悪役令嬢は婚約破棄されて覚醒する
071★初代皇帝の勇者と、皇妃の聖女は、F1だった?
『うん、そうだよ
まぁーこの世界の【理】として
どこかのダンジョンを起点とした
魔物のスタンピートはあるかも知れないけど
それって、増えすぎた人類を間引く為の
小規模氾濫程度でしかないから
勇者も聖女も必要ないんだよ』
「ええぇぇぇぇぇぇぇぇ~………
身代わり地蔵が存在しないぃぃぃぃぃぃぃぃぃ……」
驚き過ぎて叫ぶ私に、コウちゃんは付け足す。
『まぁ…魔王が誕生する要因になるモノは
ガッちゃんが食べちゃったから
魔物の大氾濫……
俗言う、スタンピートが起こるほどの
魔素だまりが出来て、魔物が増えるには……
人類の増え方にもよるだろうけど
軽く2000年~3000年はかかるだろうし…
魔王を誕生させられるだけのモノっていうと…
5000年くらいかな?
異世界召喚が起こるとしたら
大体5000年先だね』
その言葉に、私は呆然とする。
そこに、ガッちゃんが言う。
『ところで、主さま………
今の内容、向こうにも流れていますが
よろしかったのですか?
なんの指示も無かったので
繋いだままでしたが………』
新たな頭痛の種になりそうなガッちゃんの言葉に、私は水晶に向かって宣言する。
「お父様、シルビアーナは旅に出ますっ……
良き夫を自前で見付けます
私の背負いしモノを共に背負える
良き夫を得て、次代となる子を得たら戻りますわ
では、ごきげんよう」
そう言い放った瞬間に、ガッちゃんへと視線を向ければ、コクッと頷いて、水晶球と繋がる魔術による通信を断ち切ったのだった。
「はぁ~………どうして、こうなるの?
じゃなくて………えぇ~とぉ~………」
困惑する私に、ガッちゃんが言う。
『主さまがこちらに転移されてから
お父上と通信が繋がるまでを確認なさいますか?
魔術通信の残滓がある今なら
何か起こっていたかを見ることが出来ますよ』
ガッちゃんの言葉に、私は頷く。
「ええ、頼むわ。一応は、どうなったかぐらい確認しないとね」
私の言葉に、ガッちゃんが水晶珠に魔力を込める。
今の私には、ソレを視認できた。
本当に、あんなに苦労したのって、あのお花畑なルドルフ皇太子のセイだったのねぇ………。
じゃなくて、あのビッチでゆさゆさメロンのいかにも性悪な男爵令嬢、ヒロインじゃ無かったのかぁ………。
あの後、どうなったのかしら?
ルドルフ皇太子は、結婚する気バリバリにあったようだけど?
そう思っているうちに、ガッちゃんの魔力によって水晶珠に映像が現われて動き出す。
お父様ってば、本気で私を助けだそうとしていたのね………。
そっか…私は愛されていたのね………。
っていうか、今は亡き皇太后様からの指示だったんだ。
うわぁ~…とんでもない内容のお手紙。
えっとぉ……結局、廃嫡されたんだ。
あぁ…確かに、誰もヒロインと認めてないわ、あの男爵令嬢。
みんなの共通認識は、ビッチ超えて、娼婦ですか………。
その娼婦に負けた私って…………じゃない、続き続き。
あの皇太子妃の証明とされる3点セットってマジものの呪具だったんだ。
その製作者って、初代皇帝………って、アレ?
なんか、引っかかるモノが………。
「コウちゃん、ガッちゃん
初代皇帝って《狂いし神子》を
封印したってことになっているんだけど………」
『うん、あいつ等に操られた勇者だよ
その奥さんは、聖女ね
どっちも、手を加えられているから
魔力が他の人間よりも遥かに強かったんだ』
そのコウちゃんの言葉に、ガッちゃんがコクコクして、その額の魔石で視てきたモノを思い起こして言う。
『ただ、一代雑種というか………
子供には伝わらなかったようですよ
性質も、力も』
コウちゃんが、そこにちゃちゃを入れる。
『F1じゃしょうがないよ
子供には遺伝しないから………
ほら、ママ…あっちでも
遺伝子操作された鶏が居たでしょう
卵を産むことに特化したヤツ
アレって、卵の時に手を入れられているから
ソレから孵った鶏は同じだけの
能力を有していないって、例のアレだよ
ママってば、怒ってたでしょう
ほら、ミニトマトとかミニキュウリとかでも……
せっかく、種とって植えたのに
同じモノが生らないって………』
私が、プランターで小さな家庭菜園をして、育てて楽しみに食べていたお野菜や、ホームセンターで買ってきたニワトリさんを例にあげて、コウちゃんが説明してくれる。
具体例をありがとう………遺伝子組み換えとかは、反対です。
継承されない性質はちょっといただけないし、後でどんな弊害が出るかわかりません。
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