悪役令嬢は婚約破棄されて覚醒する
084★今度は、レアな魔物が登場のようです
私達は、魔の森の中を、ソルス・ロス・エンダ村の冒険者ギルドに向かって歩いていた。
ついでに、私の体力と魔力アップの為に、出会う魔物をひたすら狩って、冒険者ギルドで買ってもらえるようにインベントリの中にポイポイと入れていた。
死薔薇の鞭がレベルアップしても、私の体力はいまいちだった。
もう少し、レベルアップのスピードを上げたいと思いながら、私はサーチを確認する。
……うん? あっ……大きな……とり? たぶん、鳥系の魔物かな?
ダチョウと良く似た? 大きな鳥の気配がかなりの数あるわね。
うふっ…コレは、討伐すれば、結構なお金になるわね。
くすくす………どれぐらいの固体がいるのかな?
なんて思っていると、コウちゃんが話しかけてきた。
『ママ、地駆鳥だよ、羽も皮も肉も高いよ
魔石はまあまあかな?属性魔法の付与は出来ないけどね』
ふ~ん…地駆鳥っていうんだ。
………っていうか、あのRPG【黄昏の解放】に居たかしら、そんな魔物?
まぁ…でも、集団行動で鳥系の魔物だから………。
やっぱり、ダチョウみたいなモノね。
まして、羽も皮も肉も高いんなら、是非にでも討伐して回収ね。
ついでに、レベルアップ……。
いや、レベルアップがメインで、討伐回収がついでかな?
「そうなの? だったら、死薔薇の鞭のレベルアップになるわね
だって、絞め殺し以外は、皮や羽やお肉が、高く売れなくなっちゃうもの
でも、ガッちゃんは、全部食べても良いわよ、沢山いるんだからね
魔石も食べて良いわよ、そんなに高く売れないから」
私の言葉に、ガッちゃんは嬉しそうにしている。
『主さまの倒したモノ以外は、全部食べます』
「たまには、心置きなく食べてね」
なんてほのぼのした会話をしていると、大群の地駆鳥が私達に向かって走って来る。
まるで天敵に追われて、スタンピートしているという感じがする。
小首を傾げながら私は、コウちゃんに確認する。
「コウちゃん、この大群って、何かに追われているのかな?」
私の問いかけに周囲を探査していたらしいコウちゃんがあっさりと答えてくれる。
『うん、追われているよ』
私も、探査系の魔術レベルを上げる為に、意識して探査をする。
と、はっきりと感覚に引っかかる。
「うん、確かに気配を辿ると結構大きな蛇か? ムカデか?
細長いタイプのトカゲ? または、細身のワニ? って感じの
長モノ系の魔物の気配がするわね…」
呟くように言う私に、コウちゃんが正解を口にする。
『最初に言った蛇が正解だよ。ママ、もう少し自信を持って………』
「うん、そうする。ところで、どの蛇なの?」
『レッドローズスネイクだよ』
その名を聞いた瞬間、恐怖よりもトキメキを感じたのは内緒です。
だってRPG【黄昏の解放】の中でレア討伐になる魔物なんだもの。
人気あったのよねぇ………倒すのはめっちゃくちゃ大変だけど、素材としてもお肉としても、魅力がある蛇系魔物だったから………。
思わず、本音が漏れてしまうわ。
「うっわぁ~…高級品だわぁ~………」
前世で、ガチャを廻しまくって、キャラデザして………。
必死で作ったアバターに着せたくて、占い師やら旅人やらの話しを拾って、仲間と討伐に向かったわねぇ………。
いや、チートもいっぱいつけていたから、討伐自体は、一部を除いて、そんなに苦労した覚えは無いけど………けど、今の私に倒せる?
いや、天使シリーズ身に付けて、死薔薇の鞭を装備しているけどね。
独りだときついんだよねぇ………ああ、仲間が恋しいわ。
なんて思う私に、コウちゃんが続けて言う。
『ちなみに、もっと珍しいブルーローズスネイクがいるよ
更に、パープルローズスネイクもいるよ
トドメのブラックローズスネイクもね』
コウちゃんから提供される情報に、ちょとクラクラする。
だって、今、確かに何でも食べれるガッちゃんと色々できるコウちゃんがいても、私は1人なんだもん。
通常は、パーティー組んで討伐する類だから………。
「えっぇぇぇぇ~………ブラックは勘弁して欲しいなぁ~……
別名デススネイクって呼ばれてた、アレでしょう」
思わず、私は苦労した時のことを思い出して、溜め息を付く。
幾らレアな武器に防具があっても、今のひ弱なシルビアーナには厳しい魔物だから………。
なによりも、この世界での経験値があまり無いのが痛いわぁ。
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