マイヤと申します。どうぞお見知り置きを。」
その笑った顔のなんと美しいことか。
どうすればあのキツイ表情が一瞬でこれ程まで俺を惹きつける顔になるんだよ。
ーーああ、やばい顔が熱くなってくる。
「...」
「いてぇ!?」
そんな考えにふけっていた時、顔の紅潮を引き止める形で後頭部に激しい衝撃が訪れた。
理由は明らか、アースカティアの後ろにいたレレがチョップを繰り出したからだ。
「え?な、何で?」
彼女は目をキリッとさせ、頬を膨らませ、なんだか目尻が濡れている。
何が何だか分からないアースカティアは自然と彼女の姉であるララに視線を移すが、彼女はやれやれと言ったように腕を組み首を横に振っている。
本当に何が何だか分からない。
「何だか私のせいですいません。良ければ担当を違う人と変わりますが...」
「い、いや大丈夫。マイヤさんは何も悪くないから。そんな気にしないでよ。」
「そうですか、分かりました。今のところ係は私で継続ということで。不満があればビシバシ伝えてください。遠慮などは要りませんから。」
本当に綺麗な人だ。
外見だけでなく心まで、
会ってすぐに人の格を決めるのは俺のポリシーに背くんだが、それでもやっぱりこの人は美しい。
どこからどこまでも。
...それにしてもレレのやつ、本当にどうしちまったんだ?
いきなり俺を打ぶつなんて、今までそんなこと無かったのに、ま、慣れない環境に戸惑ってるんだろうな。うん、多分そうだ。
そんな事よりも、パールシアのギルド本部まで来たんだ、この後どうするのかとても気になる。
「なあ、マイヤさん。俺たちはこの後どうするんだ?」
「そうですね。まずは本部長に挨拶に行きましょう。今は出張からちょうど帰ってきたばかりなので、行けば会えると思いますよ。」
ーー早速来た、この都市のボス、ユナン・パールシア。
有名で、寛大な生きる伝説。
そう呼ぶに相応しい偉大な人物。
そんな凄い人、この世界でも両手で数えられるくらいだろう。
早く会いたい。
会って話がしたい。
自分の考えを、価値観を認めてもらいたい。
「それでは行きますか。御三方々。」
「よし!行くぞー!」
アースカティアは勢いよくマイヤの言葉に賛同した。
「どうしましたか?ララ様、レレ様。」
「ふん、何でもないかしら。別に気にしなくてもいい。」
「そ、そうですか、本部長室はこの道をまっすぐ突き進んだ先の部屋です。」
それに比べて双子の姉妹は何だか消極的だ。
マイヤに対する好感度もあまり高くないと見える。
そんな彼女らの態度にマイヤは言葉が詰まって仕方がない。
ーーはぁ、私、本当にこの人たちとやっていけるのでしょうか。
才色兼備のメイドに一つの心労が増えるのだった。
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