SUPEL_night

ルゲ野。

第六話


…………ん?聞こえた・・・・?何で聞こえたの?私の頭が潰されたのなら、聞こえないはずだよね?…あっ、そうか。幽霊になったから聞こえたのかな。…いや、なんで死ぬ前に幽霊になってんのさ。もしかして潰されてないとか?私死んでないの?…この結論に至るまで0.6秒(多分)。恐る恐る目を開けてみる。
目の前にあの化け物がいた。頭に何か食い込んでる。
「わ"っ?!キモッ?!」
頭に太い棒のようなものが食い込んで、途中まで割れていた化け物の頭が、完全に割れてた。なんかピクピク動いててキモい。……待って何かこっちに倒れてきてない?
「ちょちょちょっ!!うげっ!!」
間一髪で後ろに避ける。慌てすぎてコケたけれど。何が起こったか分からなくて、ぼーっと化け物を見つめてたら、誰かが化け物の頭から太い棒みたいな物を取った。誰か近くにいた事に気付いていなくて、慌てて上を向くいた。
「…………………」
黒いパーカーを着た男の人が立っていた。左手にさっきの棒…木刀?を持ってる。パーカーの下には……なんだろう、胴着?みたいなのを着ている。月明かりの逆光で顔はよく見えないけど黒い髪を上げてて、頬にガーゼ貼ってる。……この人に助けられたみたい。
「……怪我は?」
男の人が話しかけてきた。
「えっ、いや、無いっす……」
「そうか」
「…あの、ありがとうございます……」
「……いや、別に」
「………………………」
「………………………」
何か気まずい雰囲気になってウジウジしてたら、男の人は回れ右をしてスタスタと反対方向へ歩き始めた。……いや待って!ここで一人にされたら絶対死ぬ!!
「あっ、あのっ!私を助けて下さいっ!!」
「………は?」
あっやべ。なんか変な言い方しちった。男の人が振り向いて(多分)呆けた顔してる。
「えと、あの、私最近ここに来て、なんか夜は外出ちゃ駄目って言われて、なんでかなーって気になっちゃって…出ちゃったんです…」
だんだん小声になりながら白状した。絶対ヤバいでしょコレ。どうしよ、これで学校とかに連絡入れられたら。お母さんに怒られるなぁ……
私がいろいろと心配していると、男の人が呆気にとられたような声でこう言った。
「……お前、独楽こまだよな…?」
「………………こま…?」

私はまだ気づいていなかった。
これから自分が、この化け物達を殺す立場になることに。

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