悪役令嬢は婚約破棄されて覚醒する
083★精霊さんは面白がり屋さんのようです
「なんか凄いレジェンド系のアイテムね。他に特典はついていないの?」
思わず、他の追加効果とかあるのかと聞いてしまう。
そんな私に、コウちゃんが説明してくれる。
『死薔薇の鞭で死んだ魔物のHPを、半分ママに付与してくれるよ
HPが少なくて、でも、強力な魔物のいるダンジョンに潜るには
最適なアイテムなんだ
ただし、滅多に手に入らないアイテムだから
あそこに在って良かったって思ったの』
あら…それって…あったわぁ~……えぇ~と妖精の剣だったかしら?
じゃなくて、奇跡の剣だっけ?
いやぁぁ~ん…ソレと同じ…いえいえ、それ以上の効果があるのね、凄いわ。
「ふぅ~ん…ドラク○に出て来たアイテムと似ているけど
もっと効力があるアイテムなんだぁ~…もっとガンガン使って……」
レアアイテムをゲットしたことに興奮して、戦闘民族気分になった私に、コウちゃんが冷たく水をさす。
『ママ、それをやると魔法のレベルが上がらなくなるからね』
あっ…それは不味いわ………このシルビアーナの身体って………
あまり動かないお姫様をさせられていたから、とてもひ弱なのよ。
天使シリーズで底上げしていたって、並みの冒険者がやっとよ。
魔法のレベル上げは必須だもの………。
「うっ………それは…イヤ…真面目に、魔法を使うわ……
というコトで、魔法を使えるようにナビよろしくね、コウちゃん」
『まかせて、ママ』
「ガッちゃん、倒した魔物の処理お願いね」
『はい、主さま』
死薔薇の鞭の進化と、私のレベルアップを目指して歩き始める。
さほど歩かなくても、ダンジョンのある魔の森は、魔物と遭遇できる。
私のサーチに魔物が引っかかった。
「コウちゃん、ホーンウルフよりも、気配が強いね
それに数がめちゃくちゃ多いんだけど」
私の言葉に、コウちゃんがちょっと考える素振りをしてから答える。
『うん、キラーアントの上位種のアーミーアントだよ
土属性魔法シェイク、クェイク、と無属性魔法のパワーを使ってくるよ
外皮が土魔法属性の防具になるよ
でも、こんなにはいらないから、アイスニードルを使ってイイと思うよ
肉は使えないし、魔石はそこそこかな?
ガッちゃんに外皮と魔石の一部ををもらえば良いよ』
私は、素直に水属性魔法を使うことにした。
確かに数が多すぎるから、外皮を傷つけないなんて気にしなくて良いからね。
そう、高をくくっていたんですけどねぇ………。
その数分後、私は後悔していた。
簡単なんて考えていた私は甘かった。
そう、アリですもん………出現した、その数が半端なかったです。
エサを求めて歩いているんじゃなくて、群れの移動に遭遇したようでした。
私は、その蠢くアリの群れに、ブチッと何かの切れる音を聞きました。
「マイクロアイスランスゾーン」
無意識で辺り一面に、アイスニードルを撃ちました。
それに当たったウォーアント達は、次々と凍って砕けていきます。
ザンザン(魔法が当たった音)パキパキ(凍った音)シャリーン(アリが砕ける)という音が響きます。
どうやら、精霊達が力を加えているようでした。
お陰で、フリージングキル並みの威力になっていたようです。
でも、そんなの知ったこっちゃねぇ~……で、ガンガン魔法を放つ私でした。
すっぱり、気持ち悪かったんです。
そして、凍って砕けるアリの粒に、天使シリーズは耐えてくれました。
が、景色が寒々しくなったので………。
そう周りの木々や下生えも凍って、パキパキシャリーンと音を立てて砕けていきます。
これは不味いと思い私は、風属性魔法に切り替えました。
「マイクロウィンドカッター」
小さなカマイタチをイメージしたんですが………。
アリたちは、次々に、ザクザクと切り刻まれていきます。
どうやら、私の周りに集まった精霊達は、その行為自体を面白がっているようです。
それでも、周りに対する被害が減ったようなので、そのままにしました。
というか、精霊達が勝手にやっているので、私には止められないという状態なので………。
だって、集まった精霊達と、契約とかしているわけじゃないし………。
まだ、その姿をきちんと見てい無いから………。
ついでに言えば、契約は怖いので遠慮します。
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