悪役令嬢は婚約破棄されて覚醒する
第50話050★パーティー会場にて・レギオンの回想2
だから、私はブランデル陛下に対して、疑念を持っている。
あの時、会った先代陛下・アレクサンデル様は、あの後すぐに毒殺されたのか?
シルビアーナが私達の手の中から攫われ、あの呪いの呪具を着けられた時には、アレクサンデル陛下は逝ってしまっていたとは………。
アレクサンデル陛下が逝っていたのを知っていたなら、何が何でもこの国から家族全員で逃れたものを………。
あの後、すぐに、アレクサンデル陛下の崩御の告知があったのは………。
シルビアーナの高い魔力と血統を、あのブランデルが狙ったのを、いまひとつ実感していなかった私は、その後、かなり後手に回ってしまった。
我が領地を、魔の領域と接する北部の皇家直轄領(専門の北部を守る守護騎士達が配置されていた)と、なんの事前通告(貴族院での議題も、相談提案など)も無く、替えさせられてしまった。
帝都に近い、もともとの領地を、皇家の直轄領として、交換されてしまった。
その時には既にシルビアーナを奪われ、人質とされていた為に逆らうことも出来なかった。
その行為は、たぶんに、ディアーナの祖国ソレント王国との交流を絶つ為の措置だったのだろう。
ディアーナに選ばれた私が、憎いかブランデル。
私は、お前が憎いぞ、ブランデル。
お前は、そこまでディアーナを愛していたのか?
いや、その娘のシルビアーナに呪具を着けるようなお前だ、選ばれなかったことが悔しかっただけだろう。
だが、今更、そんなことは、もうどうでも良い。
私を縛る皇族は、もうこの帝国には、1人もいないのだから………。
伯父も、母も、父も…な。
私を縛る鎖は、全て解き放たれた。
あの顔だけの馬鹿皇太子は、娼婦のような男爵令嬢に夢中だという噂が出ている。
確認させたところ、確かにあの馬鹿皇太子は、娼婦に夢中で、もしかしたら、婚約破棄まで行くかもしれないと………。
その上で、シルビアーナに呪いの呪具を着けた宮廷魔術師長の息子が、馬鹿の側近で娼婦に入れ込んでいると報告があった。
また、騎士団長の息子もあの馬鹿の側近で、娼婦に夢中だと。
他には、宰相の息子や将軍の息子もたぶらかされていると。
あの時、私達を落とし入れたのは、お前達だったのだな。
我が愛しき娘を奪う実行犯ども………。
貴様らは決して許さん。
死よりも辛い罰を………。
いや、死を望むほどにその身も心も追い込んでやる。
だが、その前に、シルビアーナの身の安全を確保しなければ………。
今回は、ディアーナの祖国ソレント王国を通じて、アルビナ帝国宮廷魔術師筆頭マリウス殿を借り出して、側近として連れてきた。
これで、シルビアーナ、お前を助け出せる。
補助として、ソレント王国の未来の魔術師長アストリス殿を従者として連れてきた。
これで、お前の呪具はマリウス殿に、逃げる為の転移は、アストリス殿に、近衛を蹴散らすのは私と護衛騎士達が揃っている。
あの魔の森で戦って鍛えたこの腕で、お前を取り戻す。
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コメント
ノベルバユーザー307657
お父さんええ人やん