オタクとヤクザが恋したら…

かのちゃん

54 決着

うーん、うーん……。

「由香。そんなにウロウロせんでよかとに〜。」

だって!今日は遼ちゃんの運命が決まる日とよ!?
先生が終わったあと、電話するって言ってたけど……どうしても気になって仕方ないと!

「由香。遼太郎さんを信じた方がいいよ。妊婦さんだから、ソファーでも座って待ちな。」

美咲が私をソファーに座らせた。
ゔゔ〜。気になるよぉ〜。
宮島先生、皇牙組のビルで何かを発見した時、すぐ帰るって言って、それから1度も会ってない……。
大丈夫かなぁ?






「それでは、皇牙遼太郎の法廷を始めます。」

「裁判長。」

検事が手を上げた。

「検察側は、とある証人を連れてきました。」

「ほう。それでは、法廷に来てもらいましょう。」

法廷のドアが開き、1人の男が入ってきた。
白髪で、目は兎みたいに赤く、黒い服とズボンを着た、若い男……!
月宮……蓮!!

「久しぶりです、遼太郎さん。どうですか?留置所暮らしは。」

あの顔で睨まれて……ムカつくぜ!

「被告人!お静かに!」

……。

「それでは、尋問に参りましょう。」

あいつに……本当のことを話してくれ!!先生!!

「あなたは事件当日。何をしていましたか?」

「歌舞伎町をウロウロしてました。パトカーが皇牙組のビルに向かってるのが見えて、なんだろと思って、戻っていくと……鈴崎が血を流して死んでいたのを見ました……。」

奴は、わざと泣いてるな。

「異議あり!」

「弁護人!」

「歌舞伎町で調べたところ、誰もあなたを見てないと証言がありました。」

「……!?」

「本当のあなたは……皇牙組のビルにいた!」

「……!」

「馬鹿言え!!証人が皇牙組にいたという証拠はあるのか!」

「もちろん!こちらをご覧下さい。」

モニターに、俺が出てる映像が写された。

「こちらは、皇牙組のビルに配置された防犯カメラ。」

「ほら!やっぱり!証人がいるわけないじゃないか!鈴崎殺しの犯人は、皇牙遼太郎に決まりだ。」

「この映像は、実は加工してあるんです。」

「……!?」

「本当の映像は、こちら!」

モニターに映されたのは……なんと!蓮が写ってる映像!

「な……んだと!?」

「鈴崎裕也さんの真犯人は……月宮蓮さん、あなたですね。」

「……!?」

さあ。本当のことを言わせてあげようか。

「あなたは出雲組の組長に命令され、鈴崎さんを呼び出し、遼太郎さんの銃で殺害し、遼太郎さんを呼び出し、遼太郎さんに罪を被せるため、 灰皿で遼太郎さんを殴り、銃を遼太郎さんに握らせて逃げた。この映像、出雲組の子分に加工してもらったんでしょ?他にも鈴崎さんを殺したあとの映像、遼太郎さんを殴った映像もありますけど……観ます……。」

「いい!!いい!!いい!!いい!!」

奴はパニクって頭を掻きむしりながら怒鳴った。

「……俺が……鈴崎裕也を殺しました。皇牙遼太郎が結婚して、子供が産まれるから皇牙組を辞めると、出雲さんに話したら、鈴崎を殺して、皇牙遼太郎をムショに放り込めと命令されました。映像は全て、子分に加工してもらいました。」

「お、お前!!」

出雲の野郎も来てたのか。






トウウウウル。
あ!宮島先生からきた!

「裁判、終わったのね!」

みんなが私の後ろから、覗き始めた。

「はい……ええっ!?本当ですか!?はい……色々ありがとうございました!先生のおかげです!それでは……。」

私は泣きながら電話を切った。

「ど、どうしたと!?」

「遼太郎さんは!?」

私は涙を拭いながら、振り向いた。

「……無実です!!」

「やったあ!!」

美咲と花と美紅が、私に抱きついてきた。

「ほら!信じた方がよかったでしょ!?」

うん……!ありがと、みんな!
よかったね……お父さん、帰ってくるよ、赤ちゃん。
私はお腹を優しく撫でた。
続く!

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