SUPEL_night

ルゲ野。

第二話

……えー、あのー……
「ここ…ドコデスカ……?」
今私は世界一混乱していると思う。何故なにゆえ、私は路地裏にいるのだろうか。
「あっちに看板あったのに…「夜百々学園はこちらです」って書いてたのに…」
確かにあった。ちゃんと夜百々学園って書いてた。で、こっちですよマークやじるしもちゃんとこっち側に向いてたのに…。
「…もしかして、さっきの看板、いたずら狐とかが化けてたのかな…?なんちゃってー…あははー……」
一人でボケて元気をだそうとしても無理、ただ虚しいだけだった。
「はぁ…、誰かいないかな…道聞きたいな」
この時間帯なら、路地裏でも誰かしら通勤通学してる人がいると思った。が、
「…えっ!待って?!まだ6時前じゃん!」
電波腕時計の短い針が、あともう少しで6を差す位置にあった。…どうやら、というか普通に部屋の電池式の時計が早まっていたようだった。
「えぇ……この時間帯って誰かいるの?というかまだ今日誰にも会ってないよ…詰んだよ……登校初日で詰んだよ…?」
グズグズと嘆きながらも歩を進める。とりあえずこの路地裏から抜け出したかった。なんか薄暗くて怖いし。
「あーもー、ホントについてな__」
絶えずグズグズとぼやいていたら、神様が私を可哀想だとでも思ったのだろうか。向こうの十字路を誰かが横切った。神様、ありがとうございます。
ダッシュでその十字路の角を曲がって見ると、恐らく男の人が前を歩いていた。距離があるし、薄暗くてよく見えないけど。
「あっ!あのっ!ちょい!ちょっ、まっ!待って下さーいっ!!」
このチャンスを逃がさぬよう、大声で呼び止める。
「…………あ"?」
あ、なんかヤバイ人にあっちゃったかも知れない。なんかスゴい声低いしなんか背高いしなんか木刀持ってるし。えっ不良?不良なの?私ボコされるの?
「…なんだ、何か用か?」 
その不良(?)がこっちに歩いてきた。…まだ距離はだいぶある。なら、とるべき行動は一つ。
「………さようならっ!!!」
元気よく挨拶しながら回れ右をして猛ダッシュしかない。この間僅か0.6秒。後ろから何か声聞こえるけど知らない。知らないもん。止まったら絶対絶対ボコされるに決まってる。

「……んっ?あれって…」
やみくもにずっと走ってたら、横の抜け道から学園の校舎がちらりと見えた。どうやら下ばかり向いて歩いていたから気づかなかったようだ。
「なんだ…私が馬鹿だったのかー…はぁ…」
時計を見たらもう7時近くだった。いやどんだけ走ってたの私。
「…ガッコ行こ…………」
疲れた足を引きずりながら、私はトボトボと校舎へ向かった。

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