オタクとヤクザが恋したら…
52 裁判開始
1ヶ月後。俺の裁判が始まった。
由香はお腹のこともあるので、家で結果待ち。
大きな扉が開き、俺は4回目の法廷に立った。
「これより、被告人、皇牙遼太郎の裁判を行います。」
まず、事件の説明をして、刑事側の尋問を終えて、証人の尋問へ。
証人は……テルだ。
由香の言う通り、頭に包帯を巻いて、右腕には包帯を巻いてる。
「あなたは、12月22日の深夜。被害者の鈴崎裕也と何か話しましたか?」
「はい。遼太郎さんが、ヤクザを辞めるんで、2人で計画して、サプライズをと……。」
「サプライズ計画が終わり、あなたはビルを出て行ったと。」
「そうです……。」
「その後、被害者との連絡は?」
「ありません。後から掛けてけると言っていたんですが……不思議に思い、再びビルに戻ったら、遼太郎さんと鈴崎が倒れているところを発見しました。俺、慌てて電気を付けて、警察に電話しました。」
「異議あり!」
「検事側。」
「被疑者と被害者の無事を確認しなかったんですか?」
「……頭がパニクっちゃって……すみませんでした。」
続いては、俺の尋問へ。
「皇牙遼太郎さん。あなたは事件発生時、家にいたことは事実ですね。」
「……ああ。間違いない。俺はちゃんと家にいたさ。」
「異議あり!」
「検事側!」
「家にいたっていいながら、数時間前、鈴崎裕也を殺した。あなたは、鈴崎裕也のことをひどく怒ってたらしいじゃないですか。」
……!
「弁護側。尋問の続きを。」
「少し気になったんですが……鈴崎裕也さんに呼び出されてたんですよね?」
「ああ。話があると言われて。」
「……実は、鈴崎裕也さんの携帯で、電話の履歴を調べたところ……鈴崎さんの携帯には、遼太郎さんの電話番号が全く載ってなかったんです!」
「ちょっと待った!被害者はちゃんと、被告人に連絡したという証拠があるんだぞ!」
「真犯人は、とあるトリックをしたんです。」
「とあるトリックとは?」
「こちらを……。」
弁護士が出したのは……ラジカセ!?
「ラジカセだとぉ!?」
「昨日、組長室を調べたら、机の上に置きっぱなしだったんですよ。犯人はこれを使って、遼太郎さんに電話したんです。犯人はお馬鹿ですねえ。証拠品を置いたりして。」
「宮島弁護士。そのラジカセには、何が入ってるんですか?」
「まあ、よく聴いてみてください……。」
弁護士は、ラジカセのコンセントを差して、電源を入れて、ボタンを押すと……。
「『……遼太郎さん。ちょっと話があるので、来てもらっていいですか?』」
……あの時、俺に掛かった、鈴崎の声!
「この声は、以前、鈴崎さんが遼太郎さんに電話した声を、犯人が録音し、殺した後、遼太郎さんに電話で流したんです。」
「……殺したあと!?」
「弁護側は、皇牙遼太郎さんの無実を証明します!」
こうして、俺の裁判が終わった。
続く!
由香はお腹のこともあるので、家で結果待ち。
大きな扉が開き、俺は4回目の法廷に立った。
「これより、被告人、皇牙遼太郎の裁判を行います。」
まず、事件の説明をして、刑事側の尋問を終えて、証人の尋問へ。
証人は……テルだ。
由香の言う通り、頭に包帯を巻いて、右腕には包帯を巻いてる。
「あなたは、12月22日の深夜。被害者の鈴崎裕也と何か話しましたか?」
「はい。遼太郎さんが、ヤクザを辞めるんで、2人で計画して、サプライズをと……。」
「サプライズ計画が終わり、あなたはビルを出て行ったと。」
「そうです……。」
「その後、被害者との連絡は?」
「ありません。後から掛けてけると言っていたんですが……不思議に思い、再びビルに戻ったら、遼太郎さんと鈴崎が倒れているところを発見しました。俺、慌てて電気を付けて、警察に電話しました。」
「異議あり!」
「検事側。」
「被疑者と被害者の無事を確認しなかったんですか?」
「……頭がパニクっちゃって……すみませんでした。」
続いては、俺の尋問へ。
「皇牙遼太郎さん。あなたは事件発生時、家にいたことは事実ですね。」
「……ああ。間違いない。俺はちゃんと家にいたさ。」
「異議あり!」
「検事側!」
「家にいたっていいながら、数時間前、鈴崎裕也を殺した。あなたは、鈴崎裕也のことをひどく怒ってたらしいじゃないですか。」
……!
「弁護側。尋問の続きを。」
「少し気になったんですが……鈴崎裕也さんに呼び出されてたんですよね?」
「ああ。話があると言われて。」
「……実は、鈴崎裕也さんの携帯で、電話の履歴を調べたところ……鈴崎さんの携帯には、遼太郎さんの電話番号が全く載ってなかったんです!」
「ちょっと待った!被害者はちゃんと、被告人に連絡したという証拠があるんだぞ!」
「真犯人は、とあるトリックをしたんです。」
「とあるトリックとは?」
「こちらを……。」
弁護士が出したのは……ラジカセ!?
「ラジカセだとぉ!?」
「昨日、組長室を調べたら、机の上に置きっぱなしだったんですよ。犯人はこれを使って、遼太郎さんに電話したんです。犯人はお馬鹿ですねえ。証拠品を置いたりして。」
「宮島弁護士。そのラジカセには、何が入ってるんですか?」
「まあ、よく聴いてみてください……。」
弁護士は、ラジカセのコンセントを差して、電源を入れて、ボタンを押すと……。
「『……遼太郎さん。ちょっと話があるので、来てもらっていいですか?』」
……あの時、俺に掛かった、鈴崎の声!
「この声は、以前、鈴崎さんが遼太郎さんに電話した声を、犯人が録音し、殺した後、遼太郎さんに電話で流したんです。」
「……殺したあと!?」
「弁護側は、皇牙遼太郎さんの無実を証明します!」
こうして、俺の裁判が終わった。
続く!
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