双剣使いの暗殺者

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壊滅した村

馬を預けるため、立ち寄った村が滅んでいた。
家は巨大な針のようもので貫かれたあと、村人たちは身体の血液を木の根のようなものに吸い取られ、干からびて死んでいる。

「な、何ですかこれ?」

驚きを隠し切れず、思わず呟いてしまった。
ジャンヌさんが知るはずもない。
僕と同じでこの状況に混乱してるのだから。

「アースドラゴンよ」

えっ、

アースドラゴンがやったことにではなく、ジャンヌさんが今の質問に答える事が出来たのに驚いた。

「アースドラゴンは大地と植物を操るの」

「あの家の穴はおそらく、地面を針状に変化させたものに貫かれたのよ」


「何のために、村人の血を」

「アースドラゴンは養分にして自分の栄養にしているのよ」


「何で、そんなことを知ってるんです?」

「・・・・・・」

「2年前、私は自分の故郷をアースドラゴンに滅されたのよ、私は村を出ていたから襲われずに済んだの」

「じゃあ、」

「ええ、この依頼を受けたのは復讐のためよ」


「ただ、私の村が襲われたのは魔力の多く含んだ木、『神樹』と呼ばれる木を食べるためだったみたいだけど」

「アースドラゴンの大好物みたいなのよ、私の村は其れを文字通り、神として崇拝してたの、神樹を食べるついでに村の人々の血も取って行ったのよ」

復讐なんてそう言おうと思った。

だけど、僕が言っていい事じゃなかった。

今も、村を襲った奴を探すために行動している。僕が彼女を止める資格を持ってはいないのだから。

「これから、どうしますか。僕達2人で戦うか、ギルドに応援を送るか」

これが精一杯だった。
せめて、決断をされることにした。
自分だけの力でアースドラゴンを倒すか他の物と徒党を組んで戦うか。

「本当なら、ギルドに報告すべきなんでしょうけど、アイツは私の手で倒したい」

そうなると、思っていた。
わかっていた、僕が同じ立場でもそうした。
仇は自分の手で取りたいそう思ってしまうんだ。
どうしても、僕達『復讐者』は。

「僕がアースドラゴンを見つけます」

スキルを試してわかった事があった。
気配察知は、動物つまり、植物以外の生物の気配を感じることの出来るスキルだということを。

「お願いできるの、私の勝手に付き合う必要はないのよ」

「気にしないでください」

そういい、スキルを発動した。

大きな森だがドラゴンほど、大きな反応を見逃すまずがない。

はずだった。


「反応がない」




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